不動産購入のノウハウ
スケルトンマンションとは、骨組み以外のすべてが撤去された状態のマンションのことで、中古マンションの購入+リフォームを検討している人にとっては、魅力的な物件といえます。
しかし、スケルトンマンションは見つけることが難しく、深追いすることにはリスクが伴います。また、家屋内のすべてをリフォームする必要があり、手間と時間がかかるため、注意が必要です。
スケルトンマンションの探し方と注意点について解説します。
不動産購入 リフォーム・リノベーション2024年2月16日
スケルトンマンションは、室内を限りなく自分の理想に近づけられるため、リフォームやリノベーションを施すには最適な物件です。
しかし、多くの魅力がある一方、希少性が高く流通量が少ないという特徴があります。
スケルトンマンションは自分の好みやニーズに合わせて、間取りや内装を自由にカスタマイズできます。
たとえば、70㎡の広さがある室内を1LDKにしたり、ウォークインクローゼットやロフトを作ったり、キッチンをアイランド型にできたりします。
このように、通常のマンションよりもリフォームの自由度が高いという点に、スケルトンマンションの特徴があります。
通常のマンションを購入しリフォームする場合、残置物や設備、壁紙などを撤去することからスタートします。
つまり、新しい設備の設置や間取りにする費用だけでなく、撤去費用もかかることになります。
その点、スケルトンマンションは重要な構造体以外はすべて撤去された状態であるため、リフォーム費用が安くなるという点も、大きな特徴です。
ただし、一般的なリフォームのように「使える設備を残す」ということができず、住める状態にするためには、設備や壁紙などの細かいところまで決めていく必要があります。そのため、人によっては面倒に感じるかもしれません。
スケルトンマンションは流通量が非常に少なく、ほとんど見かけることがありません。
その理由として、売主にとってスケルトンマンションとして売り出すことのメリットが、ほとんどないという点が挙げられます。
スケルトンマンションは、既存の内装をすべて取り払ってから売りに出すため、工事の期間も費用もかかってしまいます。また、工事費用を回収できるかどうかもわかりません。
簡単にいうと、スケルトンにせずにそのまま売ってしまったほうが手っ取り早くリスクも少ないのです。
このように、スケルトンにしてマンションを売却することは売主にとってメリットがないことから、ほとんど市場に出回らない物件となっています。
スケルトンマンションの売主はリフォーム業者であるケースが多く、「リフォーム条件付き」の販売であるケースがあります。
つまり、購入後は売主であるリフォーム業者とリフォームの請負契約を結ぶ必要があり、業者の選定ができません。
すでにリフォームを依頼する業者が決まっていたり、売主であるリフォーム業者が悪徳業者であったりする場合には注意が必要です。
流通量が少ないスケルトンマンションですが、流通がゼロというわけではなく、探し方を理解しておけば、運よくスケルトンマンションを手にできるかもしれません。
以下で紹介するスケルトンマンションの探し方は、通常のマンションを探すうえでも役立つ方法であるため、しっかりと確認しておきましょう。
スケルトンマンションを探す場合、まずは不動産ポータルサイトをチェックしましょう。
不動産ポータルサイトとは、不動産会社が物件を公開しているサイトのことで、SUUMOやアットホームといった大手サイトを利用するケースが多いです。
ただし、物件情報を掲載するにも掲載料がかかります。広告費を抑えるために、メジャーでないポータルサイトに掲載されていることもあります。そのため、スケルトンマンションを見つけるためには、できるだけ多くの不動産ポータルサイトを巡回する必要があります。
保存してあとから閲覧できる、リーディングリストなどの機能を活用しながら、ポータルサイト上の物件情報を収集しておくとよいでしょう。
希望しているエリアでスケルトンマンションが公開されればすぐに連絡がもらえるよう、不動産会社に依頼しておくのもおすすめです。
とくに、地元の不動産会社はポータルサイトなどで公開されていない非公開物件を取り扱うことも多く、不動産ポータルサイトだけでは探せない物件を、紹介してもらえることもあります。
不動産会社にスケルトンマンションの捜索を依頼することは効果的ですが、依頼した会社の数だけ営業を受けることになるため、注意が必要です。
スケルトンマンションを探すのは非常に時間がかかるうえに、すぐに売れてしまうことが多いです。
そこで、通常の中古マンションを探し、売主にスケルトン状態で引渡しをしてもらえないか交渉するという方法があります。
しかし、売主からすると費用負担がかかるため、応じてもらえないことが多いでしょう。長期間売れ残っているなどの理由で、少しでも早く手放したいなどの事情があれば交渉の余地はあるでしょう。
スケルトンマンションは流通量が少なく、固執しているといつまで経っても物件の購入ができない可能性があります。
そのため、スケルトンマンションを探す際には深追いしないことがポイントです。
業者でなく、一般の売主にとってスケルトンにすることはデメリットでしかなく、余程の理由がなければ現況のまま売却するのが一般的です。
なぜなら、スケルトンにすることは資産価値を上げることにつながらないため、スケルトンにする費用を負担したにも関わらず、販売価格を上げることは難しいからです。
また、使用できる設備がある場合であれば、そもそも現況のまま売却したほうが、資産価値は高くなります。
このような理由からスケルトンマンションは公開されることが少なく、探す場合は期間を決めておくのがおすすめです。
運よくスケルトンマンションを購入できることになった場合、どのくらいのリフォーム費用がかかるのかを事前に知っておくべきです。
一般的に、70㎡程度のマンションをスケルトンにした場合、500〜800万円がリフォーム費用の相場となります。ただし、この相場はマンションの管理規約やリフォーム規約によって変動することが多いため、注意が必要です。
マンションを購入後、リフォームの打合せ中に特殊な建材や部品が必要であることが発覚し、予算を大幅に超えてしまうこともあります。
このようなトラブルを起こさないためにも、購入予定のマンションにどのくらいの費用がかかるのか、特別にかかる費用はないのかなどを事前にチェックしておく必要があります。
スケルトンマンションだけを探すよりも、通常のマンションを検討しリフォームしたほうが、よほど効率がよいといえます。
なぜなら、通常の中古マンションのほうが流通量が圧倒的に多く、スケルトンマンションを探すより、通常の中古マンションの中から自身の希望するリフォームができるものを探したほうが時間も手間もかかりません。
スケルトンマンションを探す一方で通常のマンションも並行して検討し、納得のいくリフォームプランをたてられるマンションを購入することが、重要です。
スケルトンマンションや、その他にも希望の条件や要望がたくさんあるのであれば、取引実績豊富な小田急不動産にも一度ご相談ください。
不動産売却に必要な基礎的な知識をご紹介します。