不動産売却のノウハウ

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借地権の更新料の相場はいくら?
計算方法や支払えないときの対策とは

他人が所有する土地を借りる借地権は期間がくれば、契約を更新します。

更新する際に、借り主は土地の持ち主に金銭を支払うことがあります。こうした金銭は借地権の更新料と呼ばれます。

では、借地権の更新に係る更新料の相場はいくらぐらいなのでしょうか。

2021年9月21日

目次

借地権の更新料とは

借地権の更新料は法律によって借地権の契約更改時に払うと決まっているわけではありません。支払うか、支払わないかは借地権者と貸主の合意によって決まります。

原則として借地権者が借地権の更新を希望している場合や借地に建物がある場合は貸主は正当な理由がない限り、更新に応じる義務があります。

更新には合意更新と法定更新があり、法定更新の場合は合意は必要なく自動的に更新されます。しかし、法定更新の場合でも、更新時に更新料を支払うことを決めている場合もあります。その場合は更新料が発生します。

借地権に関する契約は多様であることがわかると思います。

借地権更新料はなぜ必要?

前述したように、借地権の更新料は法律で定められているわけではないので、両者の合意がない限りは支払いの義務はありません。

それにも関わらず更新料の支払いが頻繁に行われるのは理由があります。それは、裁判所が借地権者と貸主の更新料の慣習を認めているからです。

借地権者の権利は法律によって保護されているとはいえ、貸主の所有物である土地を「賃料を支払って使わせてもらっている」という関係性から、借地権者と貸主の立場は必ずしも対等ではありません。

貸主との関係悪化によるトラブルや「正当な理由」を持ち出して契約の更新を拒否することを回避し、契約の範囲内で土地を使わせてもらうために借地権者が自発的にあるいは貸主の要求に応じて更新料を支払うものだと理解しておきましょう。

借地権更新料の支払い方法

借地権更新料の支払い方法についても、借地権者と貸主の合意によって決まります。その金額も、両者が話し合って決定します。

更新料の金額は明確な算出根拠に基づく必要があります。金額によっては賃料の増減とセットで検討することもあります。更新料が多額になる場合は分割払いにして、賃料の支払とセ合算して払いたいという要望もあり、この支払い方法を採用するケースも少なくありません。

更新料の金額は貸主の意向によって決まりやすい傾向にありますが、将来のトラブルを回避するためにもお互いが納得するまで話し合うことが大切です。借地権者に余裕がなければ、提示された更新料から値下げ交渉をしても問題はありません。ただし、あまりに貸主の意向とかけ離れた安い金額を提示すると、借地権者が建物の増改築や転貸をするときに、貸主に承諾してもらえない可能性があるので注意が必要です。

借地権更新料を支払う必要があるケース

借地権の更新料は法律で義務付けられていないので、借地権者と貸主の合意がない限り支払い義務は発生しないと紹介しました。

しかし、更新料の支払いについて「借地権者と貸主の合意がある」場合やすでに「契約書に更新料支払いについて明記されている場合」は、借地権者には支払いの義務があります。

合意については書面ではなく口頭であっても一定の力を持ちますが、公正証書などで合意したほうが拘束力が強くなります。このような場合は、仮に更新料を支払わなければ、借地権についても契約解除される場合もあるので注意しましょう。

更新料を支払う義務があるケース

  • すでに両者の合意がある
  • 更新料の支払いについて契約書に明記されている

更新料は両者の合意が必要ですが、仮に合意がなくとも「これまでも更新料を支払ってきた」場合には支払うことをおすすめします。もし、今回の更新においては更新料を払いませんと主張しても、裁判所には合意や契約書に明文化されていなくても、これまでも払ってきたならば慣例として払うべきと判断される可能性が高いからです。

契約書に明記がなくても更新料を支払うことが望ましいケース

  • これまでも更新料を支払ってきた

過去に更新料の支払いがあった場合は借地権者と貸主で「支払いを止める」という明確な合意がない限りは引き続き支払うのが通常であると、理解しておきましょう。

借地権更新料の相場とは

借地権の更新料の相場は都内の場合は「更地価格の3%程度」や「借地権価格の5%程度」と紹介している、ブログやホームページがあるようです。

しかし、これらの相場は「言われている」だけで、明確な根拠があるわけではありません。一般的には不動産需要の高い都心部ほど更新料は高くなり、需要が少なくなる郊外になるほど更新料の相場は下がります。これは、都心では土地の価値が年々高まる傾向にあるからです。

