不動産購入のノウハウ

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最低限やっておきたい!
中古マンションのリフォーム6選と知っておきたい失敗事例

中古マンションをリフォームするとき、可能であればフルリフォームが理想ですが、予算オーバーになってしまうと後々の生活に悪影響が出てしまいます。限られた予算内で効果的なリフォームを行うためには、優先順位をしっかりたてる必要があります。

中古マンションのリフォームについて、最低限やっておきたいリフォーム3選と余裕があれば検討したいリフォーム3選を解説します。

不動産購入 リフォーム・リノベーション

2023年8月25日

目次

最低限やっておきたい!中古マンションのリフォーム3選

中古マンションのリフォームをするときに、最低限やっておきたい3つを紹介します。リフォームを検討したときは以下で紹介する内容を優先的に検討しましょう。

破損・故障箇所

最も優先すべきなのは、破損・故障している箇所です。せっかく新居に引っ越ししたのに、使えない設備がある、引っ越してすぐに壊れてしまったとなると、気持ちよく過ごすことはできません。

また、室内ドアや備え付けの引き出しなどの立て付けが悪く使いにくいという場合も、優先して直しましょう。これらは毎日使うもので、それが使いにくいとストレスが溜まってしまいます。

破損・故障箇所、使いづらい場所をチェックして、優先的にリフォームを行っていきましょう。ただし、玄関扉や窓など共用部分に属している設備は勝手に修理・交換ができない場合があります。いずれの設備に関しても、リフォーム前に必ず管理組合に相談しましょう。

専有部分で汚損・故障しやすい箇所とリフォームの費用相場は以下のとおりです。

施工内容 費用相場
給湯器の交換 25~35万円
キッチンや洗面の水栓の交換 5~10万円
内ドアの交換 3~10万円

断熱性の向上

近年、住宅において重要視されている要素に、断熱性があります。断熱性の高いマンションには、以下のようなメリットがあります。

  • 光熱費が抑えられる
  • 結露が起こりにくく、カビの発生を軽減できる
  • 室内の寒暖差が小さくなり、ヒートショックが起こりにくい

このように、住宅の断熱性向上は、健康面、費用面で大きなメリットがあるため、できるだけ優先したいところです。

断熱性向上の施工は内装下地の石膏ボードを取り外し、断熱材を入れる必要があります。そのためいったん居住してからの施工は困難です。入居前のリフォームで、断熱性向上の工事を済ませておきましょう。

窓の断熱性向上策としてはガラスの交換が基本ですが、多くのマンションでは窓は共用部分に当たるため、交換はできません。ただし、部屋の中にもうひとつ窓サッシを取り付けることが可能です。このような断熱リフォームは、減税や補助金などの優遇措置を受けられる場合もありますので、あわせて確認しておきましょう。

断熱リフォームの費用相場は以下のとおりです。

施工内容 費用相場
壁の断熱リフォーム 3,000~3万円/㎡
天井の断熱リフォーム 2,000~8,000円/㎡
窓の断熱リフォーム(内窓の設置) 7~20万円/箇所

配管

マンションの屋外に通っている配管(給水管・排水管)は共用部分に当たり、管理組合が管理しますが、部屋内の排水管は専有部分となり、部屋の所有者が管理しなくてはなりません。

築古のマンションは配管が傷んでいることもあるため、リフォームとあわせて交換を検討しましょう。もし居住したあとに配管工事を行うとなると、床や壁の解体、内装工事など大がかりな工事が発生する場合があります。

リフォームというと目に付くところに注意がいきがちですが、普段目にしないような部分の劣化・故障が進んでいないかをしっかり見ておく必要があります。

配管リフォームの費用相場は以下のとおりです

設備 費用相場
一部のみ交換 全体を交換
給水管の交換 約1万円 10~20万円
排水管の交換 約1万5,000円 30~50万円

余裕があれば検討したいリフォーム3選

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リフォームはまず汚損や故障の激しいところを優先しなければなりません。しかし、予算が許すならば快適性、機能性をアップできる施工もしたいところです。余裕があれば検討したいリフォーム例を3つ紹介します。

