不動産売却のノウハウ

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シロアリ被害に遭った家の不動産売買は契約不適合責任に要注意!

シロアリ被害に遭ってしまうと、どんなトラブルが起こるかわからないため、買主があらわれずなかなか売却できません。シロアリの被害に遭ったら、どのように対処するべきでしょうか。

シロアリ被害に遭った家を売却するときの注意点、売却方法について解説します。

不動産お役立ちコラム 基礎知識

2023年7月7日

目次

シロアリ被害に遭った家の不動産売買の注意点

シロアリ被害が発生すると、家の耐久性や耐震性に大きな悪影響を与えるため、売買取引が難しくなります。シロアリ被害に遭った家の、不動産売買の注意点について解説します。

シロアリ被害を秘密にするのは絶対ダメ!

住宅がシロアリの被害を受けてしまうと、主要構造材を空洞にするため、家の耐久性や耐震性に問題が発生します。地震で倒壊しやすくなるため、シロアリ被害を受けた住宅は瑕疵(ルビ;かし)のある住宅に該当します。

2020年4月1日に民法が改正されて瑕疵担保責任から契約不適合責任へと変わったことで、売主が気づかなかった瑕疵に関しても責任が問われるようになりました。瑕疵を知っていた場合はもちろんのこと、気づかなかった場合でも何らかの瑕疵が発覚した場合、売主は買主に対して責任を取る必要があります。

したがって、シロアリ被害を知っている場合、秘密にするのは絶対やめましょう。

シロアリの被害に遭った家の売却は難しい

住宅でシロアリ被害が進むと、浴室やトイレなどの水回り、柱なども侵食され、建物の耐震性を大きく低下させるため、安心して住めません。

シロアリの被害に遭った家は安全性に不安があるため、簡単には売却できないでしょう。通常の住宅より売却が不利になるため、何らかの対策を立てたうえで販売する必要があります。

シロアリの被害は隠しとおせない

シロアリは家の土台や木材を食い荒らすため、被害に遭ったことがひと目でわかります。シロアリ被害に遭うと、次のような状態になります。

  • 床下の木造部分がボロボロになる
  • 玄関のドア枠や段差などの木造部分が侵食される
  • 浴室の入り口枠や敷居が食い荒らされる

シロアリはいったん発生すると驚異的なスピードで繁殖し、次々と建材を侵食します。発見後、シロアリを駆除しても住宅の耐震性や強度は低下してしまい、もとに戻すことはできません。見た目でもわかりやすいため、シロアリの被害は隠しとおせないでしょう。

契約不適合責任に問われるとどうなる?

2020年4月1日に民法が改正され、瑕疵担保責任から契約不適合責任へと変わりました。契約不適合責任に問われるとどうなるのでしょうか。

契約不適合責任とは

改正前の民法では、隠れた瑕疵があったときの売主の責任が規定されていました。隠れた瑕疵とは、売買契約の締結時点に買主が知らなかった瑕疵のことです。買主が通常、要求されるような注意力を働かせたにもかかわらず、発見できなかった瑕疵を指しています。

契約不適合責任によって売主の責任は隠れた瑕疵ではなく、「契約で定めた品質を満たしていない」「数量が不足する」などといった契約内容に適合しないことに変わっています。この改正により買主は、売主に故意または過失がない状態でも、契約内容を満たさない場合は契約解除や損害賠償請求を行うことが可能になりました。

契約不適合責任の対象になるもの

不動産売買取引を行った場合、契約不適合責任の対象になる例は次のとおりです。

  • 物件や設備に瑕疵がある
  • 種類、品質、数量などが契約内容を満たしていない

たとえば、引渡し時に設備の一部が使えない、シロアリ被害を発見したなど、物件や設備に何らかの問題があり、通常の生活が行えない場合に適用されます。

「地盤に問題のある土地だった」「耐震性が低い」「敷地面積が不足している」など、契約内容と違う、あるいは満たしていない場合も該当します。

どういった責任をとる必要がある?

買主は施工業者または売主に対して、次の4つの請求を行えます。

項目 請求できる内容
追完請求 目的物の修補、代替物の引渡し、不足分の引渡しによる履行の追完を請求できる(民法第562条)
損害賠償請求 追完請求や代金減額請求とあわせて損害賠償を請求できる(民法第564条、第559条、第415条第1項)
代金減額請求 追完を催促しても売主が応じなければ、不適合の度合いに応じた代金減額請求が認められる(民法第563条第1項、第559条)
契約解除 追完を催促しても売主が応じなければ買主は契約を解除し、代金全額の返還を請求できる(民法第564条、第541条本文、第559条)

たとえば、シロアリが発生した不動産の追完請求では、シロアリで腐食した部分を売主に直してもらう、損害賠償請求ではシロアリによる腐食部分の修理代を買主が立て替えた場合、売主に支払ってもらうなどが該当します。

シロアリ被害を受けた家を売却する方法

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通常、シロアリ被害が発生した家の売却は難しいものです。しかし住んだり利用したりする予定がなければ、固定資産税がかかり続けてしまうため売却したい方も多いでしょう。

シロアリ被害を受けたものの、なんとかして家を売る方法について解説します。

現状のまま売却する

修繕をせずに、シロアリ被害がある状態のままで売却する方法があります。現状のままで売り出すので、修繕のコストや労力がかからないのがメリットです。

ただ、買主は購入後に物件を修繕、あるいは解体して新しい家を建てなければなりません。修繕費用や解体費用がかかるため、一般的な相場よりかなり安い価格で売却することになるでしょう。

一度シロアリが発生した家を購入する人は滅多にいないため、売却期間が長引いてなかなか売れないと思われます。

シロアリを駆除、家を修繕する

シロアリ駆除の薬剤は市販されていますが、一般の方が自力で処置するのは簡単ではありません。そのため、シロアリ駆除専門業者に依頼して駆除してもらいます。

完全にシロアリが駆除されてから、侵食されて傷んだ柱、梁(ルビ:はり)、土台などの修繕を行い、耐震性や耐久性に問題のない状態にしてから売却します。建物の傾きを修正する費用は数百万円かかることもあるため、修繕費用で赤字にならないようなら実行しましょう。

シロアリ駆除業者を選ぶ際には、口コミや評判をリサーチして信頼できる業者に依頼してください。

家を解体して更地にする

あまりにもシロアリの被害が進んで修繕費用が高額になる場合は、家を解体して更地にしてから売却するのがおすすめです。売主が解体費用を負担しますが、売却後、契約不適合責任を問われるリスクがないため、安心して売れます。

ただ、建物がなくなると、固定資産税の減税特例を受けられないため、固定資産税額が高くなってしまいます。そのため、土地の固定資産税は家があるときの6倍、都市計画税は3倍になります。早めに売却するようにしましょう。

不動産会社に買取などを相談する

修繕費用をかけたくない方や、できるだけ早めに物件を売却したい場合は、不動産会社に買取を依頼しましょう。ただ、普通の不動産会社ではシロアリが発生した物件を取り扱わないところもあるので、訳あり物件も扱っている不動産会社に相談してください。

不動産会社に依頼すれば、契約不適合責任が免責されるため、売却後のトラブルも心配ありません。手間をかけずにシロアリが発生した物件を売却したい場合は、不動産会社に買い取ってもらうのが手っ取り早い方法です。

訳あり物件の取引に慣れているので、シロアリ被害が発生した家でもスピーディーに買い取ってくれます。

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