不動産売却のノウハウ

タイトル画像

住宅ローンが払えなくなったらどうなる?今すぐ取るべき行動と対策を解説

住宅ローンの返済に不安を感じたら、一刻も早い対応がその後の結果を大きく左右します。滞納が始まってから競売までは約1年程度。その間に適切な行動を取れば、家を守る方法も、負担を軽減する選択肢も残されています。

滞納した場合の時系列での影響から、金融機関への相談、公的支援、任意売却、個人再生まで、実際に取れる対応策を具体的に解説します。

不動産お役立ちコラム 不動産売却

2026年9月25日

目次

住宅ローンが払えなくなりそうなときにまず確認すべきこと

住宅ローンの返済が苦しいと感じたとき、最初に行うべきは現状の正確な把握です。「なんとなく厳しい」という漠然とした不安のままでは、適切な対処法を選ぶことはできません。

本当に「今月から払えない」のか「近い将来危ない」のかを整理する

まず確認すべきは、支払いができなくなる時期です。今月の引き落としに間に合わないのか、それとも数カ月後に資金が不足する見込みなのか。この違いによって、取るべき行動の緊急度が大きく変わります。

すでに滞納が始まっている場合、金融機関からの督促が来る前に自ら連絡することが重要です。一方、数カ月後の支払いに不安がある段階であれば、事前に金融機関へ相談することで、より柔軟な対応を受けられる可能性が高まります。

また、収入減少が一時的なものか恒常的なものかという見極めも必要です。病気や失業による一時的な収入減であれば、公的支援制度の活用や返済猶予で乗り切れる可能性があります。しかし、事業の廃業や定年退職後の収入減など、恒常的な収入減少の場合は、抜本的な解決策を検討する必要があります。

滞納額・残債・返済期限を正確に把握する

次に、具体的な数字を整理しましょう。毎月の返済額、現在の残債総額、完済までの期間を確認してください。住宅ローンの契約書や返済予定表、金融機関のウェブやアプリを見れば、これらの情報は確認できます。

すでに滞納している場合は、滞納している金額と遅延損害金も把握が必要です。遅延損害金は一般的には年14%前後に設定されていることが多いです(契約により異なる)。たとえば10万円の返済を1カ月滞納した場合、約1,150円の遅延損害金が発生します。金額自体は大きくありませんが、滞納が長期化すれば累積していきます。

住宅ローンが払えなくなったら最初にやるべき行動

現状を把握したら、次は具体的なアクションに移る段階です。ここでの対応が、その後の選択肢を大きく左右します。

銀行・金融機関にすぐ相談する(リスケジュール)

最初に取るべき行動は、借入先の金融機関への相談です。「支払いが遅れそう」と連絡すること自体に心理的なハードルを感じるかもしれませんが、金融機関側も早期の相談を歓迎します。滞納が長期化してからの相談よりも、事前の相談の方が柔軟な対応を引き出せる可能性が高いのです。

返済期間の延長

リスケジュールの代表的な方法が返済期間の延長です。たとえば残り20年のローンを25年に延長すれば、毎月の返済額を抑えることができます。総返済額は増加しますが、月々の負担を軽減できるため、一時的な収入減少への対応として有効です。

一時的な返済額の減額・元金据え置き

収入減少が一時的なものと見込まれる場合、一定期間だけ返済額を減額したり、元金の返済を猶予して利息のみの支払いにしたりする方法もあります。病気や失業からの回復期間など、将来的に収入が戻る見込みがある場合に検討できる選択肢です。

公的支援・給付金を確認する

金融機関への相談と並行して、利用できる公的支援制度がないかも確認しましょう。

住居確保給付金の対象条件と注意点

住居確保給付金は、離職や廃業、または収入が大幅に減少した方を対象に、原則3カ月間(最長9カ月間)、家賃相当額を自治体が支給する制度です。厚生労働省が実施しており、全国の自立相談支援機関で申請できます。

対象となる主な条件は以下の通りです。

まず、主たる生計維持者が離職・廃業後2年以内であること、または個人の責任・都合によらず給与等を得る機会が離職・廃業と同程度まで減少していることが求められます。

次に、収入要件として、世帯収入合計額が市町村民税均等割が非課税となる額と家賃額の合計を超えていないことが必要です。たとえば東京都港区の場合、単身世帯で約13.8万円、2人世帯で約19.4万円が収入基準額の目安となります。

