不動産売却のノウハウ

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不動産を遺産分割する4つの方法や
ケース別の考え方を詳しく紹介

相続が発生したら、相続人全員で遺産分割協議を行い、被相続人(亡くなった方)の財産をどのように分けるか話し合います。しかし、1円単位で分割できる現金と違って、不動産は均等に分けるのが難しい財産です。

不動産の遺産分割をめぐって、相続人の間でトラブルになる事例も珍しくありません。不動産を遺産分割する方法や、ケース別の遺産分割の考え方について知っておきましょう。

不動産お役立ちコラム 不動産売却

2024年12月11日

目次

不動産を遺産分割する4つの方法

不動産を遺産分割する方法は、大きく4つに分けられます。

  • 現物分割
  • 換価分割
  • 代償分割
  • 共有分割

ここでは、それぞれの概要やメリット・デメリットについて解説します。

現物分割

現物分割とは、それぞれの相続割合に応じて土地や建物などの不動産を物理的に分ける方法です。たとえば、以下のような分け方が現物分割に当たります。

  • 被相続人の配偶者が実家を相続し、2人の子のうち1人が現金、もう1人が株式を相続する
  • 実家のある土地を複数に分割(分筆)し、複数の相続人がそれぞれの相続割合に沿って相続する

現物分割では、相続した不動産を換金したりせず、そのままの状態(現物)で分割します。そのため、相続手続きがシンプルで分かりやすいのがメリットです。

しかし、現物分割は公平性が低く、相続人の間でトラブルになりやすいというデメリットもあります。また土地を分筆して分け合う場合、測量や登記手続きの費用が別途かかります。

不動産の遺産分割協議では、まず現物分割を提案し、難しい場合は換価分割などの選択肢を検討する、といった流れになることが一般的です。

換価分割

換価分割とは、不動産を売却などの手段によって換価(換価処分)し、現金にしてから相続する分割方法です。たとえば、評価額が3,000万円あるマンションを、配偶者と2人の子どもで法定相続分どおりに分け合う場合、マンションを売却して現金化します。その後、配偶者は1/2の1,500万円、子どもはそれぞれ750万円ずつ現金で相続することが可能です。

不動産と違い、現金であれば1円単位で均等に分割できます。そのため、現物分割よりも公平性が高く、相続人の間で揉めるリスクが低いのがメリットです。

一方、換価分割には以下のようなデメリットもあります。

  • 愛着のある家屋を手元に残せない
  • 生活拠点が失われるリスクがある
  • 売却価格が相場よりも低くなる可能性がある

特に、不動産を売り急ぐと安値でしか売れず、相続人が手にする金額が想定よりも低くなることがあります。換価分割を選ぶ場合は、不動産売却に強い不動産会社を探すことが大切です。

代償分割

代償分割とは、相続人のうちの1人または数人が相続財産を現物で取得し、他の相続人に対して法定相続分にあたる金額を支払う方法です。換価分割と同様に、現物分割が困難なときに行われます。

たとえば、評価額が3,000万円の一戸建てを兄弟4人で分け合う場合、不動産を相続した方は、他の相続人に自分の取り分を除く2,250万円(1人当たり750万円ずつ)の代償金を支払います。

代償分割は、不動産を相続したい方(現在の生活拠点としている場合など)と、売却して利益を得たい方の利害が一致するため、公平性が高いのがメリットです。一方、不動産を相続する方は、評価額に基づく代償金を負担しなければなりません。相続人に一定以上の支払い能力がある場合のみ、代償分割が可能です。

共有分割

共有分割とは、不動産を複数の相続人もしくは相続人全員の共有名義によって相続する方法です。それぞれの相続割合に沿って、不動産の持分(所有権の割合)を設定します。

遺産分割協議がなかなかまとまらない場合、共有分割が一つの解決策になります。やむを得ない事情で遺産分割協議がまとまらない、換価分割のように不動産を売却したくない、などの際に共有分割が選ばれるケースもあります。

