不動産売却のノウハウ

マンションの売却を考えたとき、多くの方が最初に気になるのが売却価格ではないでしょうか。高く売れた事例を見ると思わず期待してしまいますが、マンションの価格は一律ではなく、築年数や立地などによって大きく変わります。
まずは価格が決まる要素を知り、自分のマンションがどのくらいの価値を持つのか、冷静に整理していくことが大切です。
不動産売却 基礎知識2026年4月27日
不動産は物件ごとに条件が異なるため明確な相場はありません。ただし、マンションは一戸建てに比べると同じような間取りが多いため、売却価格を把握しやすいでしょう。
マンションの売却価格を決める要因は以下の5つです。
それぞれの要因について詳しく見ていきましょう。
マンションの価格に大きく影響する可能性があるのが築年数です。
不動産は時間の経過とともに劣化していき、建物の見た目が悪くなるだけでなく、内装や設備の傷みも目立ってきます。築古物件はメンテナンス費用がかかるため、売却価格が低くなりやすいのです。
レインズという国から指定を受けた公益法人が公表している、首都圏の中古マンション売却価格をまとめたデータを見ると、築年数が価格に影響していることがわかります。
| 築年数 | 価格 | 減少率※ |
|---|---|---|
| 築0~5年 | 7,808万円 | 100.0% |
| 築5~10年 | 7,156万円 | 91.6% |
| 築11~15年 | 6,619万円 | 84.8% |
| 築16~20年 | 5,972万円 | 76.5% |
| 築21~25年 | 5,320万円 | 68.1% |
| 築26~30年 | 3,835万円 | 49.1% |
| 築31~35年 | 2,455万円 | 31.4% |
| 築36~40年 | 2,742万円 | 35.1% |
| 築41~ | 2,351万円 | 30.1% |
※築0~5年を100%とした場合の減少率
出典:公益財団法人 東日本不動産流通機構-築年数から見た 首都圏の不動産流通市場(2024年)
上の表では、築26年を超えるとマンションの価格は大きく下がることが分かります。
できるだけ高値で売却したい方は、築年数に応じて売却時期を検討するとよいでしょう。
築年数と並んで、マンションの価格に大きく影響するのが立地条件です。
周辺環境が良く、駅からのアクセスが便利なマンションは、高値がつきやすくなります。
ただし、どんな場所を「良い立地」と感じるかは、買主によって異なるため注意が必要です。
たとえば、一人暮らしの会社員であれば、駅からのアクセスが良く深夜まで営業しているスーパーやコンビニが近くにある場所が好まれるでしょう。一方、ファミリー層は学校や公園が近くにある環境を求めるケースが多い傾向です。
このように、立地の良し悪しは買主のライフスタイルによって変わります。自分のマンションがどんな層に向いているのか考えることが売却成功のカギです。
建物の状態はマンションの売却価格に大きく関わる要因です。
同じ築年数の物件でも、日頃の管理状況によって劣化の度合いに差が出ます。たとえば、メンテナンスがしっかり行われているマンションは、建物の状態が比較的良好なため、高く売却できる可能性が高まります。
一方、管理が行き届いていないマンションは、外壁の劣化や設備の不具合が発生し、相場よりも低い価格になるケースも少なくありません。
購入希望者は、マンションの見た目や共用部分の清潔感なども確認するため、日頃の管理体制は売却価格を左右する大切なポイントといえます。
設備やセキュリティの充実度も、マンションの売却価格に影響を与える要素のひとつです。
オートロックや宅配ボックス、防犯カメラといった設備が整っている物件は、安心して暮らせるため人気が高く、売却価格を維持しやすい傾向にあります。また、床暖房や食器洗い乾燥機、浴室乾燥機などの室内設備も、快適性を高めるポイントとして評価されます。
ただし、どんな設備でも価格アップにつながるとは限りません。最新のIT設備を備えたマンションであっても、IT機器に慣れていない層にはニーズが低く、思ったほど高く売れないケースもあります。
このように、買主のニーズに合っているかどうかによって、設備の価値が左右される点には注意が必要です。
同じマンションでも、階数や方角によって売却価格が変わることがあります。特に高層マンションでは、眺望の良い高層階が好まれる傾向があり、売却価格にも反映されるでしょう。
また、日当たりの良い南向きの部屋や、片側にしか隣室がない角部屋なども人気があります。こうした物件の階数や向きの違いは、買主の評価に直結するため、売却価格を左右する重要なポイントです。

マンションを売却するにあたって、物件の価値を把握することは非常に大切です。
しかし、先ほどご紹介した通り、マンションの売却価格は築年数や立地、建物の状態などさまざまな要因によって変動します。そのため、自分で価格を算出する際のポイントをご紹介します。
不動産情報ライブラリは、国土交通省が運営している不動産情報サイトです。
