不動産購入のノウハウ
中古住宅の購入費用とリフォーム費用を一括で借りられるのが「リフォーム一体型住宅ローン」です。ローンを一本化できて金利も住宅ローンと同程度となるため、ぜひ活用したいローンです。
しかし、一般的な住宅ローンを借り入れるときに比べると手続きは煩雑になります。リフォーム一体型住宅ローンを利用する流れと注意点を解説します。
住宅ローン リフォーム・リノベーション2023年9月22日
中古住宅を購入する際に、注意したい5つのポイントを解説します。
リフォームローンは名前のとおり、改修や修繕、設備交換といったリフォームを行うことを目的に借り入れるローンです。リフォーム一体型住宅ローンとは、用途や借入限度額、利率などが異なります。その違いを表にまとめると以下のようになります。
用途 | 利率(相場) | 借入限度額 | 返済期間 | 融資審査の難易度 | |
---|---|---|---|---|---|
リフォームローン | 住宅のリフォーム | 2~3% | 数百万円~1,000万円程度 | 10~15年程度 | 相対的に低い |
リフォーム一体型住宅ローン | 住宅購入+住宅のリフォーム | 0.5~1% | 数千万円~1億円程度 | 30~35年程度 | 相対的に高い |
それでは、上記の表を参考にしながらリフォーム一体型ローンのメリット・デメリットを見ていきましょう。
リフォーム一体型住宅ローンの主なメリットを3つ紹介します。
リフォーム一体型住宅ローンは住宅ローンと同程度の金利が適用されます。そのためリフォームローンを別で組むよりも安い金利でリフォームに必要な資金を借り入れることができます。
ローンを組む際には金融機関に支払う手数料を始め、保証料や司法書士に支払う報酬など、さまざまな諸費用がかかります。リフォーム一体型住宅ローンを利用してローンを一本化することで諸費用を安く抑えられます。
また、借入に必要な事務手続きを1回で済ませられるため、時間や労力の節約にもなります。
住宅ローンとリフォームローンは利率や返済期間が異なります。そのため2種類のローンを利用すると、毎月の返済額や残債の把握が難しくなってしまうことがあります。
リフォーム一体型住宅ローンであれば、返済は毎月1回で済みます。大きな金利変動がない限り期間中ほぼ返済額は一定になるため、返済計画が立てやすいメリットがあります。
リフォーム一体型住宅ローンのデメリットについても紹介します。
リフォーム一体型住宅ローンは金利、返済期間、貸付額の面で優遇されていることもあり、融資審査が厳しい傾向にあります。
住宅ローンは返済が滞ったときのために土地や建物を担保にする必要があります。リフォーム一体型住宅ローンも例外ではありません。もし返済ができなくなると、自宅を差し押さえられるリスクがある点は押さえておきましょう。
住宅ローンやリフォームローンと比較すると、リフォーム一体型住宅ローンは取り扱っている金融機関は少ないです。
とはいえ、既存住宅の有効活用を国が推進している現在、新たにリフォーム一体型住宅ローンを導入する金融機関は増加傾向にあります。不動産会社に相談したり、しっかり下調べをしたりしておけば、リフォーム一体型住宅ローンを提供している金融機関が見つからずに困るというまでには至らないでしょう。
リフォーム一体型住宅ローンを利用して中古物件購入およびリフォームを行う際の流れは以下のとおりです。
まずは購入する住宅とリフォームの内容を決めます。ここで重要なのが、希望項目の洗い出しと予算計画、いうなれば「理想」と「現実」のすりあわせです。
「自分がどのような家に住みたいか」というイメージ像を明確にし、そのために必要な間取りや設備をまとめます。家族がいる場合は、家族全員で話し合い、意識を統一させましょう。また、予算計画を立てる際は、全体的な予算だけではなく、物件購入とリフォームそれぞれにどれだけ費用を割くかという点も考える必要があります。
自分で考えるのが難しい場合は、物件購入からリフォームまでを一括で請け負うワンストップ事業者に依頼しましょう。希望を叶えられる物件やリフォームの提案、適切な予算計画を立てるサポートをしてもらえます。
ある程度の計画が立てられたら、希望にあったエリア、間取りの物件を探します。不動産会社に依頼して、適切な物件を紹介してもらうのがスムーズです。
物件によってはリフォームができないものもあるため、物件の見学の際には必ずリフォーム会社に同行してもらい、希望するリフォームができるかどうかを判断してもらいましょう。
物件が決まったら、リフォーム会社にリフォームプランの立案と見積書作成を依頼します。希望するリフォームの内容や優先順位、予算を伝えておきましょう。
また、この時点で必ず金融機関の事前審査を受け、どの程度借入ができるかを調べておきましょう。返済計画を立て、無理なく返済できるかどうかシミュレーションを行うことも重要です。
不動産会社と契約を結び物件購入の段階に移ります。また、あわせてリフォーム会社とも契約します。
一度契約を行うと解除は難しくなるため、契約書を確認しながら慎重に契約を進めなくてはなりません。不安点、疑問点がある場合は納得がいくまで質問しましょう。
物件購入およびリフォームの契約が締結したら、最終的な融資を決定するため、本審査を受けます。
本審査に通ると融資を受けられるため、それを資金として物件の決済を行います。決済後、引渡しが完了すれば晴れて物件の所有者となります。
リフォーム工事は物件の引渡し後に可能になります。
工事期間はリフォームの程度によりさまざまですが、2カ月〜半年程度かかることもあります。その間は旧宅に住み続ける、もしくは仮住まいの住居に移ることになるため、引越し費用や家賃の予算を確保しておきましょう。
リフォーム工事が完了したら引越しをして、いよいよ新生活の始まりです。
リフォーム一体型ローンを利用する際の注意点と解決法を紹介します。事前に確認しておき、後悔することのないように注意してください。
リフォーム一体型住宅ローンを利用する際には、ローンの審査時に購入する物件価格にあわせて、リフォームの見積もりや図面を提示しなくてはなりません。
つまり、購入時点でリフォームの計画をしっかり立てておく必要があるということです。見積もり作成が遅れるとローンを借りることができず、人気の物件は他の人に購入されてしまうこともあるため注意が必要です。
一般的な不動産仲介会社はリフォームに詳しくなく、リフォーム一体型住宅ローンの扱いにも慣れていません。
リフォーム会社を別に立てて、不動産仲介会社とリフォーム会社双方とやり取りをしながら融資審査の準備をすることになるため、手続きに時間がかかったり、齟齬が生じてトラブルに発展してしまったりするおそれがあります。
リフォーム一体型住宅ローンは、一般的なリフォームローンより金利や返済期間の面で有利です。リフォーム前提で中古住宅を購入する際に利用するとコスト削減や家計改善につながります。
しかし、リフォーム一体型住宅ローンを利用するためには、住宅購入とリフォームを同時進行させる必要があります。一般的な不動産仲介会社はリフォームに関する知識や経験がないため、融資審査に必要なリフォームの見積もりや図面を準備することは困難です。
そこでおすすめなのが、ワンストップ事業者に依頼することです。ワンストップ事業者であれば、物件選定からリフォーム内容の決定、両契約の締結、リフォーム工事までを一貫して請け負ってくれます。
リフォームを前提とした中古物件購入を考えている方は、まずは信頼できるワンストップ事業者に相談してみましょう。
不動産売却に必要な基礎的な知識をご紹介します。