不動産売却のノウハウ

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不動産売却での鍵の取り扱い。
預けたほうがいいケースや注意点を解説

不動産売却では、鍵を必ず預けなければならない決まりはありません。状況によって不動産会社に鍵を預けたほうがいいケースもあります。

  • 不動産売却で鍵を預けたほうがいいケース/預けないほうがいいケース
  • 鍵を紛失したまま売る場合の対処法

など、不動産売却における「鍵の正しい取り扱い」について、わかりやすく解説します。

不動産お役立ちコラム 不動産売却

2025年12月3日

目次

不動産売却で鍵は預けたほうがいいのか

結論から言うと、物件が空き家かつ家具・大事な荷物などを撤去済みの場合は、鍵は不動産会社に預けるのがおすすめです。

内見希望者が現れたときに即時案内することが可能になり、売却のチャンスを逃しにくくなるからです。

内見のたびに時間を調整して鍵を受け渡す手間を省けるのもメリットです。(居住中の場合は、安全上の観点から鍵を預けることはありません)。

ここからは、鍵を預けたほうがいいケースと預けないほうがいいケース、さらにそれぞれの場合の注意点について解説していきます。

不動産会社に鍵を預けたほうがいいケース

不動産会社に鍵を預けたほうがよいのは、以下の3つのケースです。

  1. 空き家の売却で、内見対応をスムーズにしたい場合
    家具や荷物を撤去済みの空き家であれば、不動産会社に鍵を預けることで売主自身の立ち会いが不要になり、スピーディーな現地案内が可能になります。
  2. 遠方に住んでいて、自身の対応が難しい場合
    物件と離れた地域に住んでいる場合、内見のたびに現地へ足を運ぶのは現実的ではありません。鍵を預けることで、売主自身の負担を減らしながらタイミングを逃さずに案内が可能です。
  3. 専属専任・専任媒介契約で1社に任せている場合
    売却を1社に任せている場合は、鍵を預けることでその会社が迅速に内見や問い合わせに対応できるようになります。鍵の取り扱いや管理方法については、事前に確認しておくとより安心です。

預けないほうがいいケース

以下のようなケースでは、鍵を預けずに自身で管理しましょう。

  1. 居住はしていないが、貴重品や家具が残っている場合
    室内に貴重品や家具・骨董品などが残っている場合は、トラブルを防ぐためにも鍵は預けず、売主自身が内見に立ち会うのが安心です。
  2. 複数の不動産会社に売却を依頼している場合(一般媒介契約)
    複数社に売却を依頼している場合、特定の1社に鍵を預けてしまうと他社が現地案内しづらいリスクが生じます。
    この場合は、売主自身が鍵を管理し、必要に応じて各社に対応する形がベストです。
  3. 鍵を預けることに不安や抵抗がある場合
    不動産売却では、鍵を必ず預けなければならないという決まりはないため、不安がある場合は無理してまで預ける必要はありません。

鍵を預けない場合

  • 売主自身が内見に立ち会う
  • 内見のたびに不動産会社が売主のもとへ鍵を借りに行く
  • 内見予定の時間前に、自身が鍵を開けに行く(内見終了後は自身で施錠する)

といった対応で販売活動を進めます。

不動産会社に鍵を預ける場合の注意点

不動産会社に鍵を預ける際の注意点は、以下の2点です。

  1. 鍵の保管方法を確認しておく
  2. 鍵の預かり証を発行してもらう

鍵の保管方法を確認しておく

預けた鍵がどこで・どのように管理されるのかを事前に確認しておきましょう。

多くの不動産会社では、預かった鍵は社内で施錠保管されており、他社が案内する際には営業担当者が「借用証」に記名して鍵を借りる形が一般的です。

ただし、物件と不動産会社との距離が離れている場合には、現地のキーボックスなど別の方法で保管されるケースもあるため、具体的な保管方法を確認しましょう。

鍵の預かり証を発行してもらう

鍵を預けた証明として必ず「預かり証」を発行してもらい、トラブル時の責任の所在をはっきりさせておきましょう。

預けない場合の注意点

鍵を不動産会社に預けずに売主自身で管理する場合、以下の点に注意が必要です。

  1. 内見時に鍵の受け渡しの手間と時間が発生する

内見時に鍵の受け渡しの手間と時間が発生する

自身で鍵を管理すると、内見のたびに不動産会社と鍵の受け渡しをする必要があり、対応に手間と時間がかかります。急な内見依頼に応じにくいこともデメリットです。

相続した家や空き家の売却時に、鍵を紛失している場合はどうすればいいのか

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相続した物件や長期間放置していた空き家では、鍵を紛失してしまっているケースも少なくありません。

