不動産売却のノウハウ

マンションの査定額を上げることに、それほど大きな意味はありません。大事なのは不動産会社選びです。
マンションの査定額を上げても意味がない理由や、査定における注意点などを解説します。
不動産お役立ちコラム 不動産売却2026年3月23日
マンションの査定額を上げても、それほど意味がありません。査定額と実際の売却価格が異なるためです。
ここでは、マンションの査定の種類や方法、査定額が高くても意味がないといわれる理由などについて詳しくみていきましょう。
マンションの査定額は、売却を検討しているマンションの立地や築年数、管理状況、市場動向などを踏まえ、不動産会社が成約できると想定して算出した価格のことです。
あくまで、売り出すときの目安となる価格であり、必ずしも査定額が売却価格になるわけではありません。
マンションの査定を行うにあたって、価格を算出する計算には主に3つの種類があります。また、査定方法も机上査定・訪問査定・AI査定の3つが主に用いられます。ここでは、各査定の種類とそれぞれの査定方法について詳しくみていきましょう。
マンションの査定では、査定額を算出する際にさまざまな方法を用います。具体的には取引事例比較法・原価法・収益還元法が挙げられます。取引事例比較法とは、対象不動産と条件が類似する過去の成約事例を収集・比較したうえで、地域的な要因や個別の要因を補正して適正な比準価格を求める方法です。
実際の成約価格をもとに算出するため、客観的な価格が出やすいでしょう。ただし、成約事例が少ない場合、査定者である不動産会社の主観が大きく介入する点に注意が必要です。
原価法とは、対象の不動産を新たに建築した場合にかかる費用(再調達原価)を算出したものに、新築の状態から価値が低下した分(減価)を修正した評価方法です。マンションの場合は取引事例比較法の補助的な役割で使用されることが多く、原価法のみで算出されることはほぼありません。
最後に収益還元法は、対象不動産が将来生み出すであろうと期待される純収益の総和によって算出される評価方法です。算出方法として、年間純収益に還元利回りを割ることで算出する直接還元法と、将来得られるであろう収益を現在の価値に換算して計算するDCF法があります。
収益還元法は将来いくらの価値を生み出せるかを知れるので、投資用マンションや賃貸物件、商業施設などでも多く用いられます。
マンションの査定方法には、机上査定・訪問査定・AI査定の3つが主にあります。
机上査定とは、不動産会社にマンションの所在地・築年数・面積などを伝え、その情報をもとに簡易的に査定を行う方法です。査定額が即日または数日以内に分かるため、売却を検討し始めている人にも向いている査定方法といえるでしょう。
ただし、実際の物件状況をみていないため、査定の精度が低いのがデメリットです。
訪問査定とは、不動産会社の担当者が実際に訪問し、室内や共用部分などをみて査定を行う方法です。実際に物件をみて査定するため、景観や日当たり、リフォーム履歴なども反映されるためより精度の高い査定額を知ることができます。
売却を具体的に決めていて、できるだけ高く売却したい人にはおすすめです。
AI査定とは、不動産会社等のWebサイトから物件情報を入力することで、AIが自動的に査定額を算出する方法です。24時間いつでも査定が可能であり、匿名で査定ができるので概算で査定額を知りたい人には良いでしょう。
査定額が高くても意味がないという声もあります。相場価格を知るには売り出し価格よりも成約価格(実際に売れた金額)のほうが重要になるためです。値引き交渉をされるなどして、売却を開始する際の売り出し価格(査定額)より成約価格のほうが安くなることは多いです。
また不動産会社が売却の依頼を受けるために、査定額を高く提示してくるケースがあります。高すぎる査定額をそのまま販売価格に反映させると買い手がつきにくく、売却まで時間がかかる可能性があります。結果的に値下げせざるおえなくなり、安価で売却することになりかねません。
査定額が妥当であれば、不動産会社間での価格差は大きく違ってくることはないでしょう。よって、査定を行ってもらう際にはどのような根拠で査定額が算出されたのかを説明してもらいましょう。
