不動産売却のノウハウ

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つなぎ融資を活用した不動産売却のメリット、
融資の流れや注意点も解説

自宅を買い替えるときに、手元の資金不足が心配な人は少なくありません。そんなときに役立つのが「つなぎ融資」です。つなぎ融資とは住まいを買い替える際の一時的な資金不足をカバーするための制度です。つなぎ融資の基本的な仕組みやメリット・デメリットなどについて詳しく解説します。

不動産お役立ちコラム 不動産売却

2025年4月18日

目次

  • つなぎ融資のメリットや利用したほうがいいケース
    • つなぎ融資とは
      • 売却前の新居購入
      • 相続税の支払い
      • リフォーム費用の捻出
    • 不動産担保ローンとの違い
    • つなぎ融資を利用するメリット
      • 買い先行が可能
      • 融資までのスピードが早い
      • 仮住まいのコストがかからない
    • つなぎ融資を利用するデメリット
      • 金利が比較的高い
      • 手数料や諸費用がかかる
      • 売却価格が未確定である
    • つなぎ融資がおすすめのケース
      • 売却する不動産が、客観的に見て売れやすい物件の場合
      • 売却する不動産に設定されている抵当権を抹消したい場合
      • 購入希望の物件の条件が多い場合
    • つなぎ融資をおすすめしないケース
      • 売却する不動産が客観的に見て売れにくい物件の場合
      • 身内からの貸与が期待できる場合
  • 不動産の売却におけるつなぎ融資の流れや費用
    • 不動産会社に査定を依頼・不動産会社と媒介契約を結ぶ
    • 融資申込み
    • つなぎ融資契約を結ぶ
    • 新居が決定する
    • 旧居の売却・つなぎ融資の返済
    • つなぎ融資にかかる費用
      • 事務手数料
      • 印紙代
  • 住み替え時につなぎ融資を利用する際の注意点
    • 買い先行か売り先行かを決めておく
    • 売却に時間がかかるなら融資期間を長めに借りておく
    • 不動産会社は慎重に選ぶ
      • 住み替えの取引実績が豊富
      • 高く売却するためのサポートがある
      • 担当者の熱意がある

つなぎ融資のメリットや利用したほうがいいケース

最初につなぎ融資の特徴や不動産担保ローンとの違い、メリット・デメリットなどを解説します。

つなぎ融資とは

つなぎ融資とは「住まいを買い替えたいが、購入物件の代金の支払い日に売却代金の入金が間に合わない」などの一時的な資金不足をカバーするために資金を立て替えてもらう制度のことです。売却が完了して代金が手元に入るまでの一時的な融資であるため、融資期間は1カ月〜1年ほどです。月々の返済は利息のみで、売却で得た代金で借りた金額を一括精算するのが一般的です。

つなぎ融資は、次のようなケースでよく利用されています。

  • 売却前の新居購入
  • 相続税の支払い
  • リフォーム費用の捻出

売却前の新居購入

買い替えの理想は、売却と同時期に売却代金の範囲で新居を購入することです。しかし、現実にはタイミングよくことが運ぶことは少なく、売却する前に理想的な物件が売り出されることがよくあります。こうしたとき、つなぎ融資を利用すれば売却前で手元の資金が少ない状態でも購入可能です。このように売却より先に新居の購入をすることを「買い先行」といいます。

相続税の支払い

相続によって不動産を取得すると相続税が発生しますが、手元に十分な資金がない場合は相続税を納めることが困難です。しかし、納期限を過ぎてしまうと延滞税がどんどん加算されていってしまいます。税務署に申告することで分割払いも可能ですが、年払いのみの対応です。

期限までの支払いが難しい場合は、つなぎ融資を利用することで不動産の売却完了前でも納税することができます。

リフォーム費用の捻出

不動産を売却する前にリフォームをしたほうが買い手の印象がよくなります。リフォームすることで高値での売却につながりそうなら「手元資金がないから無理」とあきらめず、つなぎ融資の利用を検討しましょう。

不動産担保ローンとの違い

つなぎ融資と不動産担保ローンの違いについても解説します。不動産担保ローンとは、所有する不動産を担保にして様々な用途に利用できるローンのことです。つなぎ融資と大きく異なるのは、不動産の売却の有無です。つなぎ融資の場合は、融資された資金で新居を購入後、不動産を売却して得た金額で融資を一括返済します。そのため、不動産を手放すことが大前提になります。

それに対して、不動産担保ローンでは住まいはお金を借りるための保証という位置づけになります。したがって、ローンを完済すれば不動産を手放す必要はありません。しかし、不動産担保ローンは20年、30年といった長期間の融資を想定した商品です。そのため、繰上げ返済をした場合は「解約手数料」を支払う必要があります。契約期間より早く返済すると金融機関が受け取る予定の利息が減少するためです。

