不動産売却のノウハウ
自宅を売却するために内覧は必要な過程です。成約するまでの内覧回数にはおおよその相場があります。内覧回数の相場を理解できれば、販売方法の見直しができるため、効率のよい売却活動が行えます。
また、内覧対応を煩わしく感じる売主もいます。そのような方は内覧対応が不要な売却方法を選択しましょう。
不動産売却 基礎知識2023年7月10日
内覧者の中でも「すぐに購入したい」と考えている方もいれば、「今はまだ色んな物件を参考として見ている」といった方など、人によって購入に対する熱量が異なりますが、内覧回数は平均して5~10回程度だと思っておきましょう。
売却する物件の種類や条件、エリアなどによっても異なりますが、自宅売却時の内覧回数は5~10回程度になることが多いです。
タイミングがよければ、1回目の内覧でそのまま成約まで進むこともありますが、反対に10回以上内覧があっても成約にならないケースもあります。
なかなか成約まで進まないと、売主としては気を落としてしまうかもしれませんが、販売方法を見直すことですぐに買付(申込み)が入るケースもあります。そのため必要以上に気落ちせずに、根気よく売却活動を続けましょう。
内覧は平日よりも土日祝日に多くなる傾向にあります。
内覧希望日の希望日時については、前もって不動産会社から売主に連絡が来るため、スケジュールを調整して事前準備をすることが可能です。
内覧日が決まれば、その日に向けて室内の掃除や整理整頓をし、内覧者の印象をよくするために努めましょう。
内覧回数が少ないと感じる場合には、販売方法を見直しましょう。売り出した物件の内覧回数が少ないと、当然ですが売却できる可能性は低くなります。
内覧回数から判断できる、販売方法の見直し方を紹介します。
内覧者が自宅を購入する際に必ずチェックするポイントとして物件価格があります。誰しも、不動産に限らず買い物で損したくありません。商品には「相場」があり、もちろん不動産の価格にもある程度の相場が決まっているものです。
自宅を売却する売主の多くは少しでも高く売りたいと考えます。しかし相場よりも高くで売り出していると、なかなか買付は入りません。たとえ相場より高く売り出されていても買主は「価格交渉できるかも」と思っているため、内覧自体が大きく減ることはないでしょう。しかし、価格交渉が不可だとわかった時点で選択肢から外れてしまいます。
自宅を売り出しているけど売却まで進まない場合は、適正価格または相場よりも低い金額に設定しましょう。
購入希望者の多くは、物件チラシやポータルサイトを見て興味を持ったときに不動産会社に問い合わせをします。
物件チラシやポータルサイトで購入希望者の興味を惹くような広告でなければ、不動産会社に問い合わせも来ませんし、もちろん内覧回数も増えません。
物件チラシやポータルサイトに掲載されている写真やコメントによって、購入希望者の反応は大きく変わるものです。室内がきれいに映っている写真や物件のアピールポイントが購入希望者に刺さりやすい広告であれば、見る人も興味を持ちます。
特に物件の写真は、広告を見た人を惹きつけるためには重要です。物件の外観や室内の写真が暗かったりぼやけていたりすると、広告を見た人もよい印象を抱きにくいでしょう。天気のよい日に、一眼レフカメラで撮った写真と比べると一目瞭然です。
内覧回数が少ないと感じる場合には物件広告を見直し、競合物件よりも魅力的なものにしましょう。
どんなによい物件だとしても、購入希望者に売却物件のことを認知してもらわなければ売れるものも売れません。
物件のことを知ってもらい購入検討してもらうには、不動産会社による広告活動を見直すことも必要です。たとえば、不動産会社の広告活動には以下のものがあります。
内覧回数が少ないと感じる場合は、どのような広告活動をおこなっているのかを不動産会社に確認し、それに対してどのような対策をするのかを聞いてみましょう。
不動産の売却では購入希望者への内覧対応が購入の大きな決め手となります。内覧時に感じた印象が、購入する際の判断に大きく影響を与えます。
売却が成立するために、売主はどのような対応をすればよいのでしょうか。