ここでは、鍵を紛失したまま売却する方法や、オートロック付き物件での注意点について解説します。

紛失したまま売る

鍵が足りない状態でも、買主の同意が得られれば、そのまま売却することは可能です。

実際には、引き渡し後に買主自身で鍵を交換するケースも多く、必ずしも「鍵が足りない=重大な問題」になるとは限らないためです。

ただし、売主には鍵を紛失していることを正直に伝える義務があります。

万が一、その事実を隠したまま契約してしまうと、「債務不履行(不完全履行)」や「契約不適合責任」を問われるリスクがあるため、十分な注意が必要です。

鍵が不足していることを伝える際は、口頭だけでなく書面にも明記してください。

以下のような書類に、鍵の状況をはっきり記載しておきましょう。

  • 不動産売買契約書の特約条項
  • 物件状況等報告書

たとえば、「鍵はもともと5本あったが、1本を紛失したため、4本のみ引き渡す」などのように、本来の本数・紛失本数・引き渡す本数を明確に記載しておくと、認識の食い違いによるトラブルの防止になります。

また、買主が同意してくれた場合でも、契約後のトラブルにつながることのないよう、丁寧な説明と誠実な対応を心がけましょう。

心配な場合は、不動産会社に相談するのがおすすめです。

売主側で対応する場合は鍵の交換分を値下げがおすすめ

鍵が不足していることについて買主の同意が得られない場合は、売主側で対応する必要があります。

ただし、このときに売主自身が鍵を交換するのはおすすめできません。

なぜなら、買主側から見ると「鍵は何本作られたのか」「本当にすべての鍵が渡されたのか」がわからず、引き渡し後も売主が合鍵を持っているのではないかと不安になるからです。

万が一、引き渡し後に空き巣や不法侵入などのトラブルが起きた場合、売主が疑われてしまう恐れもあります。

このようなトラブルを防ぐには、売主が鍵を交換するのではなく、鍵交換にかかる費用を負担する(売却価格から値引きする)方法がおすすめです。

買主が自ら選んだ会社に鍵交換を依頼できるため、防犯面でも安心感があり、納得した状態で取引を進められます。

鍵交換にかかる費用の目安は以下の通りです(別途、作業費が11,000円前後かかります)。

鍵の種類 費用の目安
シリンダー錠
(鍵にギザギザの山がある形状)
5,500円~11,000円
ロータリーディスクシリンダー錠
(シリンダー錠の改良品)
11,000円~22,000円
ディンプルキー
(鍵の表面にくぼみがある形状)
16,500円~27,500円

オートロックキーを紛失した場合は管理会社に連絡をとる

オートロックキーを紛失した場合は、必ず管理組合や管理会社に連絡しましょう。

なぜなら、紛失を放置すると第三者による侵入リスクが高まり、他の居住者の安全にも影響を及ぼす可能性があるからです。

特に、玄関の鍵とエントランスの鍵が一体となっている「逆マスターキー」の場合、他の住戸の鍵もすべて交換しなければならないこともあるため、早めに管理組合に相談し、対応方法・必要な費用・スケジュールなどを確認しましょう。

買主に鍵を渡すタイミングはいつか

買主に鍵を渡すタイミングは「物件の引き渡し日」です。

この日は、売主が買主から売買代金の残代金や固定資産税などの清算金を受け取り、同時に所有権移転の登記手続きを行い、物件の鍵を引き渡すのが一般的な流れです。

鍵の引き渡し時には、スペアキーも含めて所有しているすべての鍵を買主に渡す必要があります。

該当する鍵には、次のようなものも含まれます。

  • ゴミ置き場の鍵
  • 機械式駐車場の鍵
  • 宅配ボックスや集合ポストの暗証番号

また、物件に関する取扱説明書や設備マニュアルなどの書類も引継ぎが必要です。

物件に関する取扱説明書の中に集合ポストや宅配ボックスの暗証番号が記載されている場合は、事前に「〇ページ目に記載」と伝えておけば、より安心してもらえるでしょう。

不動産売却における鍵の取り扱いは、防犯面や売主・買主の信頼関係にも大きく影響します。

大切な資産を安心して売却するためにも、鍵の取り扱いについて細かい部分まで丁寧に対応してくれる不動産会社を選びましょう。

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