不動産売却のノウハウ

マンション売却を検討しているものの、住みながら売ることはできるのでしょうか。実は多くの人が居住中のままマンション売却を行っています。
住みながら売却する3つのメリットや注意点、スムーズに進めるためのポイントに加えて、リースバックという選択肢についても解説します。
不動産お役立ちコラム 不動産売却2026年4月27日
マンションは「空き家にしてからでないと売りにくい」と思われがちですが、実際には住みながら売却を進めるケースが多数を占めています。生活を続けながら売却活動を行うことで、引っ越しの手間や費用を抑えつつ、資金計画にも余裕を持たせることができます。
居住中にマンションを売却するケースが増えている理由や、スムーズに進めるためのポイントを見ていきましょう。
マンションの売却において、実際には住みながら進める人の方が多いのが現状です。転勤や住み替えを控え、仮住まいを確保する余裕がないケースや、二重ローンを避けたいといった理由から、この方法を選ぶ人が増えています。
生活を維持しながら売却できる点で現実的な方法といえるでしょう。
マンションの住み替えでは、今の家を先に売る「売り先行」と、新しい家を先に買う「買い先行」の2つの進め方があります。どちらを選ぶかで、資金計画や引っ越しのタイミングが大きく変わります。
売り先行は売却代金を新居の購入資金に充てられるため、無理のない計画を立てやすい点が魅力です。一方、買い先行は生活の安定を優先できますが、ダブルローンのリスクが生じる場合もあります。
売り先行では住み替え先を購入する前に売却をスタートさせるため、住みながら家を売ることになります。買い先行では新しい住まいに転居してから売却活動を始めるため、空室の状態で売ることになります。
マンションを売却する際は、空室にしてから進める方法と、住みながら売却を行う方法があります。居住中の売却には、生活と販売活動を両立できる実用的なメリットが多くあります。
ここでは、特に押さえておきたい3つのポイントを紹介します。
住み続けていることで、湿気やカビ、設備の故障といった劣化を防げるのは大きなメリットです。空き家の状態が長く続くと、換気不足による結露やカビの発生、水回りの異臭などが起こりやすくなります。
居住中であれば、日常的に掃除や換気を行うため、室内のコンディションを良好に保てます。結果として、購入希望者への印象が良くなり、物件の価値を維持しやすくなります。
居住中のマンションは、実際の暮らしをイメージしやすいという利点があります。家具や家電が配置された状態で内覧を行うことで、購入希望者は生活導線や部屋の使い方をより具体的に想像できます。
たとえば、家族の集まるリビングや収納の活用方法など、生活のリアルな雰囲気を伝えられる点は、空室では再現しにくい魅力です。内覧時に清潔感と整理整頓を意識すれば、より良い印象を与えることができます。
住みながら売却する場合、「早く売らなければ」という焦りから値下げに踏み切るケースも回避できます。
時間的な余裕を持って価格交渉や買主選びができるため、希望に近い条件での売却が期待できます。売却期間に制限を感じにくく、じっくりと市場の反応を見ながら進められる点は大きなメリットといえるでしょう。
住みながらマンションを売却する方法には多くの利点がありますが、一方で生活と販売活動を両立する難しさもあります。ここでは、居住中の売却でよくある3つのデメリットと、それを軽減するための対策を紹介します。
居住中の売却では、購入希望者の内覧に合わせて掃除や片付けを行う必要があります。家族の予定と調整しながら対応するのは、精神的にも負担がかかる部分です。このような場合は、内覧可能な曜日や時間帯を事前に決めておくのが効果的です。
普段から玄関やリビング、水回りだけは整えておくようにすれば、急な案内でも慌てずに対応できます。生活を大きく崩さずに売却を進めるためには、無理のないペースを意識することが大切です。
居住中のマンションでは、家具や家電、日用品などが多く、生活感が出やすくなります。部屋が狭く見えたり、収納が少なく感じられたりすることで、買主にマイナスの印象を与えてしまうケースもあります。
対策としては、不要な物をトランクルームに一時保管する、照明を明るくして開放感を出すといった工夫が有効です。最近は、不動産会社が内覧演出をサポートする「ホームステージング」サービスを提供している場合もあるため、こうしたサポートを活用するのもおすすめです。

「売却したいけれど、できれば今の家に住み続けたい」という人におすすめなのが、リースバックという方法です。
リースバックは、マンションをいったん不動産会社などに売却し、その後に賃貸契約を結んで同じ家に住み続けられる仕組みです。
この方法は、次のような人に向いています。