しかし、共有分割にはデメリットも数多くあります。

  • 不動産の売却やリフォームをする際に共有人全員の同意が必要になる
  • 相続人が亡くなった場合、さらなる相続によって不動産の持分が細分化されていく
  • 共有名義の不動産は敬遠されやすく、市場で売れにくくなる可能性がある

共有分割はあくまでも最後の手段とし、まずは現物分割や換価分割などの選択肢を検討しましょう。

遺産分割協議がまとまらない場合は調停・審判を行う

遺産分割協議がまとまらない場合や遺産分割の内容に納得できない場合、家庭裁判所に調停を申し立てます。

遺産分割の調停では、当事者同士の話し合いを原則として、家事審判官(裁判官)と調停委員で構成される調停委員会が解決案を提示したり、合意に向けた助言を行ったりします。話し合いは非公開の調停室で行われるため、第三者に秘密がもれる心配はありません。

調停が不成立になった場合は、審判の手続きが自動的に開始されます。審判は調停と異なり、法定での審理を経て、裁判官によって結論が示されます。

遺産分割方法の選び方

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遺産分割にはさまざまな方法があるため、どのように選べばよいか分からない方もいるでしょう。

不動産の相続でよく見られるのは、現物分割と換価分割です。この2つを中心として、遺産分割の考え方をケース別に紹介します。

広大な土地があるなら分筆による現物分割を選ぶ

相続した土地が広く、相続人全員で問題なく分けられる場合は、分筆による現物分割を選ぶとよいでしょう。

現物分割には、土地を複数に分割することで、資産価値の低下につながるというリスクがあります。しかし、現物分割を行っても一人当たりの土地面積が十分に広ければ、資産価値の大幅な低下は起こりません。

ただし、相続した土地に家屋などの建物がある場合、土地の分筆とは別に、建物の所有権を分割するための登記(建物分割登記)が必要です。相続手続きが複雑化するため、現物分割は建物がない更地を相続した際に行いましょう。

簡単・公平に分割をしたい場合は換価分割を選ぶ

換価分割なら、現物分割よりも簡単かつ公平に不動産の遺産分割が可能です。

換価分割では、不動産を現金に換えてから分け合うため、法定相続分どおりに遺産を分割できます。遺産の取り分をめぐって、相続人の間でトラブルが起きるリスクもほとんどありません。

代償分割も公平性が高い方法ですが、特定の相続人が代償金を負担しなければならず、換価分割よりも実現のハードルが高めです。また代償分割では、不動産を相続する人が評価額を算定するため、評価額をめぐって争いになりやすいというデメリットもあります。

相続を希望する人がいない物件など、手放しても問題のない不動産を相続した場合は換価分割を選ぶとよいでしょう。

不動産売却するなら相続に強い不動産会社を選ぼう

換価分割を行う場合は、不動産会社選びが大切です。相続した土地や建物が高値で売れないと、相続人が相続する金額も低くなります。

ここでは、相続に強い不動産会社を選ぶポイントを2つ紹介します。

不動産査定額に根拠がある

まずは不動産の査定を依頼した際に、査定額の根拠をしっかりと説明してくれるかを確認しましょう。

不動産の売却に強い企業なら、立地や築年数などの条件がよく似た周辺地域の取引事例をふまえて、合理的に査定を行ってくれます。

不動産会社の中には、売却ではなく、分譲や仲介を専門としている企業もあります。相続した不動産をできるだけ高く売るため、売却実績が豊富な企業を選びましょう。

弁護士や税理士などと協働している

相続不動産の取り扱いでは、売買取引のノウハウだけでなく、相続問題に関する専門的な知識も求められます。

不動産会社の中には、弁護士や税理士など、相続に関する専門家とのネットワークを有する企業も存在します。そういった不動産会社であれば、不動産売却に関する相談や、相続に関する相談をまとめて行うことが可能です。

換価分割を検討している場合は、弁護士や税理士などと協働しているか、という観点で不動産会社を選ぶとよいでしょう。

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