また、預貯金額が基準額の6カ月分(上限100万円)を超えていないこと、そして受給期間中は求職活動を誠実に行うことも条件となります。

ただし、注意が必要なのは、この制度は賃貸物件に住んでいる方が対象であり、持ち家で住宅ローンを組んでいる場合は利用できない点です。住宅ローンの返済に直接充てることはできませんが、賃貸に転居した後の家賃支援として活用することは可能です。

参考:厚生労働省「住居確保給付金」

自治体独自の住宅・生活支援制度

住居確保給付金以外にも、各自治体が独自に実施している支援制度が存在する場合があります。お住まいの市区町村の福祉課や生活困窮者自立相談支援機関に問い合わせることで、利用可能な支援制度を確認できます。

生活福祉資金貸付制度など、低所得世帯を対象とした公的な貸付制度もあります。これらは民間の金融機関と比べて低利であり、返済条件も柔軟な場合が多いため、選択肢の一つとして検討する価値があります。

住宅ローンを滞納するとどうなる?時系列で解説

写真

では、実際に住宅ローンを滞納してしまうと、どのような流れで事態が進行していくのでしょうか。時系列で解説します。

滞納1〜2カ月:督促状・電話連絡が届く

住宅ローンの引き落としができなかった翌日から、遅延損害金の発生が始まります。そして滞納1〜2カ月の段階では、金融機関から電話や郵便での督促が届きます。

この段階では、まだ圧着ハガキなど比較的穏やかな形での督促が中心です。ここで金融機関に連絡し、支払いの意思を示すか、リスケジュールの相談をすることで、大きな問題に発展することを避けられます。

なお、1〜2回の滞納だけであれば、その後きちんと返済を続ければ大きな問題にはならないケースがほとんどです。ただし、優遇金利が適用されている場合、その適用が解除されて金利が上昇する可能性があるため注意が必要です。

滞納3〜6カ月:期限の利益喪失・一括請求

滞納が3カ月を超えると、事態は深刻化します。一般的に3カ月以上の滞納が続くと、個人の信用情報機関に遅延が記録されます。いわゆる「ブラックリスト」への登録です。

そして滞納3〜6カ月の間に、「期限の利益喪失通知」が届きます。これは、住宅ローンを分割で返済する権利を失うという通知です。つまり、残りの住宅ローン全額を一括で返済するよう求められることになります。

保証会社による代位弁済とは

多くの住宅ローンには保証会社がついています。債務者が返済できなくなった場合、保証会社が銀行に対して残債を一括で返済します。これを「代位弁済」といいます。

代位弁済が行われると、債権者が銀行から保証会社に移ります。そして保証会社は、立て替えた金額を債務者に請求します。ここで重要なのは、個人再生の住宅ローン特則を利用する場合、代位弁済から6カ月以内でなければ利用できないという点です。つまり、代位弁済の通知が届いたら、非常に限られた時間しか残されていません。

最終的に競売が始まるまでの流れ

代位弁済後、保証会社は裁判所に競売の申し立てを行います。滞納開始から6〜10カ月程度で「競売開始決定通知」が届き、12〜16カ月程度で「期間入札の通知」が届きます。

競売が開始されると、裁判所のホームページや専用サイト(BIT)に物件情報が公開されます。住所、間取り、室内の写真なども掲載されるため、近隣住民や知人に経済的な問題を知られるリスクが高まります。

競売での落札価格は、一般的に市場価格の5〜7割程度です。2,000万円の市場価値がある物件でも、1,000万円〜1,400万円程度でしか売却できないことになります。そして、売却代金で住宅ローンが完済できなければ、残債の返済義務は残り続けます。

ブラックリストや信用情報への影響はいつから?