しかし、更新料の金額は借地権者と貸主の合意によって決まるものです。「都心だから」や「相場が上がっているから」といった、外的な要因だけで決める必要はありません。

また交渉ごとでは、誰もが自分の優位になるような「相場情報」を集めるものでもあります。あくまでも相場は参考程度にして、両者の関係性や過去の更新料などを参考すべきでしょう。

借地権更新料の計算方法

更新料は両者の合意で決まるとはいえ、何も参考にするものがないようでは、不安もあります。更新料の計算方法について法律で規定されている方法はありませんが、一般的に用いられている計算式として下記の方法がありますので、紹介しておきます。

更新料=更地価格×借地権割合×5~10%

更地価格とは「地価」とも言われ、その土地を市場で自由に販売した時の価格であり、更地となっている土地の利用方法などによって変動します。

正確には、近隣の取引事例やその土地を再度取得するのにかかるお金を計算する原価法などの複数の計算方法を駆使して、不動産鑑定士が評価した価格をもって金額が決まります。

借地権割合とは土地の借地権の割合であり、国税局のホームページで分かります。

借地権更新料が高すぎた場合、値下げ交渉はできる?

何度も言及しますが、借地権の更新料は両者の合意によって決まります。

そこで、「貸主が法外な更新料を一方的に請求した場合はどうなのか?」という、疑問に感じる人が多いようです。借地権者と貸主の立場は違いますので、こういった不安をもっても不思議はありません。

更新料は法律で義務付けられていないので、納得できないほどの金額を提示されたとしても、合意がない限りは支払い義務はありません。毅然として、値下げ交渉をして、差し支えないでしょう。とはいっても、今後も貸主との関係は続くので本格的なトラブルは回避したいものです。

まずは、真摯な姿勢で話し合いを続けましょう。それでも、解決できないようであれば、弁護士、不動産鑑定士などの法律や不動産の知見をもる専門家に仲介をしてもらうのも選択肢の1つになります。

いずれにせよ、法外な金額を提示されても、支払う義務はないことは意識しておきましょう。

借地権の更新に関するトラブルとは

借地権の更新に関しては以下のようなトラブルが起きる可能性があります。

  • 更新料の金額で合意できず更新を拒否された
  • 更新料の支払いを拒否し、更新を拒否された

更新料の支払いは法的義務はないので、重要なのは両者の合意です。更新料について両者の合意や契約書がない限りは貸主は更新を拒否できません。

更新料の受け取りを拒否された場合には供託という方法がありえます。これは法務局にある供託所に更新料を預けることで支払いの意思を示すことができます。ただし、供託には「貸主に更新料の受け取りを拒否された」という証拠が必要です。

借地権更新料が払えない時はどうすればいい?

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借地権の更新料は法的義務はありませんので、お互いの合意がない限りは支払わなくても「正当な理由」がない限りは契約を解除できません。

しかし、賃貸借契約書において更新料について明記されている場合や過去に支払った記録がある場合、地域の慣習として更新料を支払うことになっている場合は支払う必要があります。これらの場合は法外な金額を請求されたケースを除いて、支払いをしましょう。いずれにしても土地の賃貸借は長いお付き合いになりますので、お互いによく話し合いをし、譲歩すべきところはして、良好な関係性を保つことが重要です。

借地権の更新料には支払い義務はない!?

借地権の更新料には法律による支払い義務はありません。したがって、更新料を支払わなかったからといって貸主が直ちに契約の更新を拒否することはできません。しかし、両者が合意している場合や過去の経緯や地域の慣習を考慮して、支払うことが妥当である場合は支払いの道義的義務が生じます。

更新料の支払期限はある?

更新料の支払いで合意している場合は支払いと同時に契約が更新されたとみなされます。したがって、一般的には更新日までに支払えば問題ありません。

しかし、あくまで両者の合意に基づくので、合意のある期日までに支払いをする必要があります。

借地権を売却するという方法も

借地権の更新料の有無や金額について貸主と合意できない場合は借地権を売却するという方法があります。売却には貸主の許可が必要となりますが、貸主による買取や第三者への売却などが考えられます。

しかし、借地権の売買についてはなかなか貸主の合意が得られない場合もあります。検討したら早い段階で不動産会社に相談しましょう。

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