不動産売却のノウハウ
買取での家の売却は、手間や時間がかからない点などメリットが多いです。家を買取で売却するメリットや仲介との違い、買取に出す際の注意点などを解説します。
不動産お役立ちコラム 不動産売却2025年7月22日
家を買取で売却するメリットとしては、主に下記の7つが挙げられます。
家の買取を不動産会社が行うため、すぐに売却できます。仲介の場合は買主が見つかり、売買契約に至るまで早くとも数カ月かかります。買取の場合は不動産会社が提示する価格で買い取ってもらうため、早ければ数日で売却できることもあるでしょう。
また買主が不動産のプロなのでトラブルが起こりにくいです。もちろん仲介手数料は不要です。
査定する時点で買取会社が家の中を確認するため、内覧対応も必要ありません。チラシを近隣に配ったりインターネットで物件情報を掲載したりする必要もないため、誰にも知らせずに売却できるメリットもあります。
売却する物件について、引き渡し後に欠陥等が見つかっても修繕の必要はありません。加えて、更地にしなくても、家電や家具などの残置物があっても買い取ってもらえる可能性もあります。
反対に、家を買取で売却するデメリットとしては、主に下記の4つが挙げられます。
家の買取で売却するデメリットは、仲介よりも売却価格が安くなる点です。相場としては、仲介で売却する場合の8割程度といわれています。
不動産会社は買取価格に利益分を上乗せして市場価格で売却するため、仲介より安くなりやすいです。また買取は不動産会社の提示した価格によって売却されるため、売り主が価格を決めることができず、納得感が得られにくい点もデメリットです。
そして、不動産会社は転売によって売れそうな物件を買い取る傾向があるため、物件によっては買い取ってもらえない可能性も考えられるでしょう。
不動産買取が仲介よりも安くなる理由として、不動産会社は、買い取った物件をリノベーションして相場価格で再販するため、買い取る金額はリノベーション費用や不動産会社の利益分を差し引いた金額で査定されます。
そのため、仲介による売却価格の8割程度の買取価格になるのが一般的です。築年数が古かったり、修繕箇所が多かったりすると、リフォームやリノベーション費用がよりかかるため、買取査定時の提示額がより安くなる可能性があります。
買取と仲介の違いは、買取が不動産会社に直接買い取ってもらうのに対し、仲介は不動産会社が物件の仲介を行い、売り主と一般の買主との売買契約となる点です。
買取と仲介の流れについては、下記の表のとおりです。
買取 | 仲介 |
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買取の場合、不動産会社に査定を依頼すると物件調査が行われます。不動産会社が買取価格を提示し、承諾すると物件の引き渡しが行われます。早く物件を売りたい場合や売却に手間をかけたくない場合におすすめです。
仲介の場合、不動産会社への査定依頼から物件調査までは買取と同様の流れで進み、不動産会社と媒介契約(仲介の契約)を締結します。その後買主の募集、内覧対応、買付申込の対応、価格交渉を経て買主と売買契約を締結後、物件の引き渡しとなります。
相場と同じかそれ以上の価格で売却したい場合や、時間的な余裕がある場合などにおすすめです。
買取と仲介どちらにするか悩んでいる人には、買取保証という選択肢もあります。買取保証とは、期間を決めて物件の仲介を行い、期間中に買主が現れない場合は不動産会社が買取る売却方法です。
買取と仲介の両方を兼ね備えた売却方法ですから、まずは仲介にて売却活動を行えます。そして、ある程度の期間を経過しても物件が売れない場合は、不動産会社に買い取ってもらえるため売れ残りの心配もないでしょう。
家を買取に出す場合には、下記のような注意点があります。
それぞれの注意点について、詳しくみていきましょう。
家を買取に出す場合は1社だけでなく、複数社に査定依頼を行いましょう。不動産会社によって査定でみるポイントは異なるため、査定価格もばらつきがあります。
1社だけでは実際の不動産相場を知ることができないため、相場よりも安い価格で買い取られる可能性があります。最低3社以上に査定依頼を行い、売却希望の物件の相場から適切な買取価格を提示している不動産会社を選択しましょう。
買取には即時買取と買取保証の2種類があります。価格にこだわらず早く物件を売りたい場合は、不動産会社にすぐ買い取ってもらう即時買取がおすすめです。
仲介による高額な売却を狙いつつも、確実に売却したい場合は買取保証を選ぶとよいでしょう。売り主の考え方によって、即時買取と買取保証を使い分けるとよいでしょう。
家を買取に出す場合、物件の住宅ローンを完済する必要があります。住宅ローンを契約したときに抵当権を設定しますが、物件を売却する際は抵当権の抹消手続きが必要です。
抵当権の抹消は住宅ローンを完済しなければできないため、住宅ローンの完済が必須となります。
不動産会社の買取価格が住宅ローンの残債よりも少ない場合は、自己資金により不足分を充当しなければなりません。不動産会社へ買取依頼する前に住宅ローンの残債を確認しておきましょう。
家を買取に出す場合は仲介手数料はかかりませんが、他の費用や税金がかかる可能性があります。買取の場合に発生する費用や税金として、買取価格によっては発生し得る譲渡所得税、住宅ローンが残っている場合は繰上返済手数料や抵当権抹消費用などがかかります。
仲介手数料がかからないとはいえ、これらの費用によって買取も仲介も同程度の費用がかかるでしょう。
家の買取を依頼する不動産会社の選び方としては、下記のような不動産会社を選ぶとよいでしょう。
それぞれの不動産会社について、詳しく紹介しましょう。
マンションあるいは戸建てが得意など、買取を行う不動産会社にも得意分野があります。
得意ではない物件は適正に価値を査定できなかったり、リフォームの費用がかかり過ぎたりするなど、買取査定額に影響が出る場合があります。
買取が得意な物件はどれかなどは、会社の公式サイトなどから確認できます。訳あり物件のような条件が特殊な場合は、取り扱えるかを確認しましょう。
訪問査定後に不動産会社が提示した査定額が、不動産の買取価格となります。
リフォーム費用などを踏まえて査定額を決めるため、会社ごとにばらつきが出ます。納得のいく会社にめぐり合うために、買取査定額を数社で比較したほうがよいです。
ただしあまりにも高過ぎる査定額を提示する会社は悪徳かもしれません。査定額の根拠をきちんと説明してくれる不動産会社を選びましょう。
売り主を思いやる対応ができる不動産会社も、家を買取に出す場合にはおすすめです。有利な条件で契約したい会社は、冷静な判断をさせないように買取を強引に進めてきたり、アポイントもなく現れたりして信用できません。
売り主の立場に立って理解できるように何度も説明したり、ゆっくり考える時間を与えてくれたりする不動産会社であれば安心して取引できるでしょう。
税理士などの専門家と提携する不動産会社なら安心して買取してもらえます。買取にあたっては税金が発生する可能性もあり、税理士などの専門家に相談しやすい環境であれば不安なく取引できるでしょう。