不動産売却のノウハウ
マンション売却の期間は準備に1〜2カ月、売却活動から引き渡しまでを4カ月として、トータルで5〜6カ月かかります。
マンション売却での引き渡しまでの期間や、売却期間を短くする方法を詳しくお伝えします。
不動産お役立ちコラム 不動産売却2025年7月22日
流れ | 内容 | 期間 |
---|---|---|
1.物件の査定 | 物件がどのくらいの価値があるか査定してもらう。 | 約0.5カ月 |
2.媒介契約締結 | 物件の売却を仲介してくれる不動産会社と媒介契約を行う。 | |
3.売却活動 | 物件売却のために売り出しや買取希望者の対応を行う。 | 約3カ月 |
4.売買契約締結 | 買主と売買契約を行う。売却金額を受け取る。 | |
5.物件引き渡し | 買主に対象物件を引き渡す | 約1カ月 |
マンションの売却にあたり、引き渡しまでの期間と流れについては、上記の表の通りです。
準備期間は早くて約0.5カ月となりますが、片付けなど時間を要する場合、1〜2カ月を見込んだほうがよいです。
売却準備に1〜2カ月、売却活動から引き渡しまでを4カ月として、トータルで5〜6カ月の期間を見込んでおきましょう。
東日本不動産流通機構(レインズ)が発表した首都圏不動産流通市場の動向によると、2024年ではレインズ登録から売却成約に至るまでの平均日数は中古マンションで85.3日、中古戸建住宅で97.3日、新築戸建住宅で103.9日、土地で89.4日です。
過去5年の平均で比較すると中古マンションは79. 3日、中古戸建住宅は94. 8日、新築戸建住宅は86. 6日です。
過去5年の推移から見ていくと、2020年の新型コロナ流行時期は長期化していたものの2021年から2022年にかけては成約までの日数が短くなっていました。しかし、2023年から再び成約に至るまでの日数が長期化しています。
中古のマンションを売却するためには、マンションの引き渡し希望時期の3〜4カ月前から売却活動を始めたほうがよいでしょう。売却活動を開始してから買主との売買契約締結に至るまで、上記の通り平均して3カ月ほどかかります。
その後マンションの引き渡しに至るまでは、1カ月ほど時間を要するでしょう。
また、中古マンションは売れやすい時期と売れにくい時期があります。売れやすい時期としては、不動産相場が上昇しているタイミングや築年数が比較的浅い時期、周辺環境が変化したタイミングなどが挙げられます。
不動産相場は国内の金利政策などで変動します。日銀が2024年3月にマイナス金利政策の解除と利上げを発表し、住宅ローン利率のわずかな上昇が見られました。
ローンが低金利なら住宅を購入するハードルが下がり住宅需要が高くなりますが、金利が大幅に上昇した場合は、住宅市場が冷え込むかもしれません。住宅ローン金利が低いうちでの売却がおすすめです。
また、築年数が比較的浅いマンションは建物本体や設備の劣化がそれほど見られないため、当面は修繕が不要とされて売れやすいです。加えて不動産の売却に関しては、所有期間に応じて譲渡所得の税率が異なります。
譲渡した年の1月1日における所有期間 | 譲渡所得税率 | |
---|---|---|
長期譲渡所得 | 5年超 | 15% |
短期譲渡所得 | 5年以下 | 30% |
長期譲渡所得と短期譲渡所得の所有期間と譲渡所得税率は上記の通りです。よって、支払う税金を抑えたい場合は所有期間を5年超えてから売却するとよいでしょう。
そして、マンションに新たな駅が開業したり、商業施設が建設されたりといった利便性が向上し、周辺環境が変化したタイミングも売れやすい時期です。
売り時に関して、迷ったら不動産会社へ相談するのがおすすめです。売れやすい時期を把握しているので売り時を逃さずに売却できます。
中古のマンションをすぐに売却するためには、どのような方法があるのでしょうか。ここでは、すぐ売れるマンションの特徴や売れやすくする方法について詳しく見ていきましょう。
すぐ売れるマンションの特徴として、築年数が比較的浅いことが挙げられます。
首都圏での2024年の成約している中古マンション平均築年数は24. 53年であり、30年を超えると売却しにくくなるため、築年数が浅いうちに売却することがおすすめです。
また、マンションが好立地なエリアにあることもすぐに売れやすい特徴の1つです。
マンション購入の優先ポイントとして利便性が挙げられ、駅から徒歩圏内であったり、スーパーや病院が近隣にあったりなど住みやすいエリアであれば中古マンションであっても売却しやすいでしょう。
中古マンションを売れやすくするためには仲介会社を変える、売り出し価格を見直す、部屋をきれいにするなどの方法があります。
なかなか売却できない場合は、仲介会社を変えることで今までと異なる方針で売り出せる可能性があります。ただし専任媒介契約や専属専任媒介契約を行っている場合は、3カ月の契約が終了してから、ほかの会社に仲介を依頼しましょう。
また、売り出し価格が高額で売れない可能性があるとすれば売り出し価格を見直すこともよいでしょう。ほかにも、部屋をリフォームしたりクリーニングしたりすることでも売れやすくなります。
マンション売却の方針を検討する上で、高く売りたいか早く売却したいかのどちらを優先するかが重要です。
早く売る方針にした場合、集客できない場合に時間の経過に応じてどの程度価格を下げていくのかを設定します。
クリーニングを行ったり、部屋を空室にしたりして広く見えるようするなど、集客しやすくなる事前準備を行うのもよいでしょう。
中古マンションを売却する方法として、仲介のほかにも不動産会社に買取してもらう方法もあります。買取とは不動産会社がマンションを購入し、再販して買主を見つける方法です。
買取の場合はマンションの引き渡し時期を自由に選べるため、売却に期限がある場合やタイトなスケジュールで売りたい場合に向いています。買取の流れとしては物件の査定や現地調査から売買金額の提示を受け、合意したら売買契約を締結したのち、マンションの引き渡しを行います。
成約まで数カ月かかる仲介と比べ、買取は早ければ数日で売却が可能です。ただし、仲介よりも売買価格が安くなる点に注意しましょう。
マンションが売れない場合はどのような状態になるのでしょうか。リスクやあらかじめできる対策方法について詳しく見ていきましょう。
すぐ売れるマンションの特徴として、築年数が比較的浅いことが挙げられます。
マンションが売れない場合は築年数が経過し、市場価値が低下していきます。売却活動を始めた際に設定した希望売却価格では買主が現れない場合は売却価格を引き下げていく必要があります。場合によっては周辺の不動産相場よりも安くなる可能性が高いでしょう。
また、住宅ローンが残っている場合は、残債よりも売却価格が下回るケースも見られます。
売却活動を行う前に、できる対策を施すことが重要です。
マンションを売却するために事前にできる対策として、売却活動前にマンションの価値を上げるため、リフォームやハウスクリーニングを行うとよいでしょう。売却前にリフォームを行うことで、機能性や設備が築年数の割によく見られるメリットがあります。
自身で清掃するよりも専門家にハウスクリーニングを依頼することで部屋の見栄えがよくなり、内見に訪れた人にも好印象を与えられます。
買取保証付きを選択できる不動産会社に売却を依頼すれば、買主が現れない場合に不動産会社が買い取る保証が付いているため、売れるか不安にならずに売却活動が行えます。このように、事前にできる対策を講じることで、マンションが売れやすくなります。