自宅の買い替えのように短期間での利用を想定している場合は、早々に繰上げ返済をすると解約手数料の金額が高額になる恐れがあります。したがって、住み替えの場合は不動産担保ローンよりもつなぎ融資のほうが適しています。

つなぎ融資を利用するメリット

つなぎ融資を利用するメリットは次の3点です。

  • 買い先行が可能
  • 融資までのスピードが早い
  • 仮住まいのコストがかからない

買い先行が可能

不動産の売却が完了するまでには数カ月かかることが一般的です。そのため、売却した後で新居を購入する場合(「売り先行」といいます)、気に入った物件がすでに売れてしまっているかもしれません。

また、早く引越したいあまりに相場より安値で売ってしまう恐れもあります。つなぎ融資を利用して買い先行で進めることで、好条件の物件を逃さず購入できます。売却を焦らずにすむため適正価格で売れる可能性が高いといえるでしょう。

融資までのスピードが早い

つなぎ融資は短期の融資であることから、通常のローンと比べて審査が迅速です。数日から1週間程度で融資が実行されるため、購入のタイミングを逃しにくいといえます。

仮住まいのコストがかからない

つなぎ融資を使って買い先行で進めることで、引越しの回数を減らすことができます。売り先行で住み替えをする場合、新居が見つかるまでは仮住まいが必要です。また、旧居から仮住まいへの引越し・仮住まいから新居への引越しと、2度の引越しの手間が生じます。買い先行なら仮住まいなしで引越すことができるため、かかる手間や費用が1回ですみます。

つなぎ融資を利用するデメリット

デメリットは次の3点です。

  • 金利が比較的高い
  • 手数料や諸費用がかかる
  • 売却価格が未確定である

金利が比較的高い

金利は住宅ローンよりも高く設定されています。金融機関によって条件が異なるので、事前に比較しましょう。

手数料や諸費用がかかる

つなぎ融資の利用には、利息や事務手数料、契約書の印紙代、登記費用がかかります。
金利は比較的高いこともあり、借入期間が長いと負担に感じるでしょう。利息を減らすためには借入期間を短くすることが効果的ですが、期間内に売却できずに返済ができないと遅延損害金が発生してしまいます。不動産会社と相談し、現実的に無理のない範囲で売却の見込み期間を立てましょう。

売却価格が未確定である

つなぎ融資は「これぐらいの金額で売れるだろう」という見込みをもとに融資金額を設定します。楽観的すぎる金額で融資を受けると、実際の売却金額が思ったより低くなって返済に困るかもしれません。その場合、元金を返済するために自己資金を使わざるを得なくなります。このような事態を避けるためには、売却価格は悲観的に見積もって査定価格の7割〜8割にしておくとよいでしょう。不動産会社の買取保証の提案があれば、その買取保証金額にしておくといっそう安心です。

(買取保証とは・・・査定価格で通常売却をスタートして、一定の期間内に売却できなかったときには不動産会社が買取る制度です。相場価格での売却に比べて価格は低くなりますが、最後は確実に現金化できます)。

つなぎ融資がおすすめのケース

不動産売却でつなぎ融資をおすすめするケースは次の3つです。

  • 売却する不動産が、客観的に見て売れやすい物件の場合
  • 売却する不動産に設定されている抵当権を抹消したい場合
  • 購入希望の物件の条件が多い場合

売却する不動産が、客観的に見て売れやすい物件の場合

売れやすい物件とは、駅が近い・築浅である・施工会社のブランド力があるなど、中古市場で人気の高い要素を持っている物件のことです。売れやすい物件ならスムーズに現金化しやすいため、融資を返済できない事態にはならないでしょう。

売却する不動産に設定されている抵当権を抹消したい場合

不動産の住宅ローンが残っている間は、金融機関の抵当権が設定されているため売却ができない状態です。この場合、住宅ローンを繰り上げ返済することで抵当権を抹消することができます。繰上げ返済する資金が足りない場合は、つなぎ融資を利用して住宅ローンを精算できます。

購入希望の物件の条件が多い場合

駅からの距離・間取り・校区など、購入したい物件の条件が多ければ多いほどぴったりの物件に出会える確率は低くなります。また、購入時期は子どもの進学・入学時期も考慮する必要があります。タイミングよく好条件の物件が見つかったときは、つなぎ融資を利用して購入したほうがよいでしょう。

つなぎ融資をおすすめしないケース

反対に、つなぎ融資をおすすめしないケースは次の2つです。

  • 売却する不動産が客観的に見て売れにくい物件の場合
  • 身内からの貸与が期待できる場合

売却する不動産が客観的に見て売れにくい物件の場合

売れにくい物件とは、駅から遠い・築年数が経っている・間取りが特殊であるなど、中古市場で需要が少ない物件のことを指します。この場合は売却に時間がかかることが予想されるため、売り先行で住み替えるほうが安全です。

