不動産購入のノウハウ
中古住宅を購入してリノベーションを行えば、新築住宅を購入するのと比べて、大きく費用を抑えられます。リノベーションを行う範囲を限定すれば、さらに費用を抑えることが可能です。
効率的に住宅の購入とリノベーションを計画することが大切なのです。そのためには、あらかじめどれくらいの費用がかかるのかを把握する必要があります。購入した中古住宅に行うリノベーションに、どれくらいの費用がかかるのかを解説します。
不動産購入 リフォーム・リノベーション2023年8月25日
中古住宅を購入してリノベーションをすれば、新築よりも安い費用で新築同様の家に住むことができます。リノベーションとは、既存の建物を工事して価値を高めることを指します。似たものにリフォームがありますが、リフォームは劣化した設備や建物を新築に近い状態に回復させることを指します。
中古住宅は新築住宅より安く購入できることもあって、新築住宅を購入するときの費用と比較すると、中古住宅を購入してリノベーションをする場合は約20%〜30%も安く済むといわれています。
住宅金融支援機構が発表している「2021年度フラット35利用者調査」によると、建売住宅の所要資金が3,605万円なのに対して、中古戸建の所要資金は2,614万円と、約1,000万円の差があります。
中古住宅のリノベーションでは、基礎や構造を残し、活かせる部分はそのまま活用できます。こだわりたい部分だけリノベーションをすれば、新築と比べて少ない費用で理想の家づくりができます。
中古住宅を購入してリノベーションを行うのであれば、ワンストップリノベーションに対応できる不動産会社がおすすめです。ワンストップリノベーションとは、中古住宅探しからリノベーションの見積もり、工事まで1社だけで対応することを指します。
物件の購入とリノベーションをまとめて相談できるため、不動産会社と工務店それぞれに相談する手間を減らせます。中古住宅の購入からリノベーション工事までを、スムーズに進めたい方におすすめです。
中古住宅の購入とリノベーションを行ったときの、費用の目安を紹介します。想定している予算で、どういった工事ができるのかを把握しておきましょう。
※あくまでも一般的な相場です。
予算が300万円以下で行える工事内容としては、クロスの張り替えや床のリフォームなどがあります。キッチンやトイレ、浴室や洗面台などの水回り設備のリノベーションも可能です。
リノベーション箇所 | 費用の目安 |
---|---|
クロスの張り替え | 5~10万円 |
床のリフォーム | ~10万円 |
キッチン | 50~100万円 |
トイレ | 15~30万円 |
浴室 | 60~120万円 |
洗面台 | 10~25万円 |
予算が500万円までであれば、先述した約300万円の工事に加えて、外壁工事や一部の間取り変更にも対応できます。
リノベーション箇所 | 費用の目安 | |
---|---|---|
外壁 | ~150万円 | |
間取り変更(一部) | 間仕切りやドアの撤去 | 7~25万円 |
間仕切りやドアの新設 | 8~35万円 |
リノベーションの予算が800万円ほどあると余裕が出てきて、間取りの大幅な変更や断熱性能の向上、耐震補強などを検討できます。
リノベーション箇所 | 費用の目安 | |
---|---|---|
間取り変更 | 100~300万円 | |
耐震工事 | 25~200万円 | |
断熱性能の向上(一部 | 内窓設置(1箇所) | 8~15万円 |
初予算が1,000万円あれば間取りの自由な変更や耐震性能の向上、断熱材の導入やバリアフリーの導入など、より高度な改修が可能です。
リノベーション箇所 | 費用の目安 | |
---|---|---|
バリアフリー工事 | 100~300万円 | |
耐震工事 | 25~200万円 | |
バリアフリー工事 | 手すりの設置 | 5,000〜5万円 |
段差の解消 | 5〜28万円 |
1,500万円を超える予算があれば、内外装の改修だけでなく、基礎部分の補修や地盤改良もできます。住宅の傾きを修正したり、耐震性を大幅に向上させたりもできるため、長く暮らしたい方におすすめです。基礎工事の単価は、木造住宅で1坪40,000円〜80,000円前後、軽量鉄骨・鉄筋コンクリートで1坪110,000円〜132,000円前後です。
建て替えずに住宅を一新するのであれば、構造部以外をすべて取り替えるスケルトン工事も可能です。約1,000万円がスケルトン工事の費用目安です。
リノベーション箇所 | 費用の目安 | |
---|---|---|
