不動産購入のノウハウ

貸倉庫業は収益性が高い土地活用の1つです。
貸倉庫とはどういったもので、それを事業としてどのように運営していくのかを紹介し、貸倉庫業が儲かる理由や注意点についても解説します。
不動産購入 収益物件2025年12月3日
貸倉庫業は、安定した需要と長期契約の多さから収益性が高い土地活用の1つです。
立地や需要を見極めれば、効率的に利益を上げられる可能性があるため注目されています。
ここでは、貸倉庫の概要について分かりやすく解説します。
貸倉庫とは、個人や法人が荷物を一時的または長期間保管するために借りる収納スペースのことです。
この記事では、その中でも「レンタル収納スペースとしてのトランクルーム(貸倉庫)」について解説します。
貸倉庫には主に3つのタイプがあります。
まず、「倉庫業法」に基づいた貸し倉庫は、登録を受けた会社が運営し、防火・防犯など厳格な管理のもと、会社が荷物を預かる寄託契約によるサービスで主に法人が利用します。
次に優良トランクルームは、同法に準拠し、さらに国の基準を満たして認定された高品質な施設です。一定の性能(定温や定湿、防塵など)を有しているため、美術工芸品など貴重な財産も安心して預けられます。
最後に、非倉庫の会社が提供する「レンタル収納スペース(賃貸型トランクルーム)」は、賃貸借契約により小規模なスペースの収納場所を貸す形式で、基本的に利用者が自己管理を行います。個人利用が中心で手軽に利用できる点がメリットです。
トランクルームには屋内型と屋外型の2種類があります。
屋内型はビルや倉庫内に設置され、空調やセキュリティが充実しているため、書類や衣類などデリケートな荷物の保管に最適です。サイズもロッカー型から5畳以上までさまざまです。
一方、屋外型はコンテナ式で大型収納にも向いています。バイクや家具の保管に便利で、車を近くに停めて出し入れできる点がメリットです。収納の目的に合わせて使い分けましょう。
収納サービス市場(レンタル収納・コンテナ収納)は、年々拡大している状況です。
矢野経済研究所のデータによると、2024年度の市場規模は878億7,000万円、2025年度は前年比4.4%増の917億8,000万円が予測されています。
首都圏の貸倉庫相場は、EC需要の拡大や物流網の再構築を背景に上昇傾向にあります。
特に湾岸エリアや高速IC周辺の希少物件は需要が集中し、空室が出てもすぐに埋まる状況です。羽田空港近くでは坪単価が8,000円台から1万円台に上昇する例も見られます。
立地や用途、建物の仕様などにより相場は異なりますが、今後も物流拠点としてのニーズ拡大に伴い、賃料上昇が続くと見込まれます。
貸倉庫業は運営管理の手間が少なく、立地条件に縛られない点が大きな魅力です。ここでは、貸倉庫業のメリットについて解説します。
貸倉庫業は、運営管理の手間が比較的少ないことが大きなメリットです。
住宅の賃貸経営と異なり、利用者対応や設備トラブルがほとんどありません。
日常的な対応が少ないため、副業としても始めやすいビジネスです。
事業規模が拡大しても管理会社に委託することで、自分の負担を抑えながら運営を継続できます。
貸倉庫業のメリットの1つとして、立地条件に縛られにくい点が挙げられます。
特に高速道路やバイパスへのアクセスが良い場所では需要が高いため、都市部に限らず、郊外や地方の土地でも収益化が可能です。
アパート経営には不向きな立地でも、物流拠点や保管スペースとして活用できる可能性があり、遊休地の有効活用にも適しています。
トランクルーム経営は、マンションなどの賃貸住宅経営と比べて利回りが高いといわれています。一般的な賃貸住宅の利回りは7%〜10%程度ですが、トランクルームは15%〜25%程度とされており、土地活用の中でも高水準です。
初期投資が比較的少なく、運営コストも抑えやすいことが理由の1つとして挙げられます。
そのため、効率的に収益を確保できるビジネスモデルとして注目されています。
トランクルームは初期費用が賃貸経営よりも安いのがメリットです。
自己経営方式で屋外型と屋内型のトランクルーム投資の初期費用を分けて整理した表はこちらです。
【トランクルーム:自己経営方式でかかる費用】
| 種別 | 初期費用の目安 | 主な内訳 |
|---|---|---|
| 屋外型 | 約200〜800万円 |
|
| 屋内型 | 約100〜600万円 |
|
屋外型は土地に直接コンテナを設置する方式で、初期費用は約200〜800万円とされています。整地や設置工事、防犯設備などが主な費用です。
一方、屋内型は建物を借りて内部を区切り、収納スペースとする方式で、初期費用は約100〜600万円です。リノベーションや設備工事が必要ですが、基礎工事が不要なため、屋外型に比べて費用を抑えやすいケースが多く見受けられます。
