不動産売却のノウハウ

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不動産売却で3000万円控除を利用する方法
適用要件や対象となる物件を解説

不動産を売却すると、まとまった資金が手に入る一方で、譲渡所得に応じて所得税や住民税などが課税されます。

3,000万円控除とは、課税される額を軽減されるために設けられた特例のひとつです。制度を利用するためには細かな要件などを満たす必要があるため、内容を確認しておきましょう。

不動産売却 費用・税金

2026年4月27日

目次

不動産売却の3,000万円控除とは?

所得税や住民税は所得に応じた累進課税であるため、不動産を売却して譲渡所得が発生すると、課税額は増える可能性があります。

3,000万円控除を利用すると譲渡所得から3,000万円までを差し引いて計算できるため、大幅に節税できます。一方で対象となる不動産は、日常生活で居住している住宅やその敷地に限定されています。

3,000万円控除の仕組み

譲渡所得は、次のように売却額から購入時にかかった経費などを差し引いて計算します。

譲渡所得=売却額-取得費用-譲渡費用-特別控除

取得費用は不動産を購入したときの代金や仲介手数料、登記費用、印紙税などです。譲渡費用には不動産を売却したときの仲介手数料や測量費用、登記費用、印紙税などが含まれます。

3,000万円控除を利用すると、売却額から取得費用と譲渡費用を差し引いた額からさらに最大3,000万円を控除できます。控除後の額がゼロ以下になった場合、課税されません。

控除後の額がゼロ以下にならなかったときは、残った額に次の税率を乗じた額が課税されます。

所有期間と課税される税率

所有期間 課税される税率
5年以下 39.63%(所得税率30%+復興特別所得税0.63%+住民税率9%)
5年越え 20.315%(所得税率15%+復興特別所得税0.315%+住民税率5%)

控除対象の不動産と対象外の不動産

3,000万円控除では、売却する不動産が一定の要件を満たす必要があります。

ここからは、3,000万円控除の対象になる不動産と対象にならない不動産について確認していきましょう。

特別控除の対象となる不動産

3,000万円控除の対象は、生活の本拠で居住するマイホームに限られます。居住していた期間が短期間の場合でも、実際に居住していれば利用できるケースが多いでしょう。

過去に居住していた住宅や、相続した住宅なども対象にできる可能性があります。

特別控除の対象にならない不動産

3,000万円控除は、次の住宅には利用できません。

  • 居住ではなく、特例の利用による節税を目的として居住した住宅
  • 一時的に居住している住宅
  • 別荘などのセカンドハウス

マイホームの売却時に適用されるため、節税目的や仮住まい、セカンドハウスなどは対象外です。

条件によって控除対象になる不動産

次のようなケースでは、条件を満たせば3,000万円控除を利用できる可能性があります。

住宅を取り壊したとき

築年数がたっている住宅などを売却するとき、そのままでは売却できないため住宅を取り壊して更地のみにする場合があります。

取り壊し後であっても、以下のケースでは3,000万円控除を利用できます。

  • 取り壊し後1年以内に譲渡契約を締結している
  • 居住しなくなったあと、3年目の年の年末までに売却している
  • 更地を売却するまでに第三者へ賃貸などをしていない

3,000万円控除は自ら居住する住宅が対象であり、他人が居住していた住宅には適用できません。

一方で、被相続人が居住していた住宅を相続や遺贈で取得し、売却したときも3,000万円控除を適用できます。主な要件は以下のとおりです。

  • 被相続人が相続開始直前まで居住していた
  • 譲渡価格が1億円以下である
  • 相続開始から3年目の年の年末までに売却している
  • 住宅を取り壊した場合、その敷地を賃貸などで使用していない

この特例は「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」と呼ばれ、3,000万円控除とは別の制度ですが、同様の節税効果があります。