前述の通り、マンションの査定において不動産会社ごとの査定額はそれほど大きく変わりません。
そのため、不動産会社を選ぶ際にはマンションの売却実績が豊富かどうか、マンションが立地している地域に根ざしているかなどに焦点をあてると良いでしょう。

マンション査定における注意点としては、下記の3つが挙げられます。これらの注意点をあらかじめおさえておくと、マンションを売却する際にも納得感のある内容で進められるでしょう。それぞれの注意点について詳しくみていきましょう。
マンション査定では、オーバーローンにならないか確認しましょう。オーバーローンとは、不動産を売却したときに住宅ローンの残債が売却で得た金額よりも多いケースをさします。
オーバーローンになると、原則としてマンションを売却できません。足りない分を補填するために、売却額に加え自己資金も必要になります。住宅ローンがある場合は査定を受ける前に返済予定表などから現在の残債をあらかじめ把握し、査定額からオーバーローンにならないかを確認しましょう。
マンションの査定について根拠のある査定額であれば、不動産会社間で大きな価格差はありません。しかし、複数の不動産会社から査定を受けることにより、ある程度相場が把握できます。
また、担当者と直にコミュニケーションをとることで、実際に売却を依頼する不動産会社を見極めることができるでしょう。査定においては自分でも相場を把握しておいたり、最低の根拠を聞いたりすることも重要です。
マンションの査定を依頼する不動産会社の選び方を知っておくと、スムーズに進められて納得感のある査定額が得られます。
不動産会社は売却希望のマンションが立地するエリアに詳しいところを選びましょう。マンションの売却は「このエリアでは、どんなマンションが売りやすいのか」といった地域のニーズに影響されます。ニーズを把握している不動産会社を選ぶとよいでしょう。
買取や買取保証を依頼できる不動産会社を選ぶのもポイントです。不動産売却は通常、不動産会社を通じて買主を探しますが、必ず売却できるとは限りません。
買取では、不動産会社がマンションを買い取ってくれます。買取保証は仲介で一定期間売れなかった際に、不動産会社がマンションを買い取ります。買取保証を選択すれば。売却できないリスクを回避できるのです。
ただし、買取の売却価格は仲介の6~8割に押さえられてしまうデメリットがあります。
マンションの査定前に、室内の掃除や片付けは必要なのでしょうか。少しでもきれいな状態で査定してもらうことで査定額に影響するのであれば、あらかじめきれいにしておこうと考える人が多いでしょう。
ここでは、査定前の掃除や片付けの必要性、査定後の掃除のタイミングなどについて詳しくみていきましょう。
マンションの査定では間取りや築年数、立地などをみて行うため、掃除による査定額の影響はほとんどありません。ただし、極端に汚かったり、物が多かったりすると適正に査定できない可能性もあるため、日常行っている程度の掃除や片付けは必要でしょう。
マンションの査定が終わり、売却活動を行っていく中で、室内の掃除や片付けは内覧前に済ませましょう。購入意思のある人が物件を見に来るので、室内が汚れているとマイナスイメージを与えかねません。
掃除や片付けのポイントは、全室を見てもらうことを前提に行うことです。普段使用しない部屋や掃除しにくい場所も、内覧では見られる可能性があることに留意しましょう。
内覧前の掃除は室内全体を行いますが、特に丁寧に掃除しておいたほうが良い箇所は、玄関と水回りです。玄関は内覧者を迎える場所であり、始めに物件を目にする場所でもあります。第一印象で良いイメージをもってもらうためには、掃き掃除を行い、靴棚の中にある靴の臭い対策も行いましょう。
また、水回りは部屋の中でも汚れやすい箇所で、水垢やカビなどがある状態だと不衛生に捉えられてしまいます。洗剤や漂白剤などを活用して丁寧に掃除しておきましょう。
マンションの内覧前にはさまざまな箇所の掃除が必要ですが、自分で掃除するのが難しい部分はプロに依頼するのもおすすめです。プロに依頼することで、新品に近い状態まできれいにしてもらえます。
プロに依頼すると掃除費用がかかりますが、不動産会社によっては専任・専属専任媒介契約を条件に無料で受けられるケースがあるので、あらかじめ確認しておくと良いでしょう。