貸倉庫業にはメリットも多い一方で、「節税効果が低い」「金融機関からの融資を受けにくい」などのデメリットがあります。
ここでは、貸倉庫業のデメリットについて解説します。
貸倉庫業のデメリットの1つは節税効果が低いことです。
一般的な賃貸経営では、土地に建物を建てることで固定資産税が最大6分の1に軽減される措置があります。
しかし貸し倉庫では、この軽減措置が適用されません。
そのため節税効果が限定的で、税負担が相対的に大きくなる点には注意が必要です。
需要がない地域では利益を得るのが難しいこともデメリットとして挙げられます。
貸し倉庫の需要は地域によって大きく差があるため、需要のないエリアでは稼働率が低下し、安定した収益が見込めません。
特に新規参入者は事前に徹底した市場調査を行い、需要のある立地を見極めることが重要です。立地選びを誤ると、初期投資の回収が困難になるリスクもあります。
集客が簡単ではないこともデメリットとして挙げられます。
貸し倉庫はまだ一般的な認知度が低く、利用を検討する人が限られているため、集客に苦労することも少なくありません。
住宅や賃貸物件のように多数の広告媒体があるわけではなく、情報発信の手段も限られています。効率的な集客には独自の工夫やマーケティング戦略が必要です。
貸し倉庫の経営を成功させるには、いくつかの重要なポイントを押さえることが必要です。
まず大切なのは立地の選定で、幹線道路や高速道路に近いなど交通アクセスの良い場所が望ましいといえます。
次は、地域やターゲット層の需要調査を徹底し、稼働率を高められる立地かを見極めることです。その上で、収益性と利用者の満足度を両立できる適切な料金設定を行います。
オンライン広告やチラシなどを活用した効果的なマーケティングで認知度を高め、集客につなげましょう。

貸し倉庫経営においては、法律上の位置付けや注意点を理解することが欠かせません。
まず「倉庫業」とは、寄託を受けた物品を倉庫で保管する事業を指し、原料から製品、冷凍・冷蔵品や危険物まで、多様な物品を安全に管理する社会的役割を担っています。
他人の貴重品を扱うため、倉庫業を営む場合は倉庫業法に基づく登録が必須です。
登録には、保管する物品に応じた施設基準を満たした倉庫であること、さらに倉庫ごとに倉庫管理主任者を選任することが求められます。
一方、単なるスペース貸しとしてのトランクルーム経営は「賃貸借契約」に基づくため倉庫業法の対象外ですが、契約形態や責任範囲を利用者に明確に示すことが重要です。
法律や制度を正しく理解し、適切な運営体制を整えることが、貸し倉庫を経営する前提となります。
貸し倉庫以外でのおすすめ土地活用としては、コインパーキングや太陽光発電などがあります。どの土地活用にするかの相談先は、提案力が豊富な会社を選ぶと良いでしょう。
ここでは、コインパーキング・太陽光発電での土地活用について解説します。
まず、挙げられるのがコインパーキングです。
コインパーキング経営とは、土地に無人の時間貸し駐車場を設置し、利用者からの駐車料金で収益を得る土地活用方法です。
狭小地や変形地でも運営でき、建物を建てる必要がないため、初期費用を抑えられます。
コインパーキングのメリット・デメリットは以下のとおりです。
【メリット】
【デメリット】
狭小地や変形地でも始められ、建物を建てる必要がないため、初期費用を抑えやすい点メリットです。管理業務を専門会社へ委託すれば手間も少ないため、初心者でもスタートしやすいビジネスとして注目されています。
立地によって収益性は変動しますが、柔軟な土地活用法として多くのオーナーに選ばれている方法です。
太陽光発電投資は、土地や建物の屋根に太陽光パネルを設置し、発電した電力を売電することで収益を得る土地活用方法です。
国の固定価格買取制度(FIT)や近年注目される自家消費型モデルによって、長期的な安定収入が期待できます。
メリット・デメリットは、こちらです。
【メリット】
【デメリット】
太陽光発電投資は、需要が安定しており比較的リスクが低い点や、運営管理の手間が少ないため、大きな労力をかけずに収益を得られる点がメリットです。副業や長期的な投資先として適しています。
一方、初期投資額が数百万円以上と高額になりやすく、設置場所や気象条件によっては災害リスクを受けやすいというデメリットもあります。安定収益とリスクをバランス良く見極めてから投資を始めましょう。
貸倉庫業は、管理の手間が少なく利回りも高いためおすすめの土地活用です。
ただし、土地活用は立地や地域ごとの需要に加え、用途地域なども関係するため、より詳しく知りたい場合は、加瀬グループにご相談ください。
土地活用の実績がある加瀬グループでは、ご希望に合わせて最適な活用プランを提案いたします。
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