水回り

水回りは汚れやすく、特に劣化が目立ちやすい場所です。破損・故障箇所がなくそのまま使えるという場合でも、思い切ってリフォームすることで生活の質が向上します。

また、専有部分の該当箇所は玄関ドアの内側から窓サッシの内側までです。玄関ドアやバルコニーは専有部分に含まれないため、玄関ドアを交換したり、バルコニーを塗り替えたりといった工事は勝手にできません。

トイレ

和式を洋式に変更する、タンク付きトイレをタンクレスに変更するといったリフォームが考えられます。タンクレストイレはタンク付きトイレより使用する水が少なく、節水につながります。

資金が足りない場合は便座を取り替えるだけでも気分が一新され、気持ちよくトイレを使うことができるでしょう。

トイレのリフォーム内容と費用相場は以下のとおりです。

施工内容 費用相場
トイレ本体の交換
(タンク付きトイレ)
4~18万円
トイレ本体の便器交換
(タンクレストイレ)
12~35万円
和式から洋式トイレへの変更 15~70万円
内装のリフォーム(壁・床) 4~11万円
手洗い器の設置 10~20万円

バスルーム

広々とした清潔なバスルームは、一日の疲れを癒してくれます。また、転倒やヒートショックのような事故が起こりやすい場所であるため、バリアフリー化や暖房設備の設置を行うと安心です。

バスルームのリフォーム内容と費用相場は以下のとおりです。

施工内容 費用相場
ユニットバスの交換 50~150万円
浴槽の交換 10~55万円
天井・壁・床の修繕 5~50万円
追い炊き機能の追加 20~85万円
浴室乾燥機の設置 10~25万円
バリアフリー化
(手すり設置・段差解消など)
10~15万円
床暖房設置 10~25万円

キッチン

料理をする場所であるキッチンも汚れやすい場所です。キッチンを入れ替えるとともに、食器洗い乾燥機やIHヒーターを備えつけるとより便利になります。

予算と相談しながら好みのデザイン・素材を選びましょう。予算に余裕がない場合は、部分的なリフォームを行うのもひとつの選択肢です。

キッチンのリフォーム内容と費用相場は以下のとおりです。

施工内容 費用相場
キッチンの交換 50~200万円
食器洗い乾燥機の設置 10~25万円
システムキッチンのコンロ交換 5~12万円
レンジフードの交換 10万円

壁や床の張替え

壁や床は部屋の大部分を占めるところであり、張替えをすることで部屋のイメージがガラッと変わります。「自分の家」である感覚が持てるので、余裕があればぜひ行いたいところです。

壁は特に視界に入りやすい所なので、優先してリフォームを行いたい箇所です。クロスの張替えが安価で手軽ですが、塗り壁やタイル、石材など壁材を変更するのも気分が一新されます。

また、壁のリフォームには機能性向上の面もあります。たとえば、防臭性能や抗ウイルスといった機能を備えた壁紙に変更することで、より快適に過ごすことができるでしょう。

壁のリフォーム内容と費用相場は以下のとおりです。

施工内容 費用相場(※6畳間の場合)
壁紙の張替え 5~10万円
壁の塗装 5~10万円
塗り壁 10~15万円

壁と並び部屋の大部分を占める床も、リフォームの効果が高い箇所です。定番はフローリングですが、安価で遮音性の高いクッションフロアや、高級感のあるタイル床など、部屋の雰囲気や用途によって材質を変えるのもよいでしょう。

床のリフォーム内容と費用相場は以下のとおりです。

施工内容 費用相場(※6畳間の場合)
フローリング 6~18万円
クッションフロア 4~10万円
フロアタイル 5~10万円
カーペット 5~12万円
7~20万円