信用情報への影響について、より詳しく見ていきましょう。

個人信用情報に事故情報が登録されるタイミング

信用情報機関のCIC(株式会社シー・アイ・シー)では、「約定返済日より61日以上または3カ月以上支払いが延滞しているもの」を異動情報(いわゆるブラックリスト)として記録します(参考:シー・アイ・シー「2026年1月度 貸金情報統計概況」)。

この記録が残ると、新規のローンやクレジットカードの審査に通らなくなります。携帯電話の分割購入もできなくなるため、生活に大きな影響が出ます。異動情報は、完済後も一定期間(一般的に5年程度)は記録が残ります。

連帯保証人がいる場合の影響

住宅ローンに連帯保証人がいる場合、主債務者が返済できなくなれば、連帯保証人に請求が行きます。個人再生の住宅ローン特則を利用すれば、住宅ローンの返済を継続するため連帯保証人への影響は避けられますが、それ以外の方法では連帯保証人に大きな迷惑をかけることになります。

家を手放して解決する方法

住宅ローンの支払いが難しい場合、また競売による強制的な売却を避けたい場合には、自らの意思で家を売却する方法もあります。

任意売却とは?競売との違い

任意売却とは、住宅ローンの返済が困難になった場合に、債権者の同意を得て一般市場で不動産を売却する方法です。

任意売却のメリット・デメリット

任意売却の最大のメリットは、競売と比べて高く売却できる可能性が高いことです。一般的に、任意売却では市場価格の8〜10割程度で売却できるのに対し、競売では5〜7割程度にとどまります。

また、任意売却では売却活動が通常の不動産売買と同じ形で行われるため、近隣に経済的な問題を知られにくいというメリットもあります。競売のように裁判所のサイトに物件情報が公開されることもありません。

さらに、債権者との交渉次第では、売却代金から引越し費用の一部を捻出できる場合もあります。一般的に30万円程度までの引越し費用が認められるケースがあります。

デメリットとしては、すべての債権者から同意を得る必要があることです。複数の金融機関から借入がある場合、調整に時間がかかることがあります。また、債権者が任意売却に応じてくれない場合もあります。

売却後に残るローン(残債)の扱い

任意売却で住宅ローンを完済できなければ、残債の返済義務は残ります。ただし、競売と比べて残債が少なくなるため、その後の生活再建がしやすくなります。

残債の返済方法については、債権者と交渉して決めることができます。生活に支障のない範囲での分割返済が認められることも多く、生活を破綻させるような厳しい返済を求められることは原則としてありません。

リースバックという選択肢

リースバックは、自宅を売却した後も同じ家に住み続けられる仕組みです。

家を売っても住み続けられる仕組み

リースバックでは、不動産会社や投資家に自宅を売却し、その後、売却先と賃貸借契約を結んで家賃を支払いながら住み続けます。売却により一括でまとまった資金が得られるため、住宅ローンの返済に充てることができます。

その後の家賃は、買取価格に期待利回りを掛けて算出されます。たとえば買取価格2,000万円で年間6%の利回りを確保したい場合、月額の家賃は約10万円(2,000万円×6%÷12カ月)となります。

向いている人・向いていない人

リースバックが向いているのは、住宅ローンの返済は難しいが引っ越しはしたくない方、まとまった資金を早急に用意したい方、子どもの転校を避けたい方などです。高齢で引っ越しの負担を避けたい方にも適しています。

一方、向いていないのは、長期的に住み続けたい方です。リースバックの賃貸借契約は定期借家契約が一般的で、契約期間が終了すると再契約できない可能性があります。また、リフォームや建て替えには所有者の許可が必要になるため、自由度は下がります。

売却価格が市場価格より低いため、売却代金で住宅ローンを完済できない場合は利用できません。また、家賃が近隣相場より高くなる傾向があるため、長期的に見ると総支払額が売却代金を上回る可能性もあります。

家を残したい場合の最終手段:債務整理

どうしても家を手放したくない場合、債務整理という選択肢があります。

個人再生(住宅ローン特則)とは

個人再生は、裁判所を通じて借金を大幅に減額し、原則3年(最長5年)で返済する手続きです。その中でも「住宅資金特別条項(住宅ローン特則)」を利用すれば、住宅ローンは従来通り返済を続けながら、その他の借金を減額することができます。

参考:裁判所「個人再生」

住宅を手放さずに済む条件

住宅ローン特則を利用するには、いくつかの厳格な条件があります。

まず、個人再生の基本要件として、住宅ローン以外の借金総額が5,000万円以下であること、そして将来的に継続的な収入が見込めることが必要です。

住宅ローン特則の利用条件としては、対象物件が本人の居住用住宅であること、床面積の2分の1以上が居住用であること、住宅ローン以外の抵当権が設定されていないこと、そして保証会社による代位弁済から6カ月以内であることが求められます。

この最後の条件が特に重要で、代位弁済の通知が届いてから6カ月を過ぎると住宅ローン特則は利用できなくなります。つまり、滞納が始まってから行動を起こすまでの時間は極めて限られているのです。

