不動産購入のノウハウ

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中古住宅購入の注意点を失敗事例とあわせて解説

中古住宅の魅力はなんといってもその安さにあります。しかし、価格だけを見て物件を選ぶと、思わぬ瑕疵や問題があり、かえって修復にお金がかかる、融資が下りない、安全に住むことができないといった事態になりかねません。

それでは、中古住宅を購入する際にはどのような点に気をつければよいのでしょうか。とくに重視すべきポイントを紹介します。

不動産購入 中古住宅

2023年9月22日

目次

中古住宅を購入するときの注意点

中古住宅を購入する際に、注意したい5つのポイントを解説します。

耐震基準を満たしているか

中古住宅を購入する際、とくに注意したいのが耐震基準を満たしているかという点です。

現在の耐震基準(新耐震基準)は1981年6月1日に適用されたものであり、それより前に建てられた物件は現行の新耐震基準を満たしていないおそれがあります。

基準を満たしていない物件は大地震の際に被害が大きくなるだけではなく、融資審査の面で不利になる、リフォームに関する補助金や住宅ローン控除を利用できないといった経済的なデメリットも生じます。

融資が受けられる物件であるか

中古住宅は比較的安価だとはいえ、住宅ローンを借りて購入するケースがほとんどです。しかし、なかには融資が受けられない物件があります。

耐震基準を満たしていない物件に加え、違法建築も融資が下りにくいため注意が必要です。違法建築とは、建築基準法や、それに基づく法令、条例に違反して建てられた建築物を指します。たとえば、建ぺい率や容積率が定められた基準をオーバーしている物件が違法建築に相当します。

なかには建築後に法律が改正され、基準を満たさなくなったという物件もあります。そのような物件は「既存不適格物件」と呼ばれます。既存不適格物件は違法ではありませんが、融資が受けられない、もしくは融資額や返済期間が制限されるケースもあります。

構造上の問題はないか

築年数の古い住宅の場合、傾斜やゆがみ、たわみなどが生じている場合があります。原因としては地盤の影響、雨漏りによる腐食、シロアリなどが挙げられます。

とくに地盤調査が義務づけられていなかった2000年以前に建てられた一戸建て住宅は、軟弱な地盤の上に建設されている可能性があり、地盤沈下や家の傾きといった危険な状態になるおそれもあります。

家の構造そのものに問題が生じている場合、リフォームで修復することは困難です。中古物件を購入する際には、インスペクション(建物状況調査)が実施され、構造上に不具合がないものを選ぶと安心です。

設備の状態はよいか

中古住宅である以上、設備の劣化は避けられませんが、あまりに劣化具合がひどいと修復費用がかさみ、予算オーバーになってしまったということにもなりかねません。

設備の状態を確認し、どの程度リフォームが必要かをあらかじめ整理しておくことが重要です。とくにキッチンやトイレ、お風呂といった水回りは経年劣化が大きく出る箇所です。水漏れやサビ、カビなどが出ていないかしっかりチェックしましょう。

周辺環境はよいか

間取りや構造の割に価格が安い物件は、周辺環境が悪く居住ニーズが低いおそれがあります。実際に現地に赴き、以下のような点を確認しましょう。

  • 駅まで近いか
  • 最寄駅から主要駅へのアクセスは良好か
  • 周辺にお店や病院、学校はあるか
  • 街灯が多い、交番が近くにあるなど安全性が高いか
  • 騒音や悪臭がなく住みやすい環境か
  • 地震や津波の起こりにくいエリアか

可能であれば昼と夜、平日と週末というように、時間帯や曜日を変えて複数回訪れると周辺の様子がつかめます。

リフォーム前提で購入する場合はさらに注意が必要

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中古住宅を購入し、リフォームして住むことが決まっている場合は、上記の内容に加えて「リフォームできるか(もしくはリフォームしやすいか)」という点も考えなくてはなりません。

購入後に思うようなリフォームができず後悔するということがないよう、物件選定時点でしっかり確認しておきましょう。特に注意すべきポイントを3つ紹介します。

再建築不可物件ではないか

中古住宅の中には、リフォームの内容が制限されているものもあります。このような物件を「再建築不可物件」といいます。

敷地の接道義務※を満たしていない物件が相当し、建築確認要請が必要な増改築や建替え、規模の大きなリフォームはできません。ただし、10㎡以下の小規模な増改築、柱、梁、壁、階段、屋根といった主要構造部の1/2を超えない修繕や模様替えは建築確認申請が不要であるため、再建築不可物件においても施工が可能です。

