不動産売却のノウハウ

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不動産の共有名義人が死亡した際の相続人は?
手続き方法や税金について解説

不動産の所有権を登記する場合には、1人がすべての権利を持つ「単有」と数人が割合ごとに権利を持つ「共有」という2つの所有形態があります。

共有となるケースとしては、住宅を購入する場合に夫婦がそれぞれお金を出し合って購入する場合が考えられます。

今回は不動産の共有名義人が死亡した際の相続人について、また相続にまつわる手続き方法や税金について解説します。

2021年12月13日

目次

共有名義人が死亡した場合の相続人は誰?

人が死亡すると、相続が開始します。死亡した人を「被相続人」、法律上相続する人を「法定相続人」といいます。
不動産の共有名義人が死亡した際は誰が相続人となるのでしょうか。

法定相続人

「法定相続人」とは、民法で定められている相続人のことをいいます。たとえば、夫と妻が共有名義人で夫だけが死亡した場合には、夫の法定相続人は妻と子供です(子供がいる場合)。
仮に子供が3人いた場合は、妻と子供たちの相続分は、それぞれ2分の1ずつとなります。つまり、妻が2分の1・子供3人がそれぞれ2分の1×3分の1で各6分の1を相続します。

相続関係が親子でない場合もあります。夫婦に子供がおらず、夫の親が存命の場合の法定相続分割合は、妻と親です。
また、夫婦に子供がおらず、夫の親も死亡している場合の法定相続分割合は、妻と夫の兄弟姉妹となります。

共有者

夫婦で不動産を共有している場合の例で説明しましたが、以下の例ではどうなるでしょうか。

  • 共有名義は、A2分の1、B2分の1でAとBは他人
  • Aが死亡したが、Aは結婚しておらず、子供・両親・兄弟姉妹の誰もいない

この場合、Aには法定相続人がいません。つまり、Aの持分を相続するものがいないということです。では、Aの持分は誰の名義にも登記できないのでしょうか。民法第255条に以下の規定があります。
「共有者の1人が死亡して相続人がいないときには、その持分は他の共有者に帰属する」
この条文に沿って考えるとAに相続人がいない場合にはAの持分はBのものになり、不動産全部がBの所有物になる、と考えられそうです。

特別縁故者

共有名義人が死亡し、相続人がいない場合、不動産は共有者のものになることは先述しました。
ただ、もう1つ民法第958条の2において、相続人がいない場合の規定として、下記のとおりに定めています。

「相当と認めるときは、家庭裁判所は、被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護に努めた者その他被相続人と特別の縁故があった者の請求によって、これらの者に、清算後残存すべき相続財産の全部又は一部を与えることができる」

すなわち、相続人がいない場合に、生前世話をしていたような特別の関係がある人が「私に分けてください」という申し立てを家庭裁判所にすることによって、分与される場合がある、ということです。このような特別な関係がある人のことを特別縁故者といいます。
共有者と特別縁故者の関係性について、過去に裁判で争われた結論は以下のとおりです。

  1. 不動産共有者が死亡したが相続人がいない
  2. 特別縁故者の財産分与の対象にならなかった(民法第958条の2)
  3. 他の共有者に移転する(民法第255条)

という順番になるため、「相続人なく死亡=他の共有者に移転」ではありません。

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死亡した共有名義人の不動産を相続した場合の手続き方法と必要な費用