利用できないケースの注意点

夫婦でペアローンを組んでいる場合、原則として夫婦両方が個人再生を申し立てる必要があります。また、住宅ローン以外の事業用借入などで自宅に抵当権が設定されている場合も利用できません。

住宅の価値が住宅ローン残高を大きく下回っている場合(オーバーローン)は問題ありませんが、逆に住宅の価値が住宅ローン残高を大きく上回っている場合(アンダーローン)は、清算価値保障の原則により、その他の借金の返済額が大きくなる可能性があります。

自己破産を選ぶ場合の影響

個人再生でも解決できない場合、最終的には自己破産という選択肢になります。自己破産では、一部の財産を除いてすべての財産が処分され、借金がゼロになります。当然、住宅も手放すことになります。

自己破産後も、一定期間(一般的に5〜10年程度)は新規の借入ができなくなります。また、一部の職業には就けなくなる資格制限もあります。ただし、戸籍や住民票に記載されることはなく、選挙権も失われません。

住宅ローンが払えなくなったときに絶対にやってはいけないこと

住宅ローンの返済に困ったとき、やってはいけない行動があります。

金融機関からの連絡を無視する

最もやってはいけないのが、金融機関からの連絡を無視することです。督促状や電話を無視し続けると、金融機関は「返済の意思がない」と判断し、より強硬な手段に出ざるを得なくなります。

逆に、早期に連絡して事情を説明すれば、返済計画の見直しなど柔軟な対応を引き出せる可能性が高まります。「連絡しづらい」という気持ちは理解できますが、連絡を避ければ避けるほど選択肢は狭まっていきます。

消費者金融やカードローンで穴埋めする

住宅ローンの返済のために、消費者金融やカードローンから借入をすることも避けるべきです。これらは金利が高く、多重債務に陥るリスクが極めて高くなります。

一時的には返済できても、結局は借金が雪だるま式に増えていき、最終的には住宅ローンも消費者金融も返済できなくなります。住宅ローンの返済が苦しい時点で、新たな借入で解決しようとすることは状況を悪化させるだけです。

住宅ローンが払えなくなったら専門家に相談すべき

住宅ローンの問題は、一人で抱え込まず専門家に相談することが重要です。

早期相談で選択肢が大きく広がる

住宅ローン問題における最大のポイントは「時間」です。滞納が始まってから競売までの期間は約1年程度しかなく、その間に適切な対応を取らなければ選択肢はどんどん狭まっていきます。

特に個人再生の住宅ローン特則を利用する場合、代位弁済から6カ月以内という厳格な期限があります。また、任意売却も競売の入札期間が始まる前でなければ間に合いません。

早期に相談すれば、リスケジュール、公的支援の活用、任意売却、個人再生など、複数の選択肢の中から最適な方法を選べます。しかし、競売が始まってしまえば、もはや選択肢はほとんど残されていません。

相談先の選び方(銀行・不動産会社・弁護士など)

相談先としては、まず借入先の金融機関が挙げられます。返済条件の変更(リスケジュール)については、金融機関に直接相談することが最も効果的です。

任意売却を検討する場合は、任意売却の実績が豊富な不動産会社に相談しましょう。通常の不動産売却とは異なる専門知識が必要なため、実績のある業者を選ぶことが重要です。

個人再生や自己破産を検討する場合は、弁護士や司法書士への相談が必要です。債務整理に強い専門家を選ぶことで、手続きがスムーズに進みます。初回相談は無料で受け付けている事務所も多いため、気軽に相談してみることをおすすめします。

また、各自治体の生活困窮者自立相談支援機関では、住宅ローン問題を含む生活全般の相談を無料で受け付けています。どこに相談すればよいか分からない場合は、まずこうした公的な窓口に相談してみるのも一つの方法です。

住宅ローンの返済に不安を感じたら、一人で悩まず、できるだけ早く専門家に相談することが、最善の結果につながる近道です。

小田急不動産にご相談ください

不動産の売却査定価格を
無料でご提案いたします

  1. 郵便番号

    任意
  2. または

  3. 都道府県

    必須
  4. 市区町村

    必須
  5. 町名

    必須
  6. 丁目

    必須

※地域・物件によってお取り扱いができない場合がございます。あらかじめご了承ください。

3つの買取サービス

無料査定を承ります