不動産売却のノウハウ

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実家を相続したらどうやって売却する?
流れや注意点、税金の取り扱いまで徹底解説

相続した実家の売却を考えているなら、売却までの流れを覚えておくことが大切です。相続後の対応に手間取っていると、売却までに時間がかかったり、相場より安く売却してしまったりする可能性があります。

実家を相続してから売却するまでの流れや、売却時に発生する税金、注意点を解説します。

不動産売却 費用・税金

2024年12月11日

目次

実家を相続してから売却するまでの流れ

実家を相続してから売却するまでの流れを紹介します。

1.名義変更をする

相続した実家を売却するためには、まず名義変更をしなければいけません。これを相続登記といいます。これまで相続登記は義務ではありませんでしたが、2024年4月1日から義務化されました。持ち主不明の土地や建物が増えたことで、公共事業や復興事業などが妨げられるケースが増えたためです。

実家などの不動産を相続した場合、所有権の取得を知った日から3年以内に相続登記が必要です。相続した実家を売却する場合は、売却の手続きを開始する前に登記を済ませておきましょう。

※参考:東京法務局「相続登記が義務化されました」

2.価格査定を依頼する

次に、相続した実家の価格査定を不動産会社に依頼します。査定を依頼する会社は1社に絞り込まず、何社かに依頼して比較することが大切です。複数社の査定を比べることで平均的な相場が分かるため、より高く買ってくれるところを選びやすくなります。「安く買いたたかれる」といったリスクを減らすことにもつながるでしょう。

なお、売却する実家が遠方にある場合は、自分の住んでいる地域の不動産会社よりも、実家に近い不動産会社に査定してもらうのがおすすめです。土地の事情をよく知っているため、適正価格を提示してくれる可能性が高くなります。

3.媒介契約を結ぶ

査定価格や対応などを比べて売却を依頼したい不動産会社を決めたら、媒介契約を結びます。媒介契約とは物件が売りに出ていることを周知したり、買主を探したりといった仲介を不動産会社へ依頼するための契約です。いくら査定によって物件の相場が分かっても、自分で買主を見つけるのは難しいため、不動産会社と媒介契約を結んで買主探しを依頼しましょう。

媒介契約には「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類があり、少しずつ内容が異なります。簡単にまとめると以下のとおりです。

一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
依頼できる不動産会社の数 複数社に依頼できる 1社のみ 1社のみ
自分で買主を見つけることができる できる できる できない
レインズへの物件登録 義務なし 7日以内 5日以内
依頼主への販売活動の報告 なし 2週間に1回以上 1週間に1回以上

レインズとは国土交通省から指定を受けて運営されている、不動産流通機構標準情報システムのことです。

物件が売りに出ていることを広く周知したい場合、レインズへの登録は有利に働きます。早く売却したい場合は「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」、希望の価格でじっくり買主を探したいなら「一般媒介契約」が向いています。

4.売却活動を始める

不動産会社と媒介契約を結んだら、売却のための販売活動を開始します。基本的には、仲介する不動産会社に一任しておけば問題ありません。

購入希望者は内覧をするため、片づけや掃除などは早めに済ませておくとよいでしょう。玄関は第一印象を決める場所のため、特に念入りにきれいにしておきましょう。トイレや風呂、キッチンといった水回りもチェックされやすい場所のため、清潔に整えておくことをおすすめします。

5.売買契約を結ぶ

買主が決まったら売買契約を結びます。相続人である売主と買主の間で契約内容を確認し、双方が納得した上で契約書に署名・捺印します。

不動産売買は売主と買主の信頼関係の上に成り立つものです。1度契約をすると簡単には解除できません。契約の際は契約内容をじっくりと確認し、気になる点はよくすり合わせてお互いに齟齬(そご)のない状態にしておくことが重要です。なお、契約時には手付金を受け取るのが一般的です。

6.不動産を引き渡す

契約が滞りなく済んだら、物件の引き渡しです。契約と物件の引き渡しは別日にするのが一般的です。引き渡し時に司法書士が立ち会い、名義を変更する登記手続きに必要な書類がそろっているか確認します。問題がなければ手付金を除く物件の代金を受領し、物件を引き渡します。