身内からの貸与が期待できる場合

親や親戚に協力してもらえれば、つなぎ融資を利用せずに済みます。利息や諸費用のコストを節約できるため、可能ならお願いしてみましょう。返すアテのない借金ではなく、住まいの売却代金で返済することを丁寧に説明すれば理解を得やすいでしょう。

不動産の売却におけるつなぎ融資の流れや費用

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つなぎ融資を利用するときの流れは次の通りです。

  1. 不動産会社に査定を依頼・不動産会社と媒介契約を結ぶ
  2. 融資申込み
  3. つなぎ融資契約を結ぶ
  4. 新居が決定する
  5. 旧居の売却・つなぎ融資の返済

不動産会社に査定を依頼・不動産会社と媒介契約を結ぶ

複数の不動産会社に物件査定を依頼し、物件の相場を確認します。売却をまかせる不動産会社を決定し、媒介契約を結びます。

融資申込み

不動産会社と相談して融資金額と融資期間を決めたら、金融機関に必要書類を提出して審査を受けます。

つなぎ融資契約を結ぶ

審査に通過し、融資が決定します。つなぎ融資の契約・実行が行われます。

新居が決定する

新居が見つかり、つなぎ融資をもとに契約・決済をします。引渡しがなされ、新居に引越します。

旧居の売却・つなぎ融資の返済

旧居の売却が完了します。入金された代金でつなぎ融資を一括返済します。

つなぎ融資にかかる費用

つなぎ融資にかかる代表的な費用は次の通りです。

  • 事務手数料
  • 印紙代

事務手数料

多くの場合、融資金額の〇%の定率で計算されます。例えば融資金額が2,000万円で事務手数料が1.10%なら、事務手数料は22万円です。

金融機関 事務手数料(税込)
セゾンファンデックス 融資金額の1.65%以内
三井住友トラスト・ローンアンドファイナンス 融資金額の1.10%
SBIエステートファイナンス 融資金額の1.10~3.30%

印紙代

印紙代は融資金額によって異なります。例えば、融資金額が2,000万円の場合は2万円です。

住み替え時につなぎ融資を利用する際の注意点

住み替え時につなぎ融資を利用する際の注意点を解説します。

買い先行か売り先行かを決めておく

まずは、購入を先に進めるか売却を優先するかの方針を決めましょう。買い先行の場合はつなぎ融資が必要になることが多いですが、売り先行の場合は融資を受けなくても自己資金でまかなえる人もいます。

買い先行・売り先行ともにメリットとデメリットがあります。買い先行の場合は気に入った物件を購入しやすい半面、旧居が「いつ売れるのか・いくらで売れるのか」が確定していないため、当初の資金計画が変わる可能性があります。

売り先行の場合は資金計画をしっかり立てられる半面、引越しが遅れたり仮住まいの必要が生じたりします。どちらが向いているのか自分の状況に合わせて判断しましょう。

売却に時間がかかるなら融資期間を長めに借りておく

売却に時間がかかりそうなら、融資期間を長めに借りておくほうが安心です。長く借りれば、当然ですが利息の負担は増えます。しかし融資期間を短くして売却が間に合わなかった場合、高額な遅延損害金が発生してしまいます。

また、融資期間に余裕がないことで売り急いでしまい、納得いく価格で売却できないかもしれません。長すぎず短すぎない現実的な融資期間が、もっともコストパフォーマンスが高いといえます。

不動産会社は慎重に選ぶ

つなぎ融資を活用して売却をスムーズに進めるためには、不動産会社選びが重要です。不動産会社を選ぶときのポイントは次の3つです。

  • 住み替えの取引実績が豊富
  • 高く売却するためのサポートがある
  • 担当者の熱意がある

住み替えの取引実績が豊富

住み替えに慣れている会社なら売却活動と新居の物件探しのどちらも依頼できるため、取引がスムーズに進みます。自分のケースでは買い先行・売り先行のどちらが適しているのかなど、納得できる説明をしてくれる会社を選びましょう。

高く売却するためのサポートがある

不動産を魅力的に見せる工夫があるかどうかも確認してください。例えば、

  • インターネット上の物件紹介が上手
  • 水まわり設備のハウスクリーニングサービスがある
  • モデルルームのように部屋をコーディネートしてくれる(買い先行の場合)

などのサポートがあると、買い手の購入意欲が高まるため高値売却につながります。

担当者の熱意がある

住み替えで重要なのは、

  • 家が適正価格で売れること
  • 次に住む家が見つかること

この2つのタイミングをなるべく近づけることです。「家が売れない、次に住む家が見つからない」という不安を他人ごとと思わず、親身になって動いてくれる担当者がいる会社に依頼しましょう。つなぎ融資は住み替えをスムーズに進めるために便利な手段ですが、利用には注意点もあります。信頼できる不動産会社を選び、不動産売却を成功させましょう。

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