不動産売却のノウハウ

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生産緑地のおすすめ活用事例5選!
売却との比較についても紹介

生産緑地の指定解除を受けた後、その土地をどのように活用していけばいいのか迷っている人がいるかもしれません。

また、活用していくにも固定資産税などのコストが発生するため、いっそ売却するという選択肢もあります。

この記事では、おすすめの活用事例5選と売却することの比較について解説します。

2022年9月9日

目次

指定解除される生産緑地の選択肢は3つ

生産緑地の所有者が、指定解除後に取り得る選択肢としては、主に3つあります。それぞれの特徴をしっかりと理解し、最適な方法を選択しましょう。

営農を継続する

農業をやめる意思がない場合は、営農を継続していきます。

専業・兼業農家で収益化ができている場合は、営農を継続する方が多いでしょう。生産緑地の指定から30年を経過した土地で営農を継続する場合は、特定生産緑地の申請をし、認定を取得する必要があります。認定を受けることによって生産緑地の指定を10年間延長できます。

認定を取得した場合は引き続き10年間の営農義務がありますが、相続税や贈与税の納税猶予、固定資産税の軽減などの税制優遇が継続します。

指定を解除し、売却する

営農を継続しない場合は、生産緑地の指定を解除し売却を検討します。

これまで、生産緑地の指定で農地として扱われていた評価は、解除後に宅地並みの課税評価額となり、固定資産税の負担が大きくなります。また相続税の猶予措置を利用していた場合も指定解除後は無効となるため、多額の税金が徴収される場合があります。

そのような思わぬ税金の支払いを避けるために、売却をするのもひとつの手です。

売却する流れは、以下のとおりです。

  1. 地方公共団体に対し、買取を申請
  2. 申請から約1ヵ月で、買取に関する回答が送られ、買取成立の場合は時価を基準に協議を行い、成立後に買取完了となる
  3. 不成立の場合は、地方公共団体により農林漁業希望者へのあっせんが行われる
  4. 買取希望者が不在の場合に生産緑地としての指定解除が行われ、一般への売却が可能となる

地方公共団体が買取る場合は時価での価格となり、相場よりもかなり低い価格での売却となる点についてはご留意ください。

活用する

営農継続・売却以外の方法は活用です。

生産緑地は市街化区域内に存在する農地であるため、さまざまな活用や収益化の手段があります。次章にて具体的な生産緑地の活用方法をご紹介いたします。

生産緑地の活用事例

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生産緑地の活用方法は、特定生産緑地として認定を受けて活用するケースと指定を解除し、地目変更などを行って活用する方法の2つに分かれます。

それぞれで活用方法が変わってきますので、以下にて詳しく解説します。

農地として貸し出す

所有者は生産緑地として所有し、各税制優遇は継続しながら貸し出します。2018年の都市農地賃借法の適用により、第三者への生産緑地の貸し出しが可能になりました。

農地として貸し出すメリットとして以下のとおりです。

  • 賃料収入が得られる
  • 引き続き相続税の猶予措置が継続される
  • 農地評価が継続し、固定資産税を抑えられる

所有者自身で営農する必要はなく、賃料収入が得られることが大きなメリットといえます。一方で下記のようなデメリットもあります。

  • 売却や譲渡ができない
  • 土地活用の自由度は少ない

指定の解除をする必要もなく、収益化ができる活用方法としては一番取り組みやすい方法といえるでしょう。

体験農園

農家自らが開設し、参加者に野菜づくりの指導やバーベキューなどのイベントを行います。入園料や利用料が収益となり、主体的に動ける所有者に向いている方法といえます。

体験農園に近いものとして「貸し農園」・「市民農園・区民農園」があります。違いは運営者が貸し農園の場合は企業。市民農園・区民農園の場合は地方公共団体となります。所有者への負担や収益性など運営方法により異なりますので、事前に調査した上で選択することをおすすめします。

農産物直売所や農家レストラン

特定生産緑地として認定後に農産物直売所や農家レストランを営む方法です。

2017年の生産緑地法の改正により、下記の要件を満たすことで、敷地内に直売所やレストランを建築し、経営することが可能となりました。

  • 生産緑地内で生産された農産物等を主たる原材料とする製造・加工施設
  • 生産緑地内で生産された農産物等を製造・加工されたものを販売する施設
  • 生産緑地内で生産された農産物等を主たる材料とするレストラン

これらは、敷地内の20%までの面積で建築可能となっています。営農した生産物を敷地内で農家自らが販売することにより、より収益性を高めることが可能です。

アパート・マンションの賃貸経営

指定解除後の節税対策としてアパートやマンションを経営する方法です。

土地活用の王道であるアパート・マンション経営ではありますが、特に都市部に多い生産緑地は人口密集地にあり、1区画の面積が300㎡以上であるため、アパートやマンションの建築に向いている土地ならではの活用方法といえます。300㎡とは生産緑地の指定を受ける際に必要な要件です。

生産緑地の指定解除後は、相続税の猶予や固定資産税の軽減が終了し、所有者にとっては大きな負担となり得ます。毎月安定した収益や相続税の節税、固定資産税の軽減などの節税対策を行うことができる可能性が大いにあるといえるでしょう。

戸建て住宅賃貸経営

指定解除後の節税対策として戸建て賃貸を経営する方法です。

アパート・マンション経営と似ていますが、駅からの距離がある土地では、アパートやマンションよりも戸建て賃貸需要の方が多い場合があります。

アパート・マンション賃貸経営と同じように安定収益、節税効果が期待できます。また、土地を分筆して複数戸建築することで、将来の分割相続の対策としても有効です。

売却と活用はどっちがいい?

営農継続、売却、活用方法についてご紹介しました。

引き続き営農される方は別として、所有者の高齢化や、後継者不足により営農継続が困難な場合、売却と活用はどっちがいいのでしょうか。改めてメリット・デメリットについて整理してみましょう。

売却のメリット・デメリット

売却することのメリットは下記のとおりです。

  • 売却して処分することで、固定資産税の支払いがなくなる
  • 地目変更をして宅地転用をすることで住宅用地として売却ができる

一方で、デメリットは下記のとおりです。

  • 土地を活用して収益化することができなくなる
  • 納税猶予制度の適用を受けている場合に、相続時にさかのぼって課税される「さかのぼり課税」が適用され、税金の負担が増えることがある

活用のメリット・デメリット

活用することのメリットは下記のとおりです。

  • 特定生産緑地の認定を受けることで、相続税の猶予や固定資産税減免の期間を10年間延長することができる
  • 特定生産緑地の認定を受けつつ、第三者に貸すことで収益化をすることができる(農地として貸し出しや体験農園)
  • 生産緑地の指定を解除し、アパートやマンション、戸建て賃貸経営をすることで安定した収益や節税対策を行うことができる

一方で、デメリットは下記のとおりです。

  • 特定生産緑地の認定を受けることで、営農義務が継続し、指定期間中の第三者への譲渡ができない
  • 経営がうまくいくとは限らず、負債を背負うリスクがある

まずはプロに相談しよう

生産緑地での営農が困難な場合の対策として、売却や活用方法を中心にご紹介しました。土地の立地条件や周辺人口規模によって、どの策が最善か変わってきます。

さまざまな利用ができ、価値が高まる可能性のある土地だからこそ、有効に活用できるよう、豊富な事例を知るプロに相談してみてはいかがでしょうか。

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