間取りの変更

1部屋を2部屋に分ける、逆に部屋の壁を取り払い複数の部屋をひとつにするといった間取りの変更も優先すべき事項です。

間取りの変更は単に壁を壊したり設置したりするだけではなく、スイッチやコンセント、照明の増設や床下地の補強など、大がかりな工事が必要になります。在宅でそのような工事をするのは困難であるため、希望する間取りがあるのなら入居前にリフォームを行っておきましょう。

間取り変更のリフォーム内容と費用相場は以下のとおりです。

施工内容 費用相場
1部屋を2部屋に分ける 25~70万円
2部屋を1部屋にする 10~30万円
間仕切りを撤去してLDKにする 100~300万円

検討前に知っておきたい失敗事例

リフォームとなると夢が膨らみ、あれもこれもと手を加えたくなりますが、知識のないまま場当たり的に進めていくと、思わぬ失敗をしてしまうこともあります。

リフォームをする前に、起こりがちな失敗についても把握しておきましょう。リフォームの具体的な失敗例と、回避するための方法について解説します。

予算オーバーしてしまった

最終的な費用が当初見込んでいた金額を大幅にこえてしまったというケースがよく見られます。

最初の見積もりはあくまで概算であり、そこから細かいリフォーム内容を詰めていくと、金額が上がってしまうケースは多くあります。また、いざ施工を始めたら、雨漏りやシロアリ被害が見つかった、もっとグレードの高い設備を入れたくなったなど、状況の変化によりリフォーム費用は大きく変動します。

そうした要素をすべて最初の見積もりに盛り込むのは難しいですが、事前に以下のような準備をしておくことで、予算オーバーを回避できます。

  • 余裕を持って予算を準備しておく
  • リフォームの希望を整理して優先順位をつける
  • ホームインスペクションを行い、修理箇所を事前に把握する

予算を削り過ぎてしまった

リフォームをするに当たり予算オーバーは避けたいところですが、削り過ぎると以下のような問題が生じることがあります。

  • 壁紙や床のグレードを下げてしまい、部屋全体が安っぽい雰囲気になった
  • 断熱材を入れるのを諦めた結果、結露ができてカビが発生してしまった
  • 間取り変更をやめたが、あとから必要になり余計に工事費がかかった

リフォームはゴールではなくスタートです。リフォーム後の生活やランニングコストも考慮して、妥協できるポイントと必ず行いたいポイントを切り分けることが重要です。

いざ住んでみると使いづらい

雰囲気重視のリフォームを行った際に陥りやすい失敗です。見た目はおしゃれでも、住んでみると意外と使いづらく、ストレスになってしまうというパターンです。具体例としては、以下のようなものがあります。

  • リビングのフローリング材を見た目で選んだら、汚れや黒ずみが目立った
  • リビングに階段をつけたら、リビングが狭くなり圧迫感がある
  • トイレをおしゃれな間接照明にしたが、暗くて掃除がしづらい
  • 対面キッチンにしたら調理スペースが狭くなった
  • スイッチやコンセントが不足しており不便

家は見た目や雰囲気ではなく、住み始めてからの生活が一番大切です。実際の生活を具体的にイメージしながら、住みやすくメンテナンスしやすい家づくりを進めていきましょう。

リフォーム対応のできる事業者に相談しよう

限られた予算内で理想のリフォームを実現するためには、優先順位を明確にすることが重要です。しかし、リフォームに関する知識がない状態で優先順位をつけていくと、理想やイメージに引きずられたり、費用感がつかめず思ったより出費がかさんでしまったりということにもなりかねません。

そこで重要なのが、信頼できる事業者に相談することです。知識と経験が豊富な事業者であれば、しっかりヒアリングをして理想のリフォームを実現するサポートをしてくれます。生活導線を意識した部屋作りや、設備・素材の選び方なども的確にアドバイスをくれるので、単に見た目をきれいにするだけではなく、住みやすく使いやすい家にリフォームすることができるでしょう。

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