不動産購入のノウハウ

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中古物件を買う前に確認するポイント
失敗しない中古住宅の選び方

中古物件は新築より安く購入できるのが魅力ですが、築年数が経っているため、住んでみるとトラブルなどが発生してしまうかもしれません。外観や設備の劣化は仕方ありませんが、購入を後悔するほどの欠陥があっては困ります。

後悔することなく中古物件を購入するには、どういったことに注意する必要があるのでしょうか。買う前に確認しておくべきポイントを紹介します。

不動産購入 リフォーム・リノベーション

2023年9月22日

目次

買う前に知っておきたい中古物件の基礎知識

当然ながら中古物件は新築物件と違い、人が住んだことのある物件のことを指します。

人が住んだことがない新築物件でも、完成後1年以上経過した物件は「中古物件」呼ばれます。

中古物件を購入するメリットとデメリット

中古物件は、新築物件と比べて価格が安くて購入しやすいのがメリットです。同エリア内なら土地の価格は同じくらいですが、住宅は築年数が経てば経つほど価格が下がるため、新築物件よりも安く購入できます。

新築物件の場合は建築途中やまだ更地の段階で購入できる一方で、中古物件は実際に内覧をしてから購入できるため「想像と違った」という失敗がありません。あえて中古物件を購入し、室内をリノベーションすることで、自分好みの住宅をつくり出すことも可能です。

中古物件を購入するデメリットは、新築より物件の価値が下がっているため、金融機関の担保価値が低く見積もられて、住宅ローン審査が厳しくなることです。また、築年数が古ければ古いほど、建物や設備などが劣化しているため、早い段階でメンテナンスが必要になります。

中古物件を購入するときは、あとあとかかるメンテナンス費用も考慮して予算を組みましょう。

中古物件と新築物件の違い

中古物件と新築物件は、購入時の諸費用にも違いがあります。新築物件の場合、建物に消費税がかかりますが、中古物件で売主が個人の場合、建物は非課税となります。

また、中古物件は新築物件と比べて瑕疵に対する保証期間が短く、売主が個人の場合、原則「買主が契約不適合を発見した日から1年以内」が保証期間です。最近は「引き渡しから3カ月以内」といった特約がついている場合もあるため、取り引きの際は注意が必要です。

一方、新築物件の場合「検査済証」が発行されるため、基本的に構造部分に瑕疵が発生するケースは少ないです。雨漏りや耐震は、施工会社が引き渡しから10年間の瑕疵担保責任を負うケースが多いため、中古物件と比べて瑕疵に対する不安は少ないでしょう。

中古物件を買う前に確認するポイント

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中古物件を買う前に確認したほうがよいポイントをまとめました。購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

水回りなど設備の劣化

キッチンや浴室、トイレなど、水回り設備の劣化状態を確認しましょう。水回りは住宅設備の中でも劣化や故障の頻度が高いため、購入前の確認が必須です。水道やトイレは水を流して水漏れがないか確認することと、過去に修繕した履歴があるか、排水管の高圧洗浄を行った履歴はあるかなどを確認してください。

購入後の出費を抑えるためにも、水回りの劣化状態は押さえておきたいポイントです。

新耐震基準への適合

新耐震基準とは、1981年以降に建築された物件は震度6強から震度7の地震がきても家屋が倒壊しないという耐震基準です。新耐震基準が施行されたのは1981年6月1日からなので、それ以降に建てられた物件はすべて新耐震基準に沿っていると考えてよいでしょう。

地震で建物が倒壊してしまったら、莫大な費用がかかります。天災は誰にも防げないため、新耐震基準に適合した物件選びが必須です。

接道の確認。再建築不可物でないか

いま現在建物が建っている土地でも、一度更地にしたら再建築できない「再建築不可物件」があります。建築基準法で接道義務が定められており、建物を建てるときは幅員4メートル以上の道路に2メートル以上接していなければなりません。

これは救急車や消防車がスムーズに出入りして救助活動を行えるようにするためで、救助活動が困難な土地に建物を建ててはいけないと定めているのです。

中古物件を購入するときは、再建築可能かどうか事前に確認しましょう。

修繕の履歴

中古物件は設備に不具合が起きていることが多いため、過去の修繕履歴を必ず確認しましょう。

きれいに直しているのであれば問題ありませんが、何度も同じ症状で施工会社を手配していたり、雨漏りが頻発していたりする場合、購入後に大きな修理費用がかかってしまうおそれがあります。

周辺環境、施設

物件にばかり目がいってしまいがちですが、周辺環境や近隣にどんな施設があるかも重要なポイントです。たとえば、子育て世代なら公園や小学校は近くにあるか、買い物の利便性はどうか、高齢夫婦が住むなら坂道や階段は少ないかなど、購入前に周辺環境を調査することが大切です。