室内に入ったときの部屋の状態で内覧者の印象は大きく変わるものです。築年数が古い家でも室内がきれいな状態であれば、内覧者の印象はよくなります。
自宅を売却する場合は、特に掃除を怠らないようにする必要があります。家具・家電が置いてあるのは購入後の生活イメージが湧きやすくなるメリットがありますが、室内がきれいな状態でなければ生活感が伝わり、内覧者の印象は下がります。
特に内覧者が気にする箇所としては、キッチン・トイレ・浴室などの水回りです。水回りの衛生面を気にする方は多く、お風呂場にカビが生えているだけで拒否反応を示す内覧者もいます。
反対に、水回りが清潔に保たれている家は内覧者に好印象を持たれます。居住中の自宅を売却する際には室内をきれいな状態にしておくことはもちろん、水回りを重点的に清潔に保つように心掛けましょう。
売主が住んでいたからこそ知っている物件の情報を内覧者に伝えることは効果的です。
物件広告やポータルサイトに掲載している情報だけでなく、実際に住んでいた売主だからこそ知る情報を伝えることで、物件のメリットやデメリットを理解してもらえやすくなるでしょう。
たとえば、「近所の公園は遊具が充実していて子どもに喜ばれる」「夜道でもこのルートだと街灯があるから安心」「春になると窓から桜並木がきれいに見える」といった、物件の売主が感じた些細なことで構いません。
また、内覧者は検討している物件のことだけでなく、近隣のことも気になる方も多いです。「近所にはどういった方が住んでいるのか」「地域住民との交流会はあるのか」「ゴミ出しは何時までおこなえばよいのか」など、内覧者の気になることもプライバシーを侵害しない程度に伝えると購入する際の安心材料となるでしょう。
自宅を売却したい売主の中には、不動産会社の担当者以上に物件のアピールをする方もいます。売主目線でのアピールポイントを伝えるのはよいのですが、アピールし過ぎると逆効果になるおそれがあるので注意が必要です。
売主の知っている物件情報を伝えるのは内覧者の購入判断の役に立ちますが、内覧者の様子を確認しながら、求められた範囲内で対応するようにしましょう。
なかには、内覧対応を煩わしく感じる方もいます。そういった方におすすめなのが不動産買取です。不動買取について詳しく解説します。
不動産買取は、買い手を募集するような販売活動はせず、不動産会社に直接買い取ってもらう売却方法です。
つまり、買い手は不動産会社になるため、内覧対応をする必要がありません。ただし、買取価格を設定するために不動産会社が一度だけ査定を目的に訪れます。
査定を受け、提示された査定額に納得できれば契約へと進むため、現金化が早いのが不動産買取の特徴です。契約から数日~数週間で入金されるため、現金化を急ぐ方におすすめです。
不動産買取には、以下のようなデメリットもあります。
不動産買取は、市場で買い手を探す一般的な売却に比べて売却価格が7~8割程度と安くなります。これは、買取をする不動産会社は買取再販を目的としており、再販売する価格と買取価格の差が不動産会社の利益となるためです。そのため、買取価格はどうしても相場より安くなってしまいます。
また、買取できない不動産もあります。土地の形がいびつであったり、浸水のおそれが高かったりなどと、再販することで利益を見込めない物件は不動産会も買い取ってはくれません。しかし、買取の可否は不動産会社によって基準が異なります。買取を断られた場合は別の不動産会社に相談してみましょう。
内覧対応の不要な不動産買取に少しでも魅力を感じたなら、まずは買取査定を受けてみましょう。
買取査定で十分な査定額が提示されれば、そのまま不動産買取で売却してよいでしょう。2023年時点で不動産価格は高騰しているので、予想以上の高値で売れるかもしれません。
また、買取査定したとしても査定額に納得ができなければ、市場に売り出す一般的な売却方法を選択すればよいだけです。市場で買い手を募集する一般的な売却方法は高く売れるかもしれませんが、買い手がいつ現れるかわからないため、売却に時間がかかるおそれがあります。
いずれにせよ、まず買取査定をすることで、販売計画が立てられます。査定は無料であるため、まずは不動産会社に相談して、買取査定を受けてみましょう。