不動産売却のノウハウ
だれも住んでいない実家を売却する際、家具や家電、思い出の品などが残されたままだと、高く売れない可能性があります。
実家を高く売却するためには片付けが必要な理由や、手間をかけずに実家の片付けから売却までを進める方法などを紹介します。
不動産お役立ちコラム 不動産売却2024年12月11日
空き家になっている実家に、家具や家電製品などがそのまま残っているケースも多いのではないでしょうか。そのままの状態で売却できることもありますが、高く売れません。できるだけ高く売却したいなら、不用品はすべて片付けておくべきです。
実家を高く売却するために、なぜ片付けが必要なのでしょうか。その理由には、以下の2点が挙げられます。
中古の家を購入する際、購入希望者は事前に内見をすることが一般的です。その際、家具や家電などが残ったままでは室内が狭く見えてしまいます。入居までに不用品を片付けるといわれたとしても、内見の時点で狭く見える家を購入したいと思う購入希望者は少ないでしょう。
そもそも、家具や家電などが残ったままの家は第一印象が良くありません。圧迫感を与えて狭く見えることに加えて、生活感が残ってしまいます。
新居は自分好みのインテリアにしたいという人が多いため、前の住人が置いていった家具や家電をそのまま使用するケースはほとんどありません。
家具や家電をそのままにした状態でも売却自体はできますが、基本的には不動産会社が不用品を処分することになります。そのため、処分費用を加味した査定額を提示される可能性が高まります。
実家を売却する前には、できるだけ室内に残った不用品は片付けておくことをおすすめします。しかし、実家には多くの不用品が残っていることも多く、なかなか片付けが進まないかもしれません。ここからはスムーズに片付けをする手順を紹介します。
不用品を片付ける前に、まずは片付ける時期や方法を明確にして細かくスケジュールを立てましょう。不用品はごみとして処分することが多いため、あらかじめごみ収集日を確認しておくとスムーズに進めやすくなります。
実家の中にあるものの中で、手元に残しておくものと処分するものに仕分けます。実家には、家族の思い出の品がたくさんあるはずです。きちんとチェックしないまま処分してしまうと、後悔してしまうこともあるでしょう。家族や親族の意見も踏まえ、きちんと仕分けていきましょう。
不用品にはさまざまな種類があり、ごみとして出すには分別が必要です。普通のごみとして処分できるものとできないものがあるので、処分する不用品それぞれの処分方法を確認しましょう。
なお、テレビや冷蔵庫、洗濯機などの一部の家電製品は、家電リサイクル対象品として決められた方法で処分しなければなりません。
最初に決めたスケジュールに沿って不用品を処分した後は、室内を清掃しましょう。不用品がなくなった後に部屋全体を清掃すると、清潔感が出る上に広く見えるようになるので、購入希望者によい印象を与えられる可能性が高まります。
自分で実家にある不用品を処分しようとすると、思っているよりも時間や手間がかかってしまうことがあるでしょう。なるべく時間や手間をかけずに片付けをしたい場合、費用はかかりますがプロに依頼するのがおすすめです。ここからは、二つの依頼方法を紹介します。
不用品回収会社に依頼をして、不用品の回収・買取をしてもらうのも一つの方法です。さまざまな種類の不用品がある場合でも、一括して対応してもらえるので手間がかかりません。
ただし、室内に残っているものすべての対応を任せた場合、思い出の品や貴重品などもごみとして処分されてしまうので、自分たちで仕分けをしてから依頼するようにしましょう。
不用品回収会社に依頼をする際には、不用品の種類ごとにかかる回収料金、不用品の運搬に必要なトラックの種類に応じた費用がかかります。トラックの種類は、回収してもらう不用品の量に応じて変わるので、不用品の量が多いほど費用が高くなります。不用品回収会社でかかる費用の目安は、以下のとおりです。
不用品 | 費用目安 |
---|---|
テーブル | 1,000円~8,000円 |
ベッド | 5,000円~2万円 |
ソファ | 6,000円~1万2000円 |
運搬するトラックの種類 | 費用目安 |
---|---|
軽トラック | 1万~3万5,000円 |
1.5トントラック | 2万5,000~5万5,000円 |
2トントラック | 5万~11万円 |
なお、不用品回収会社によって費用は異なるため、詳細を知りたい場合は問い合わせてみてください。
遺品整理事業者は、遺族の代わりに遺品を整理して、不用品を処分してくれる事業者です。不用品回収会社は不用品をすべて処分するのに対し、遺品整理事業者は思い出の品をきちんと仕分けてくれるほか、供養もしてくれます。不用品を整理しながら必要なものを手元に残したい場合は、遺品整理事業者に片付けを依頼するのがおすすめです。
遺品整理事業者に依頼する際にかかる費用目安は、以下のとおりです。
部屋の広さ | 費用目安 |
---|---|
1R・1K | 3万~8万円 |
1DK~2DK | 5万~26万円 |
2LDK | 12万~30万円 |
3LDK | 17万~50万円 |
4LDK | 22万~60万円 |
部屋の広さだけでなく、必要なスタッフの人数や作業時間によっても費用は変わるので、詳細を知りたい場合は見積もりを依頼しましょう。
手間も費用もなるべくかけずに実家を売却したい、という場合、片付けが必要ない不動産買取を選ぶのも一つの手です。不動産買取とは、不動産会社に直接家を買い取ってもらう方法です。不動産買取であれば、家を買い取った後に室内に残った不用品を処分、修繕などの対応を済ませてから再販をします。そのため、残置物や不用品があっても、すぐに家を売却することが可能です。
不動産買取の主なメリットについて、見ていきましょう。
片付けをしてから実家を売却しようとすると、どうしても時間がかかってしまいます。不動産買取であれば不用品を残したままで売却できるので、片付けにかかる手間や時間がかかりません。不用品の処分費用などを差し引いた額で買取が行われるので、別途こちらがお金を用意する必要がないのもメリットの一つです。
片付けをする時間がない人や費用に余裕がない人、片付けが苦手な人でも、スムーズに実家を売却できるでしょう。
不動産会社の仲介で買い主を探す場合、買い主が見つかるまで時間がかかることがあります。買い主が見つからないと売却もできないため、売却まで数カ月~1年近くかかる場合もあるでしょう。
一方で不動産買取であれば、不動産会社が直接家を買い取るので、スピーディに売却できるのがメリットです。最短1カ月程度で売却して現金を受け取れます。
不動産会社に仲介してもらって実家を売却する場合、先述したとおり、必ずしも売却できるとは限りません。売れる見込みがない家は、不動産会社から仲介を断られてしまうこともあるでしょう。
不動産買取の場合、仲介での売却を断られてしまった家でも買い取ってもらえる可能性が高まるのがメリットです。買取後の修繕費用などがかかるため、仲介と比べると売却価格が下がりやすいですが、確実に売却をしたい人には適しています。