不動産売却のノウハウ

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実家の売却にかかる税金とは?
利用を検討したい特例や注意点について解説

実家を売却すると印紙税や登録免許税などの税金がかかります。所得した場合は、譲渡所得税の課税対象となるため確定申告を通じて納税が必要です。

ただし、一定の条件を満たせば特例が適用され、税負担を軽減できる可能性があります。

実家の売却にかかる税金の種類や、節税につながる特例(特別控除)、実家を売却する際の注意点などについて解説していきます。

不動産お役立ちコラム 不動産売却

2024年12月11日

目次

実家の売却にかかる税金

実家の売却にかかる税金は、主に以下の3つがあります。

  • 譲渡所得税
  • 印紙税
  • 登録免許税

実家を手放す際に思わぬ出費で困らないように、売却に伴う税金の種類や税額を事前に確認しておきましょう。

譲渡所得税

譲渡所得税とは、実家を含めた土地や建物、株式などを売却した際の譲渡所得に対する税金のことです。実家を売却した際の譲渡所得は、以下のように計算します。

譲渡所得 = 売却価格 - (取得費 + 譲渡費用) - 特別控除額

取得費には、土地や建物の購入代金はもちろん、建築時のガス、電気、空調などの設備費や、通常の修繕費の範囲を超える改良費などが含まれます。

また国税庁によれば、土地や建物を購入する際の登録免許税や印紙税、以前の借主に立ち退いてもらうために支払った立退料、土地の測量費や造成費用なども取得費に含めることが可能です。また譲渡費用とは、売却する際にかかる税金や仲介手数料などのことです。

なお、売却価格よりも取得費や譲渡費用のほうが高く、譲渡所得がマイナスになる場合、譲渡所得税はかかりません。

※参考:国税庁「No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)

※参考:国税庁.「No.3252 取得費となるもの

印紙税

印紙税とは、契約書や通帳、証書などを作成する際に課される税金です。印紙税の金額は、国税庁が定める印紙税額一覧表によって決まっています。不動産の売買を行う場合は、第1号文書を参照し、必要な金額の収入印紙を購入しましょう。

※参考:国税庁「No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで

登録免許税

登録免許税とは、土地や建物の所有権(名義)を移転するための登記や、抹消するための登記にかかる税金です。実家を売却する場合、一般的には所有権移転登記の費用は買主側が負担し、所有権抹消登記の費用は売主側が負担します。

なお、譲渡所得税や印紙税、登録免許税の他、実家を相続した段階で、相続税が課される場合もあります。

相続した実家を売却する際に利用を検討したい特例

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相続した実家を売却する場合、以下のような特例(特別控除)が利用できる場合があります。

  • マイホームを売ったときの特例
  • 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例
  • 小規模宅地等の特例
  • 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例

こうした特例を利用すれば、節税することが可能です。なお、特例を利用するには要件を満たしているか、必ず詳細を確認しましょう。

マイホームを売ったときの特例

「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例(マイホーム特例)」は、相続した実家がマイホーム(居住用財産)の場合に利用できる特例です。マイホーム特例を利用すれば、譲渡所得から最高3,000万円までが控除されます。

ただし、以下の条件に当てはまる場合、特別控除を受けられないので注意しましょう。

  • マイホーム特例を利用することだけを目的としている場合
  • 別の住居を新築する期間だけ仮住まいとして使った場合や、一時的な目的で住んでいた場合
  • 別荘などのように、主に趣味や娯楽、保養のために所有している場合

また譲渡所得が3,000万円に満たない場合、特別控除額は譲渡所得の金額が上限となります。

※参考:国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例

被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例

被相続人(故人)が生前に住んでおり、現在は空き家となっている家屋や敷地を売却する場合、譲渡所得の金額から最高3,000万円まで控除できます。この特例を「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」といいます。

ただし、特例の対象となるのは、以下の3つの要件全てに当てはまる家屋(被相続人居住用家屋)です。

  • 昭和56年5月31日以前に建築された
  • 区分所有建物登記がされている建物ではない
  • 相続の開始の直前において被相続人以外に居住をしていた人がいない

なお、この特例は、平成28年4月1日から令和9年12月31日までの売買取引にのみ適用されます。

※参考:国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例

小規模宅地等の特例

小規模宅地等の特例とは、正式名称を「相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例」といい、相続税に対して適用される特例です。被相続人が生前に居住していた宅地が特定の要件を満たす場合、相続税の評価額が最大で80%減額されます。

なお、宅地を相続した人が、生前に被相続人と同居していた場合は、以下の要件を満たす必要があります。

  • 相続開始の直前から相続税の申告期限まで居住している
  • 相続開始時から相続税の申告期限まで有している

一方、宅地を相続した人が被相続人の配偶者である場合、特例の適用要件はありません。

※参考:国税庁「No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)

相続財産を譲渡した場合の取得費の特例

相続財産を譲渡した場合の取得費の特例とは、相続した土地や建物、株式などを売却した際に、相続税額のうち一定の金額を取得費に加算できる特例です。譲渡所得から差し引かれる金額が大きくなるため、譲渡所得税を削減できます。

特例の適用を受けるためには、以下の3つの要件を満たす必要があります。

  • 相続や遺贈により財産を取得した
  • その財産を取得した人に相続税が課税されている
  • その財産を、相続開始日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡している

※参考:国税庁「No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例

相続した実家を売却する際の注意点

相続した実家を売却する場合、以下に挙げる注意点があります。

  • 取得費がわからないことがある
  • 特例の期限を過ぎないようにする
  • 親が亡くなっているかどうかで利用できる特例が異なる

実家を売却したあとから後悔することのないように、事前に認識しておきましょう。

取得費がわからないことがある

譲渡所得を計算する際の取得費は、厳密には購入代金などの合計額から所有期間中の減価償却費相当額を差し引いた額です。

しかし、相続した実家を売却する場合、取得費がわからない場合もあるでしょう。その場合、実家を売却した金額の5%を取得費として計算します。たとえば、実家を3,000万円で売却する際に取得費がわからなければ、5%に相当する150万円を取得費とします。

なお、実際の取得費が売却金額の5%を上回る場合も、根拠がなければ5%相当額になります。譲渡所得が増えれば、税金も増えるおそれがあるため、実家の売却前に購入時の契約書などを確認しておきましょう。

特例の期限を過ぎないようにする

実家を売却する際に特例を利用したい場合は、期限が過ぎていないか確認しておくことが大切です。本記事でご紹介した特例の期限は以下の通りです。

特例 利用する際の期限
マイホームを売ったときの特例 譲渡契約が家屋を取り壊した日から1年以内に締結され、かつ、住まなくなった日から3年を経過する日が属する年の12月31日までに売ること
被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例 相続日から、3年を経過する日が属する年の12月31日までに売ること
小規模宅地等の特例 相続税の申告手続きを被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内に行うこと
相続財産を譲渡した場合の取得費の特例 相続開始日の翌日から、相続税申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡していること

※参考:国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例

※参考:国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例

※参考:国税庁「No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)

※参考:国税庁「No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例

親が亡くなっているかどうかで利用できる特例が異なる

利用できる特例は、親などの被相続人が亡くなっているかどうかによって変わってくることも知っておきましょう。

たとえば、被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例や、相続財産を譲渡した場合の取得費の特例は、相続または遺贈により、土地や建物を取得することが要件のひとつとなっています。一方でマイホームを売ったときの特例は、親が存命中に実家を売却した際にも利用可能です。

それぞれの特例には、適用を受けるための要件が定められているため、国税庁のWebサイトなどで詳細を確認しておきましょう。

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