再建築不可物件の購入を検討する際には、自身が望むリフォームが実現可能であるかどうかを慎重に確認しましょう。

※接道義務:原則として幅員4m以上の道路に、2m以上敷地が接している(接道している)ことを義務付けるもの。

リフォームができる構造になっているか

間取り自体を大きく変えるリフォームを考えている場合は、住宅の構造をしっかり確認しましょう。

とくに重要なのが「壁」の役割です。壁が家を支えている構造の住宅は、壁を取り払うことができないため、希望通りのリフォームができない場合があります。一戸建て住宅であれば最近増加しつつある「2×4工法」のものは、耐力壁と床で作られた「箱」で家全体を支えています。そのため、壁の撤去は困難です。

また、マンションでいうと、「壁式構造」のものは大がかりなリフォームに向いていません。自分好みに大きく部屋を変えたいのであれば、柱と梁で家を支える「ラーメン構造」のマンションを選ぶとよいでしょう。

マンションの場合は管理規約も確認

リフォーム前提で中古マンションを買う場合は、構造とあわせて管理規約も確認しましょう。

たとえ構造上リフォームが可能でも、規約で禁止されていることがあります。たとえば、以下のような規約が設けられている場合があります。

  • 一定の遮音性能がある床材しか使用できない
  • 配管工事はできない
  • 浴室のドア枠は交換できない

また、工事業者や工事時間、搬入経路など施工に関する規約が定められていることもあります。規約に違反すると、賠償請求や部屋の利用差し止めといったペナルティを負うこともあるため、規約をしっかり確認し、遵守に努めましょう。

なお、区分所有者が手を加えられる箇所は専有部分のみです。共用部分となる玄関のドア(内側の塗装は可能)や窓、バルコニーなどはリフォームができません。

中古住宅購入の失敗事例

リフォーム前提で中古住宅を買う場合、新築以上に入念なリサーチが必要になります。それを怠ると多額の費用がかかる、せっかく購入した家で快適な暮らしができないといった問題が生じます。中古住宅購入の失敗事例を紹介するので、参考にしてください。

リフォーム費用がかさんでしまった

中古住宅には見えない瑕疵が多くあります。一見きれいに見えても、雨漏りする、シロアリ被害がある、壁の裏側にカビが生えているといった問題が見られる場合があります。

また、水回りなどの設備も劣化が進んでおり、住み始めてすぐに故障して交換費用が必要になることもあります。

結果として、新築を買うよりも多額の費用がかさんでしまったというケースも少なくありません。

実際に住んでみると使いづらかった

内覧のときは問題がなくても、実際に住んでみると意外と使いづらかったという場合もあります。

実際に家具を置いてみると導線が悪く生活しづらい、庭付きの一戸建てを買ったが忙しくて庭の手入れができないといった悩みを持つ人もいるようです。

購入を決断する際は舞い上がってしまい、細部を見落としてしまうことが多々あります。そのような場合にストップをかけてくれる仲介会社が必要です。注意点やデメリットも惜しみなく教えてくれる仲介会社を選びましょう。

防音性・断熱性に難があった

中古住宅は新しい住宅と比較すると、防音性や断熱性が低い傾向にあります。住んでみると意外と寒く光熱費がかさむ、周囲の音が大きく不快といった問題が生じることもあります。

とくに断熱性に関しては、冬にならないと分からない部分もあるため、内覧だけで判断するのは困難です。このような失敗を防ぐためには、入念な事前調査が必要です。これまでの修繕記録や物件の構造、使用している壁紙や床材の材質・性能などを徹底的に調べるとともに、住み始めてからのシミュレーションを行って理想の生活ができるかどうかを見極めなくてはなりません。

しかし、そのためには住宅に関する専門的な知識が必要になることから、自分だけで調査を行い、判断することは困難です。

そこで重要なのが、住宅のプロフェッショナルである不動産会社に家探しを依頼することです。

実績と経験豊富な小田急不動産であれば、住宅の瑕疵や構造、設備の状態、法律や規約上の規制を深く理解したうえで、購入希望者一人ひとりのライフスタイルや理想に合った住宅をご紹介することが可能です。中古住宅購入を検討している方は、まず当社にお問い合わせください。

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