住宅を賃貸していたとき

住宅を売却するまでに賃貸して利益を得ていた場合でも、居住しなくなってから3年目の年末までに売却すれば3,000万円控除を利用できます。

住宅を取り壊し後に敷地を賃貸していたときは、制度が利用できなくなるので注意しましょう。

単身赴任などで家族のみ居住していたとき

本人が転勤や単身赴任などで居住しなくなり、家族のみが居住していた場合でも3,000万円控除を利用できる可能性があります。

居住しなくなった事情が解消したとき、住宅で家族と一緒に生活すると認められる場合に限ります。

共有名義の住宅を売却したとき

住宅が共有名義だった場合、譲渡所得は共有者の所有権持分に応じて計算します。3,000万円控除の適用を受けるかどうかは、共有者ごとに判断できます。

住宅の一部を店舗や事務所として併用していたとき

住宅の一部を店舗などに利用している場合、3,000万円控除を利用できるのは居住用の部分のみです。住宅の90%以上が居住用のときは、住宅全体を居住用とみなして計算できます。

住宅と敷地の所有者が異なるとき

住宅と敷地が異なる所有者の場合、次の要件をすべて満たすときに3,000万円控除を適用できます。

  • 住宅と敷地を同時に売却する
  • 住宅と敷地の所有者が親族関係であり、生計が同一である

控除できる額は、住宅と敷地の両方で合計3,000万円までです。

不動産売却における3,000万円控除の適用要件

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制度を利用するために要件をまとめると、下表のとおりです。

住宅についての要件

要件 詳細
現在、居住している住宅
以前、居住していた住宅 居住しなくなったあと、3年目の年の年末までに売却しているときに利用可

土地(借地権)についての要件

要件 詳細
住宅とともに売却した土地や借地権
住宅を取り壊したときの敷地 次の条件をすべて満たす場合に適用可
  1. 居住しなくなったあと、3年目の年の年末までに売却している。
  2. 住宅の取り壊し後、1年以内に譲渡されている。

住宅の取り壊し後、敷地を賃貸などで使用していたときは利用不可

住宅が災害で滅失したときの敷地 次の条件をすべて満たす場合に適用可
  1. 現在、居住している住宅の場合、災害の日から3年目の年の年末までに敷地を売却している。
  2. 以前、居住していた住宅の場合、居住しなくなった日から3年目の年の年末までに敷地を売却している。
  3. ※住宅の滅失後、敷地を賃貸などで使用していたときも利用可

他の特例を利用しているときの要件

要件 詳細
他の特例を適用していない、または、適用後に一定期間が経過している 売却した年の前年および前々年に、次の特例を利用していないときに利用可
  1. 3,000万円控除
  2. 住宅ローン控除
  3. 譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
  4. 買換え特例

売主と買主の関係についての要件

要件 詳細
1. 売主と買主が特別の関係にある者ではない 次のような特別の関係者へ売却していないときに適用可
  1. 生計が同一である親族
  2. 住宅の売却後、その住宅で同居する親族
  3. 内縁の夫や妻
  4. 特殊な関係のある法人

参考:国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例

3,000万円控除の申請期間、必要書類、申請方法

3,000万円控除を利用するためには、確定申告が必要です。確定申告とは、1月1日~12月31日までの収入や支出から所得を計算し、申告書を税務署へ提出して納付税額を確定させる手続きです。

申告するためのルールを守らないと制度を利用できない可能性があるため、事前に確認しておきましょう。

3,000万円控除の申請期間

確定申告の期間は、不動産を売却した年の翌年2月16日~3月15日です。例えば、2024年12月1日に売却したときは、2025年2月16日~3月15日までに申告が必要です。

2025年2月1日に売却したときは、2026年2月16日~3月15日までに申告しましょう。

3,000万円控除の必要書類

確定申告で必要となる書類は以下のとおりです。

確定申告で必要となる書類

書類 備考
確定申告書 国税庁HPの確定申告書作成コーナーなどで作成可
譲渡所得の内訳書
(確定申告書付表兼計算明細書)
国税庁HPからダウンロードするほか、税務署や確定申告の相談会場などで入手可
不動産の売買契約書 購入時と売却時のもの
領収書 取得費用と譲渡費用の支払額の記載があるもの
売主の住所の履歴が記載されている書類(戸籍の附票の写しなど) 売却した住宅の所在地が、売主の住民票の住所と異なる場合にのみ必要

3,000万円控除の申請方法

必要書類をそろえたあとは、申請先である所轄の税務署へ期限内に提出します。提出方法は、次の方法から選択しましょう。

  • 所轄税務署の窓口で提出
  • 郵送で所轄税務署へ提出
  • e-Taxを利用してオンラインで提出

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