ここでは実際に相続が発生した場合の相続登記手続きについて具体的に見ていくことにします。

手続きの流れとしては以下のとおりです。

  1. 相続人を確定する
  2. 遺産分割協議(話し合い)で誰が取得するか決める
  3. 登記をする不動産の評価証明書を不動産管轄の役所で取得する

相続する際の手続き方法

①不動産の相続登記をするにあたって、最初にしなければいけないことが、相続人の確定です。公的書類で誰が法定相続人になるかを証明しなければなりません。

これには、「被相続人の出生時の戸籍から死亡するまでの戸籍」をかつて本籍があったすべての役所に請求して収集していかなければなりません。

また、法定相続人を証明するために各相続人が「被相続人の死亡日以降に発行された戸籍謄本」をそれぞれ取得します。これで、法定相続関係を証明できます。

②不動産の相続登記をする場合には、法定相続分とおりの割合で登記をすることは珍しく、一般的には「遺産分割協議(話し合い)」で取得する誰かを決めます。

たとえば、夫が亡くなり、妻と子供3人が法定相続人であれば、4人で話し合って「夫の不動産名義は妻が相続する」などを決める話し合いをおこない、決定事項を書類として残します。これを「遺産分割協議書」といい、相続人全員が実印を押印して「印鑑証明書」を用意しなければなりません。

これで、ほとんどの書類がそろいますが、登記の手続き上求められる書類として、「被相続人の登記簿の住所から最後の住所までのつながりのわかる書類」があります。これは、登記簿の住所から死亡時の住所までの転居等が1回以内であれば、住民票の除票を取得すれば前住所が記載されていますのでつながります。2回以上ある場合は、本籍地で戸籍の附票を取得します。また、今回名義を取得する相続人は現在の住民票を用意します。

③最後に、登記をする不動産の評価証明書を不動産管轄の役所で取得します。毎年管轄の役所から「固定資産納税通知書」が送られてきますので、この不動産価格が記載されているページをコピーして提出しても問題ありません。

役所が居住地から遠い場合などは、郵送で請求することになるため、急を要する場合には早めに準備するとよいでしょう。

必要な費用・税金

上記のように、相続登記をするためにはたくさんの書類を集めなければなりません。各書類は数百円ですが、郵送費などを入れると費用は数千円にはなると思います。

実際に登記申請をする場合には、不動産評価証明書の価格に1,000分の4をかけた額を登録免許税(収入印紙代)として納めなければなりません。

たとえば、不動産の価格が1,000万円とすると、×1,000分の4で4万円が登録免許税(印紙代)として必要になります。
相続する不動産が共有持分であれば、さらにその割合をかけた額が登録免許税額です。

共有名義の不動産を相続する前に知っておくべきこと

共有名義の不動産を相続するにあたり知っておくべきことを紹介します。

住宅ローンの残債があるか

共有名義に限りませんが、不動産を相続する場合には、そこに設定されている金融機関の住宅ローンの抵当権が完済しているのか、まだ残債務があるのかを確認しておく必要があります。

完済しているのであれば、金融機関から抵当権の抹消登記に必要な書類を受け取り、相続登記をした後に抵当権の抹消登記をする必要があります。
一方、残債務がある場合には相続人がその債務を引き継いで返済しなければなりません。

共有持分を買い取ってもらえる

夫が死亡し、妻と子供が相続人の場合に、子供はすでに独立しており、妻だけが夫と暮らしていたような場合には、夫名義の不動産は遺産分割により妻名義にして売却して、売買代金で駅近の利便性の良いワンルームに引っ越すなどの選択肢もあります。

そのような場合には、被相続人名義のまま不動産会社に売却相談してもすぐには売却できないので、まずは相続登記をするように促されます。不動産会社から司法書士を紹介してもらえばスムーズに売却までの手続きを進めることもできますので、相続の絡む不動産の売却に強い不動産会社を探してみるのもいいでしょう。

このように遺産分割協議により不動産全部の権利を取得した場合にはその取得した名義人の意思だけで売却できますが、共有持分である場合に、他の共有者が売却に協力しない場合には不動産全部の権利を売却できません。

このような場合には、自分の持分だけを売却できます。ただ、不動産の持分だけを買い取ってくれるような人がいるのでしょうか。不動産会社の中にはそのような持分割合だけを買い取ってくれる専門業者があります。

逆に考えると、共有状態の場合には見知らぬ業者との共有状態になる可能性がありますから、極力共有状態は回避するようにしておくのが得策といえるでしょう。

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