基礎工事 | 木造住宅 | 1坪40,000円〜80,000円前後 |
軽量鉄骨・鉄筋コンクリート | 1坪110,000円〜132,000円前後 | |
スケルトン工事 | 1,000万円~ |
リノベーションにかかる費用は、中古住宅の購入費用にも影響します。できるだけリノベーションにかかる費用を抑えるため、リノベーションの費用が高くなってしまうポイントを押さえておきましょう。
中古住宅を購入するときは、築年数に注意しましょう。1981年に耐震基準が大幅に見直しされ、古い住宅だと現行の耐震基準を満たしていないことがあるためです。現行の耐震基準を満たしていないときは、新しい耐震基準に対応する工事が必要で、費用がかさんでしまいます。
旧耐震基準のころに建築確認がされた住宅でも、現行の耐震基準に則って設計されていたり、基準以上のレベルで設計されていたりすることもあります。耐震基準が気になる場合は、専門家に相談しましょう。
中古住宅は問題なさそうに見えても、壁や床を解体すると、想定外の損傷や不具合が見つかることがあります。シロアリ被害や雨漏り、給排水管の破損などです。そのような損傷や不具合は、追加で補修工事が必要になります。
そういった事態を未然に防ぐため、中古住宅の購入前に住まいの状態を診断するインスペクションの専門家に相談しておきましょう。
リノベーション費用は決して安くはありません。そのため、いかに安く抑えるかが重要なポイントになります。中古住宅のリノベーション費用を、安く抑える方法には次の方法があります。
リノベーションの費用を分割して払う場合、住宅ローンかリフォームローンを選択できます。リフォームローンとはリフォーム専用のローンです。所有している住宅のリノベーションや、新たに購入した住宅のリノベーションに利用できます。
住宅ローンは住宅の新築や購入を目的として、借り入れるローンです。住宅の購入時に物件費用に加えて、リノベーション費用も借り入れられます。
中古住宅の購入と同時にリノベーションも行う場合は、金利の低い住宅ローンがおすすめです。住宅ローンとリフォームローンの違いは以下のとおりです。
住宅ローン | リフォームローン | |
---|---|---|
金利相場 | 0.5~1% | 2~5% |
借入上限目安 | 1億円 | 500~1,000万円 |
借入期間 | 最長35年 | 最長15年 |
リノベーション費用を安く抑える方法に、住宅ローン減税や補助金の活用が挙げられます。一定の条件を満たせば住宅ローン減税を受けられるため、所得税の軽減が可能です。また、一部の地域では、条件を満たす住宅の改修に対して補助金が支給されます。
住宅ローン減税とは、住宅ローンの残高の0.7%を10年間(新築住宅は最大13年間)、所得税から控除する制度です。中古住宅(優良住宅などは除く)の借入限度額が2,000万円のため、控除額は原則1年間で最大14万円になります。単純に計算すると、10年間で控除される金額は140万円です。
補助金制度の対象になるのは、耐震や省エネルギー、バリアフリーなどを目的としたリノベーションです。主な補助金には、次のものがあります。
補助金制度 | 最大助成額 |
---|---|
長期優良住宅化リフォーム推進事業 | 250万円 |
断熱リフォーム支援事業 | 120万円 |
住宅エコリフォーム推進事業 | 35万円 |
次世代省エネ建材支援事業【次世代建材】 | 400万円 |
このほかにも自治体独自の制度が多数存在します。補助金制度は年度によって内容や適用要件が変わることがあるため、こまめにチェックしておきましょう。
関連記事「【2023年】中古マンションのリフォームに使える補助金制度を徹底解説」
思いのほかリノベーションが高額になりそうな場合でも、壁や床の素材や設備のグレードを落とすことで費用を抑えられます。改修範囲が広い壁や床は、㎡単価を少し落とすだけで大幅なコストカットが可能です。
たとえば、80㎡(約25坪)のリノベーションを行う場合を考えてみましょう。使用する床材にこだわり、10,000円/㎡のものを選んだ場合にかかる床の費用は800,000円(80㎡×10,000円)です。
しかし、使用する床材をグレードダウンし、2,000円/㎡にした場合にかかる床の費用は、160,000円(80㎡×2,000円)です。このように、床材の選択ひとつで大きな費用の差が生じることがわかります。
中古住宅の購入とリフォームに実際にどのくらいの費用がかかるのかは、お客様それぞれのご要望やご希望によって異なります。
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