引っ越しの手間がなく、売却によって得た資金を自由に使える点が大きなメリットです。近年は老後の生活資金確保や住宅ローン返済の手段として利用する人も増えています。ここでは、リースバックの仕組みやデメリット、ほかの選択肢との違いを詳しく見ていきましょう。
リースバックとは、所有しているマンションを不動産会社などに売却し、その後は賃貸として同じ家に住み続けられる仕組みです。
売却によってまとまった現金を得ながら、環境を変えずに生活を続けられる点が大きな特徴です。
たとえば、老後資金の確保や住宅ローンの返済、事業資金の捻出など、「資金を確保したいが住み替えは難しい」という人に選ばれています。手続きの流れとしては、まず不動産会社が物件を買い取り、その後にオーナー(元所有者)と賃貸契約を結びます。
契約後は賃料を支払いながら、これまでと変わらない環境で暮らすことが可能です。リースバックは、引っ越しの負担を避けながら資金を確保したい人にとって、売却と居住を両立できる現実的な選択肢といえます。
リースバックは「売っても住み続けられる」便利な仕組みですが、いくつかの注意点があります。まず、売却価格が市場相場より低くなることが多い点です。買い取りを行う不動産会社は将来的なリスクを見込み、相場の7〜8割ほどで価格を設定するケースが一般的です。
また、売却後は賃貸として暮らすため、家賃の支払いが発生します。家賃はエリアや物件の状態によって異なりますが、場合によってはローン返済時より負担が増えることもあります。さらに、契約期間が決まっている定期借家契約では、契約満了時に退去を求められる可能性もあります。
安心して利用するためには、契約期間・家賃設定・再契約の可否・買い戻し条件などを事前に確認しておくことが大切です。リースバックは条件を理解したうえで活用すれば、暮らしを維持しながら資金を確保できる有効な選択肢になります。
リースバックを選ばない、または選べない場合でも、「住みながら」あるいは「住み替え」を進めるための有効な手段が他にあります。ここでは代表的な2つの選択肢を紹介します。
まずひとつ目は、現在のマンションを仲介で「一般売却」し、その売却資金を次の住まいの購入に充てる方法です。売却価格が相場に近くなりやすく、家賃などの追加支払いが発生しないため、長期的な視点では費用を抑えやすい傾向があります。
住みながら売却(売り先行)を選ぶことで、現住マンションに引き続き住みながら売却を進めることも可能です。ただし、売却活動には時間がかかることがあるため、余裕を持って計画を立てることが重要です。
もう一つの選択肢が、物件を不動産会社に買取してもらう方法です。これは一般売却よりもスピードが速く、売却活動の手間を省けるのが特長です。売却価格は一般売却に比べてやや低めとなることが一般的ですが、急ぎで現金化したい場合などには有効な手段です。スピード重視・手続き簡素化を優先するのであれば、買取で住みかえる選択も検討に値します。
住みながらマンションを売却する場合、成功のカギを握るのは不動産会社のサポート力です。
居住中の売却には内覧対応やスケジュール管理、価格設定など、専門的な判断が必要な場面が多くあります。こうした調整を自分だけで進めるのは難しいため、まずは信頼できる不動産会社へ相談することが重要です。
不動産会社によって、得意とするエリアや販売スタイル、サポート内容は大きく異なります。
特に居住中の売却経験が豊富な会社であれば、生活と売却活動の両立をスムーズに進めるノウハウを持っています。ここからは、相談先を選ぶ際に押さえておきたいポイントを紹介します。
住みながらマンションを売却する場合、どの不動産会社に依頼するかで結果が大きく変わります。居住中の売却は空き家とは異なる調整や気配りが求められるため、経験豊富な担当者のサポートが欠かせません。ここでは、信頼できる会社を選ぶための3つのポイントを紹介します。
住みながら売却する場合も、まずは複数の会社に査定を依頼することが基本です。会社ごとに得意分野や査定基準が異なるため、複数の見積もりを比較することで適正な相場感をつかめます。査定価格だけでなく、販売計画の提案内容や担当者の対応力も判断材料にすると良いでしょう。
居住中の売却は、空室の物件とは違った配慮が求められます。内覧スケジュールの調整や生活空間の見せ方など、経験値の差が結果に直結する部分です。過去に居住中売却の成功事例がある会社なら、生活を守りながら売却活動を進めるサポートを受けられます。
また、ホームステージングサービスを提供している会社を選べば、内覧時に物件の魅力をより効果的に伝えられるでしょう。
住み替えや資金計画を同時に進めたい場合は、多様な売却方法に対応できる会社を選ぶのがおすすめです。一般的な仲介だけでなく、「買取」や「リースバック」にも対応している会社であれば、売却時期や資金の確保に柔軟性を持たせることができます。
なお、一般的な仲介会社の中にはリースバックを扱わないところも多いため、希望がある場合は対応可否を事前に確認しておきましょう。