省庁や自治体が提供する不動産取引データをエリアごとに確認でき、所有しているマンションと条件が近い物件の取引価格を調べることで、おおよその売却相場を把握できます。
不動産情報ライブラリに掲載されている主な情報は以下の通りです。
間取りやリフォームの有無など、詳しい情報が記載されていないケースもあるため、すべての項目が確認できるわけではありません。すべて同じ条件の物件を探すことは難しいので、あくまで価格の目安として活用しましょう。
不動産ポータルサイトでは多数の物件情報を掲載しているため、自分のマンションと同じエリア・似たような広さや間取りの物件を探すことで、どれくらいの価格で売りに出されているかを把握できます。
また、情報の更新頻度が高いため、相場の動向をリアルタイムに近い形でチェックできる点は大きなメリットです。
掲載されている価格はあくまで売主が希望する「売り出し価格」であり、実際の成約価格ではありません。売り出し価格はやや高めに設定されていることが多いため、物件の価値を高く見積もってしまわないように注意が必要です。
そのため、ポータルサイトの情報は相場の目安をつかむ参考として活用するのが一般的です。特に、現在の相場観を知りたい場合に役立つでしょう。
不動産会社に査定を依頼することは、売却価格を正確に知るために有効な手段です。費用は無料の場合がほとんどなので、売却するか迷っている段階でも気軽に情報収集ができます。
不動産会社が行う査定方法は以下の3つです。
| 査定方法 | 詳細 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 訪問査定 | 担当者が実際に物件を訪問し、現地調査をふまえて査定する方法 |
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| 机上査定 | 物件情報(住所・面積・築年数など)をもとに、データ上で価格を算出する方法 |
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| AI査定 | AIが過去のデータや周辺相場から自動的に価格を算出する方法 |
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不動産会社に査定を依頼する際は、まず机上査定やAI査定でおおまかな相場感をつかむとよいでしょう。その後、気になる不動産会社に訪問査定を依頼して担当者に話を聞くなど、複数の査定方法を組み合わせるのがおすすめです。
マンションの売却価格を自分で調べるときは、いくつか気をつけるべきポイントがあります。正しく情報を理解しないと、相場を誤って判断してしまう可能性もあるため、以下の点に注意しましょう。
不動産の相場は、景気や金利、地域の需要など市場の動向によって日々変動しています。
たとえば、数カ月前に似た条件のマンションが高く売れていたとしても、今も同じ価格で売れるとは限りません。近隣に新築マンションが建ったり、同じエリアで似た条件の中古マンションが多く売りに出されたりすると、買主の選択肢が増えるため価格競争が起こります。
また、住宅ローンの金利が上昇すると買主の借入可能な額が下がり、全体的に価格帯が低くなるおそれがあります。
このように、不動産価格は外部の経済的要因にも大きく左右されるため、調べた相場はあくまで「参考値」として考えることが大切です。
先述の通り、マンションの売却価格には、売主が希望して設定する「売り出し価格」と、実際に取引が成立した「成約価格」の2種類があります。
この2つは金額に差があることが多く、一般的に売り出し価格はやや高めに設定される傾向です。
レインズのデータによると、首都圏における築11~15年の中古マンションの平均売り出し価格は7,401万円ですが、成約価格は平均6,619万円となっており、その差は782万円となっています。
このように、売り出し価格と成約価格に開きがあることを理解したうえで、ポータルサイトの価格や不動産査定の結果を確認することが重要です。
出典:公益財団法人 東日本不動産流通機構-築年数から見た 首都圏の不動産流通市場(2024年)
マンションの売却価格を調べる際は、情報の掲載時期にも注意が必要です。
数年前の取引事例やすでに成約済みの情報は、当時の市場状況を反映しているにすぎません。また、ポータルサイトやブログなどに記載されている相場情報も、情報の更新日を確認せずに信じてしまうと、誤った判断につながるおそれがあります。
さらに、不動産情報ライブラリのような公的データも、四半期ごとの更新であるため、最新の市況を反映しているか確認が必要です。
相場感を正しくつかむためには、できるだけ直近の取引事例や、複数の情報源を照らし合わせて判断することが大切です。あわせて、信頼できる不動産会社に相談することで、現在の市場トレンドをふまえた具体的で的確なアドバイスが得られます。
マンション売却に特化している会社であれば、売却タイミングや価格設定について、より実践的な提案が期待できるでしょう。