7.確定申告をする

相続した実家を売却したことで、プラスになる譲渡所得(譲渡益)が発生した場合や、節税のために特例を利用した場合は、翌年の2月16日~3月15日に確定申告を行う必要があります。確定申告を忘れると、延滞税や無申告加算税などが課せられる可能性もあるため、忘れず行いましょう。

※参考:国税庁「確定申告が間違っていたとき・確定申告を忘れていたとき」

実家の相続・売却時に発生する税金

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実家を相続する際、また売却する際にはさまざまな税金がかかります。相続から売却までに納める必要がある税金を4つ紹介します。

相続税

相続税は、相続により資産の移転があった場合に、相続人に対して課せられる税金です。ただし相続税には基礎控除があるため、相続を受けた資産すべてに課税されるわけではありません。相続税の基礎控除額は以下のとおりです。

3,000万円+(600万円×法定相続人の数)

つまり相続人が1人であれば3,600万円まで、相続人が2人であれば4,200万円まで控除が受けられます。それ以上の金額が課税対象となります。

登録免許税

登録免許税とは不動産の名義変更、登記、所有権の移転の際に必要となる税金です。相続による課税率は、相続した土地の評価額の1,000分の4(0.4%)、売買においては1,000分の20(2%)です。相続時は相続人が負担し、売買時は買主が負担します。

※参考:国税庁「No.7191 登録免許税の税額表」

印紙税

印紙税は契約書や領収書など、法律で定められた課税文書を作成する際に必要となる税金です。書類に記載された価格に応じて印紙税額は変わります。たとえば売買価格が500万円を超え1,000万円以下の場合の印紙税は1万円、1,000万円を超え5,000万円以下の場合は2万円、5,000万円を超え1億円以下の場合は6万円となっています。

※参考:国税庁「No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで」

譲渡所得税

不動産の売却によって得た譲渡所得に対してかかる税金です。譲渡所得は不動産の売却価格から、購入価格などの「取得費」を差し引いた価格を差します。建物の場合は取得費から減価償却額を差し引き計算します。具体的に計算式を表すと以下のとおりです。

土地など(減価償却なし) 譲渡所得=売却価格-(取得費+譲渡費用)
建物など(減価償却あり) 譲渡所得=売却価格-(取得費-減価償却額+譲渡費用)

不動産を売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超える場合は、長期譲渡所得として所得税15%、住民税5%が、5年以下の場合は短期譲渡所得として所得税30%、住民税9%が課せられます。なお令和19年までは復興特別所得税として、各年の基準所得税額の2.1%を併せて納付する必要があります。

※参考:国税庁「No.3261 建物の取得費の計算」

※参考:国税庁「土地や建物を売ったとき」

相続した実家を売却する際の注意点

相続した実家を売却する際に注意しておきたいポイントを紹介します。

境界線確認を済ませておく

境界線確認とは隣地との境界線を土地家屋調査士などに依頼して正しく測量し、隣地所有者にも確認してもらうことです。確認した境界線をもとに、隣地所有者と確認書を取り交わすのが一般的です。

家が密集している場所や古くからある実家などでは、境界線があいまいになっていることがあります。後々隣家とトラブルにならないために、買主から境界線確認を求められることもあるため、境界線がはっきりしない場合はあらかじめ境界線確認を行い、正しい測量をもとに改めて登記を行っておきましょう。

建物を取り壊すと税金が上がる

実家が古い場合など、資産的価値がないから建物を取り壊して土地にしてから売却しようと考えることがあるかもしれません。しかし建物がない場合、固定資産税などの納税額が増える可能性があります。住宅用地の特例によって一般住宅地では固定資産税の3分の1、都市計画税の3分の2が減額されます。

また、小規模住宅用地(200 m²まで)では固定資産税が6分の1、都市計画税が3分の1減額されていますが、売却まで時間がかかる場合、この特例が適用されず納税額の負担が大きくなるかもしれません。建物の取り壊しは売却のタイミングなどを踏まえ、よく検討してから行うようにしましょう。

※参考:国土交通省「土地の保有に係る税制」

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