また川の近くは洪水などのリスクが高いため、事前にハザードマップで確認しておくことをおすすめします。

近隣住人の人となり

物件周りのご近所付き合いや、近隣住人とトラブルがなかったかなども確認しておくとよいでしょう。すべての状況を事前に調べるのは難しいですが、仲介する不動産会社へ「過去に近隣トラブルなどが起きたことはありますか」とひと言確認をしてみましょう。

一戸建てならある程度距離を置くこともできますが、マンションで騒音トラブルや迷惑住人がいた場合、入居後に後悔することになります。

近隣トラブルが原因で売却にいたった場合、不動産会社に説明責任があるため、よほど悪質な不動産会社でない限り、事前にしっかりと説明があるはずです。また内覧で近隣住人に会えたときは、あいさつをしたうえで地域の雰囲気を聞いてみるのもおすすめです。

なぜ売り出されたのか

重大な告知事項があれば不動産会社から事前説明があると思いますが、特に説明がない場合、売りに出された理由を確認しておくと安心です。

たとえば、転勤や実家近くへの帰郷などであれば問題ないでしょう。しかし、近隣トラブルのような入居後にトラブルに巻き込まれそうな理由だった場合、その物件の購入は見送ったほうがよいかもしれません。不動産会社から説明がなくても、自分から確認しましょう。

外壁の確認

中古の一戸建てを購入しようとしている場合、外壁のメンテナンス状況を確認しましょう。外壁の寿命は平均10年といわれているため、売主が10年おきに塗装や防水工事を行っていればよいのですが、そういう物件ばかりではありません。

築10年前後の物件で、一度もメンテナンスをしていない物件であれば、入居後すぐに塗装費用が必要になる可能性が高いため、メンテナンスの予算も考えて購入しましょう。

土地や立地の価値を見極める

プロでなければ、土地の価値を見極めることは難しいです。それでも将来的に土地を手放す予定がある場合は、区画整理が行われる予定はあるか、駅前は栄えているか、地域住人の年齢層など、その土地が将来売れるかどうかもしっかり調査しましょう。

売却の予定がなければよいかもしれませんが、できるだけ価値が下がりにくい立地などを不動産会社に紹介してもらいましょう。

資金計画をしっかり立てる

物件は見れば見るほど理想が高くなりがちです。最初にしっかり予算を決めておかないと、予算を上回る住宅を購入してしまい、住宅ローンの返済で家計が圧迫される事態になりかねません。

子育てや老後資金など、今後のライフプランも考慮しつつ、無理なく返済できる資金計画を立てましょう。住宅は上を見たらキリがないため、予算の範囲内で探すことが大切です。

中古物件の購入を成功させるポイント

中古物件の購入を成功させるためのポイントをまとめました。購入するときの参考にしてください。

自分もホームインスペクションを実施する

購入後の失敗を避けるため、すべて不動産会社に任せきりにするのではなく、自分でも調べることが大切です。購入後のメンテナンス費用を抑えるため、内覧時にホームインスペクション(住宅診断)を実施しましょう。

ホームインスペクションとは、屋根、外壁、室内、床下などの状態を、住宅診断のプロであるホームインスペクターに診断してもらうことを指します。異常が見られた場合は、引き渡し前に修繕してもらえるかなどの交渉を行うことも可能です。

既存住宅売買瑕疵保険に加入してもらう

既存住宅売買瑕疵保険とは、中古住宅の検査と保証をセットで行う保険です。この保険に加入するには、建築士の検査に合格することが条件となるため、検査に合格した物件を安心して購入できます。

万が一、入居後に瑕疵が見つかった場合も、修理費用の保険金を受け取ることが可能です。個人間の売買であれば瑕疵担保責任が3カ月程度になるのが一般的なため、保証期間が2年または5年に伸びる点も買主のメリットです。

ただ、加入には7〜15万円ほどの費用がかかるため、加入を条件として購入する意思がある旨を売主に伝えることが必要でしょう。

リノベーションで好みの住宅にできる

中古物件は新築物件より安価で購入できるため、購入費用を抑えてリノベーションに費用をかけるのもひとつの方法です。内装のフルリノベーションをすれば、見た目が新築同然になるだけでなく、注文住宅のように自分好みの空間にすることも可能です。

費用を抑えつつ自分好みの住宅がほしい方には、中古物件の購入とリノベーションの組み合わせがおすすめです。

小田急不動産なら、中古物件のご提案からリノベーション工事までをワンストップで提供するワンストップリノベーションを提供しています。

住宅購入にかかる費用とリノベーション工事の見積などに関しても迅速にご対応いたします。

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