不動産売却のノウハウ
マンションや一戸建てなどの不動産の売却を開始したものの、売却中の物件に購入検討者があらわれないとなると計画が予定どおり進まず困りますよね。
不動産がなかなか売れない理由には、さまざまな要因が考えられます。しかし、適切な対処をおこなうことで成約に至ったという事例もあります。
今回は、売却中のマンションや一戸建てがなかなか売却できないときに考えられる要因と、見直すポイントをご紹介いたします。
2019年1月8日
2022年4月14日
売却中のマンションや一戸建てがなかなか成約に結びつかない場合には、なぜ購入検討者があらわれないのかを客観的に考察してみましょう。
物件自体に問題がある場合、なかなか売却できません。
築年数が古く、老朽化している物件をわざわざ高いお金を払ってまで購入しようとする人は少ないでしょう。老朽化していても、設備を最新のものにするといった対応をしておきましょう。
立地の問題で売却できないケースもあります。
上記のような立地の場合、住みにくさを考えて購入する人が少なくなります。
また、日当たりや風通し、騒音といった問題も売却に影響する条件です。隣に高層マンションがあれば、日当たりが悪くなり、洗濯物も乾きにくくなります。線路が近ければ電車の音が気になり、落ち着いて生活できないでしょう。
このような条件を変えることは難しいため、価格や設備で買主にメリットを提示する必要があります。
物件自体に大きな問題がなくても、売出し方が悪い場合があ
基本的に、マンションや家は価格が高ければ売れにくくなります。買主が納得できるだけの価値がなければ、わざわざ高い物件を購入する人はいません。
さらに、買主が物件を選ぶ場合、予算内の金額の中から物件を探します。予算を超える価格であれば、その時点で選択肢から外れます。周辺相場を調査し、相場に見合った価格を設定しましょう。
また、マンションであれば、同じ建物の別の部屋が売り出されている場合があります。その場合、間取りや立地には差がないため、低価格や角部屋といった条件がよいほうに人気が集中します。
ライバルを調査し、条件によっては売出し時期を変更することも検討しましょう。
不動産会社が売却活動を怠っている場合もあります。
不動産会社は自社の利益を上げることも必要です。そのため、高くて条件のよい物件を優先的に対応します。自身の物件が不動産会社にとってよい条件ではないと判断された場合、積極的に対応していないケースがあります。
なかなか売却できない期間が続いた場合は、不動産会社を変更するのもひとつの方法です。
価格や立地などの物件の条件が悪くないのに売却できない場合、内覧時の対応に問題があるかもしれません。
不動産の売却時、買主は売主の対応をみています。迎え入れるときに「愛想がない」「質問にはっきり答えない」といった態度であれば、不信感を持たれるかもしれません。自身の物件を購入してくれるお客様であることを理解し、真摯に対応することが大切です。
内覧時に部屋が汚れていることが理由で売却をためらうケースもあります。売主にとっては少し掃除を怠っただけかもしれませんが、買主にとっては少しの汚れでも気になるものです。
見えないところに劣化や破損があるかもしれないと想像してしまうこともあります。少しの汚れが物件全体の印象を決めるといっても過言ではありません。
内覧(物件の見学)はあるものの成約に至らないのかで対策が変わってきます。それぞれのケース別に考えてみましょう。
内覧希望者がなかなかあらわれない場合は、売出し価格を市場相場より高く設定している可能性が考えられます。
設定した売出し価格が市場相場からかけ離れていると、そもそも購入検討の対象から外れてしまうため内覧希望者があらわれなくなってしまいます。
次に考えられることは、不動産の売却活動を依頼した不動産仲介会社の販売活動が効果的ではなく、物件情報が広く購入検討者へ届いていない可能性が考えられます。
不動産を購入したいと思って探している方がいたとしても、対象不動産の物件情報を知る機会がなければ、当然に購入検討の対象にはなりません。
一方で、内覧はあるものの成約に結びつかないという場合には、物件の魅力が購入検討者に対し、十分に伝わっていない可能性が考えられます。
購入検討者は、さまざまな物件情報の中からご自身の希望条件の範囲内にある物件を厳選の上、内覧することとなります。
そこから、事細やかに物件を内覧し、他の物件と慎重に比較検討します。その結果、物件が期待どおりであった、もしくは、期待以上である場合に購入に踏み切れるものです。
そのため、内覧の結果、物件の魅力が十分に伝わらなければ、売出し価格に割高感を感じてしまい、他の検討中物件へと関心が移ってしまいます。
さらに、不動産の購入は、人生で一度や二度あるかどうかの大変な決断を要する高額な買い物です。、 当然、安全かつ安心に取引したいものです。
内覧時の応対がよくなかったと受け取られると、不安を感じ、成約に至る可能性が狭まりますので注意が必要です。
内覧希望の打診を受けたら、可能な限り優先して対応することで機会を逃さないようにしましょう。内覧希望者への印象アップにもつながります。
不動産が売れない場合には、次のような観点から売却活動の見直しを検討してみましょう。
もしも当てはまる内容があれば、不動産仲介会社の担当者とよく相談しながら対策を講じていくことが必要です。
不動産仲介会社は、以前より購入希望を登録されているお客様や来店のお客様などへ物件のご紹介をおこないます。
さらに、不動産ポータルサイトや不動産流通機構(レインズ)などのインターネット媒体への広告掲載や新聞折込みチラシなどの各種広告媒体を通じて、幅広く販売活動をおこない購入希望者を募ることで、最終的に成約へと結びつくよう取り組みます。
不動産仲介会社は、その販売活動の結果について、売主へ定期報告をおこないます。ただ報告書類を受け取るだけでなく、各広告媒体の問合せ数やインターネットに物件掲載した際の物件広告の閲覧数など、現在の販売状況を詳細に把握しましょう。それにより、適切に販売活動がおこなわれているかを確認できます。
もしも不動産仲介会社が広く物件情報を広告、周知しているにも関わらず、各種広告媒体から問合せなどの購入検討者の反応が鈍い場合には対策が必要です。今後の販売活動の展開について、不動産仲介会社の担当者と打合せの上、修正をおこないましょう。
次に、売出し価格の設定が適切であるかどうかも確認してみましょう。
市場相場から乖離した価格設定となっていると、先述のとおり内覧希望者がなかなかあらわれません。
そもそも不動産の売出し価格の設定は、売主の売却ご事情や需給関係によっても大きく左右されます。
例えば、とあるマンションで、売却中の物件が一室のみである場合には、他の近隣マンションの売却中物件が競合物件です。しかし、そのマンション内に複数の売却中物件がある場合には、同一マンション内の他の売却中住戸も競合物件となり、ご自身の物件を選択される可能性は狭まります。
さらに、売却ご事情によっても、売出し価格の設定はそれぞれに異なります。そのため、早く売却しなければならないご事情がある場合には、売出し価格を市場相場どおり、または、やや低めに設定します。さらに、売却スケジュールに余裕がある売却ご事情の場合には、市場相場よりやや高めに売出し価格を設定し、できるだけ高値での売却を目指すということもあります。
また、先述の例示のように、同一マンション内でご自身の売出し中物件と条件が近しい売却中物件が複数存在する場合があります。面積や間取りなどの物件の条件は近しいにも関わらず、売却ご事情を反映したそれぞれ異なった売出し価格で競合することとなります。
早く売却しなければならないご事情がある物件は、他の競合物件に競り勝つ必要性があります。
当然に売出し価格を低めに設定しますので、その物件への問合せが集中するといった影響も考慮することが必要です。
そのため、競合となり得る物件の販売状況や価格設定の変化など、ご自身の売却中物件が相対的に割高になってしまっていないかを継続して確認しましょう。
ご自身の売出し中物件のおかれている市場の状況によっては、売出し価格の設定を見直すことも必要です。
ただし、一旦売出し価格を下げ、後に売出し価格を上げることは困難です。どのようなスケジュールで価格変更をしていくことがよいかについては、市場動向を踏まえ不動産仲介会社とよく相談の上、販売戦略を修正しましょう。
内覧があるものの成約につながらない場合には、内覧時に物件の魅力を最大限アピールできているかについて確認してみましょう。
まずは、物件そのものの魅力についてです。
購入希望者に清潔感のあるよい印象を感じてもらうためにも、日頃から整理整頓を心掛け、物件を徹底的にキレイにしましょう。
特に水回りは多くの方が気にする箇所なので、念入りに清掃をおこなうことが必要です。
また、内覧時には、室内が明るく広く見えるよう配慮しましょう。日当たりのよさをアピールするためにも、
内覧時には必ずカーテンを開けましょう。さらに、あまり日当たりのよくないお部屋や廊下などは、照明を利用することでマイナスポイントとして感じにくくなります。
購入検討者に「ここに住みたい」と感じてもらえるよう日頃から心掛けることが重要です。
また、お住まいの一部がひどく汚れている場合や、傷んでいる箇所がある場合には、部分的なリフォーム(小修繕)をおこなって、印象をよくするという方法もあります。
ただし、その分費用も発生します。これまでの内覧結果においてその箇所がどの程度マイナスポイントとなっていたかについて、不動産仲介会社担当者と打合せの上、リフォーム実施の要否を判断しましょう。
次に、物件の魅力には、周辺の生活環境も含まれ周囲の生活環境や施設の充実度も物件購入にあたっての重要な判断ポイントです。
不動産仲介会社の担当者は、購入検討者に対して、周辺の生活環境などの情報提供をおこないます。しかし、購入検討者は、周辺の環境や暮らしやすさなどの状況を実際に住んでいた売主から生の情報を聞きたいと思うものです。
そのため、周辺の生活関連施設や生活環境の情報などの質問を想定し、率直に答えられるように準備しておきましましょう。購入検討者に直接魅力を伝えることで、信頼のおける売主であるという印象を持ってもらえるでしょう。
不動産の売却依頼をおこなう場合、通常、不動産仲介会社と媒介契約の締結をします。
媒介契約の種類には、専属専任媒介契約、専任媒介契約、一般媒介契約の3種類があり、種類ごとに特徴がそれぞれに異なっています。
媒介契約の種類や特徴については、下記の記事で詳しくご紹介していますのでぜひ参考にしてみてください。
媒介契約とは?不動産売却を依頼する際に知っておきたい契約内容について
一般媒介契約を選択し、複数の不動産仲介会社に売却依頼をしている場合には、物件情報が広く拡散され、購入検討者の目に留まりやすくなる可能性があります。
一方で、複数の不動産仲介会社から物件情報が流通していることにより、購入検討者にとっては、売れ残っているようなイメージを与えてしまう場合もあるようです。
そのような場合には、一般媒介契約の期間満了をもって各不動産仲介会社との媒介契約を終了し、その中でも販売活動に一番熱心な一社に絞り、専属専任媒介契約、または、専任媒介契約にて再度売却活動を任せるということも一案です。
専属専任媒介契約・専任媒介契約は、そもそも売却を依頼する不動産仲介会社を一社に限定する契約内容です。不動産仲介会社としては、より広告費用を掛けることが可能となり、今後のさらなる積極的な売却活動の展開が期待できるでしょう。
また、専属専任媒介契約や専任媒介契約を選択し、不動産仲介会社一社に売却の依頼をしている場合であれば違う選択肢もあります。媒介契約期間の満了をもって他の不動産仲介会社へも重ねて売却依頼が可能となる一般媒介契約へ変更をおこない、情報ルートを増やします。
さらに、現在、依頼している不動産仲介会社の販売活動の展開に力量が足りないと判断される場合には、媒介契約の期間満了をもって売却依頼を終了し、他の不動産仲介会社に専属専任媒介契約、または、専任媒介契約にて新たに売却活動を任せるという検討も必要でしょう。
一概に不動産仲介会社といってもそれぞれ得意分野は異なってきます。
売却中物件の所在するエリアでの店舗ネットワークの広さや取引実績を多く持つ不動産仲介会社を見極め、売却の依頼をしてみるとよいでしょう。
2020年から猛威をふるう新型コロナウイルスですが、2022年現在においてもコロナ禍と呼ばれる状況が続いています。
コロナ禍になり、不動産の購入者が物件に求める条件にも変化が出てきています。
コロナ禍でも、マンション価格は上昇傾向にあります。
日本経済が大きく落ち込んだことで、マンション売却が困難になっているのではと感じている方も多いかもしれません。実際に公示地価は全国平均、3大都市圏ともに下落しています。
しかし、国土交通省から公表された不動産価格指標では、マンション売却価格は2013年を起点に右肩上がりを続けています。
地価が下がる一方で、マンションはその影響を受けていないということです。
マンションの場合、建物に資産価値があります。そのため、マンションの価格が地価の下落に影響されることなく、上昇傾向になっているのでしょう。
マンションが2013年以降に急激な右肩上がりになっているものの、戸建住宅も上昇傾向にあります。
理由として考えられるのは、コロナ禍になりリモートワークが普及したことでしょう。
リモートワークの普及により、通勤の利便性へのニーズが薄まり、郊外へのニーズが高まっている事が考えられます。共用部での感染リスクがあるマンションよりも戸建のほうが安心できるといった理由もあるでしょう。
また、自宅で過ごす時間が増えたことから、広いスペースで快適に過ごしたいといったニーズも増えてきています。戸建住宅であれば、このような条件を満たすことができるため、価格上昇につながっていると考えられます。
コロナ禍により、需要のある住宅も変化しています。完全なプライベート空間であった自宅に、ワークスペースとしての機能も求められるようになりました。それにより、今までは必要性がなかった「仕事のオンオフの切り替えをどうするのか」といった問題も発生しています。
オンオフの切り替えには、個室やロフトなどの、空間を分けることができるスペースを作ることも重要です。しかし、マンションではスペースが限られているため、すべてのニーズを満たすことは簡単ではないでしょう。
理想のライフスタイルを実現するためにも、戸建住宅に注目が集まるのは自然な流れかもしれません。
売却中の不動産が成約に至らない場合には、売出し価格の設定を含めその不動産の価値を購入検討者が妥当もしくは、適正であると判断に至らない何らかの事情があるものと判断できます。
もしも売却中物件がなかなか成約に至らない場合には、ご紹介した見直すポイントを参考に不動産仲介会社の担当者とよく打合せ上で、対策をじましょう。
お住まいの買い替えなどでどうしてもこの時期までに売却が必要という時間的な余裕がない場合には、不動産会社が買主となる不動産買取も検討してみましょう。
仲介と買取の違いについては、下記記事で詳しく解説しています。
買取での売却を検討されている場合には、ぜひ参考にしてみてください。
「不動産売却!「仲介」と「買取」の違いとは?それぞれのメリット・デメリットをご紹介!」
売却スケジュールどおり進められるかどうかは、不動産仲介会社による売却査定価格の正確な算出とご提案が前提条件です。
また、売却査定価格は、あくまで査定価格であり、決して成約価格(売買契約に至った価格)ではありません。
売却査定価格が高いのみで、不動産仲介会社を選択するのではなく、その売却査定価格の算定に至ったその根拠をしっかり確認しましょう。その上で、信頼できる不動産仲介会社を選択することが必要です。
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