不動産売却のノウハウ
所有する不動産を売却するには、仲介を不動産会社に依頼する必要があります。その際の不動産会社選びは慎重に行いましょう。不動産会社選びに失敗すると、思ったほど高く売れない、売れるまで時間がかかるなど、思わぬ不利益を被ることもあります。
不動産売却を成功させるための、不動産会社選びについて解説します。
不動産売却 基礎知識2023年11月15日
不動産を売却する際は、不動産会社選びがもっとも重要なポイントです。なぜなら、不動産会社は売り出し価格を査定して決めるほか、購入希望者の集客および内覧、契約前の交渉・売買契約まですべてを売主の代わりとなって担当するためです。
売主としては、売却するならできるだけ高く、よい条件で売りたいものです。そのため、売主の要望を聞き入れつつ、できるだけよい条件で仲介してくれる不動産会社を見つけることは、不動産売却の重要なポイントになります。
では、不動産会社はどのように選ぶとよいのでしょうか。ここでは、不動産会社を選ぶ際のポイントをまとめました。
大手と中小の不動産会社では、それぞれ特徴が異なります。大手不動産会社を選ぶメリットは、次のとおりです。
デメリットには、次のものがあります。
地域密着型の中小の不動産会社を選ぶメリットには、次のものがあります。
デメリットには、次のものが考えられます。
それぞれにメリットとデメリットがあり、大手と中小のどちらがよいということはありません。不動産会社によって得意、不得意もあるため、依頼するときは自身が何を一番大事にしたいかを考え、希望に寄り添ってくれる不動産会社を選ぶことが大切です。
不動産会社へ売却を依頼する際は、複数社へ同時に査定を依頼しましょう。ただし、査定価格が一番高い不動産会社を選べばよいというわけではありません。
なぜなら、査定価格を相場より高く提示することで、強引に媒介契約を結ぼうとする不動産会社が存在するからです。提示された査定価格で売れると信じて媒介契約を結んだものの、まったく売れる気配がなく、時間だけが過ぎてゆき、しばらく経ってから「問い合わせがないので価格を下げたい」といわれることもあります。
そのため、提示された査定価格が他社と比べて高すぎる場合は注意したほうがよいでしょう。査定の金額よりも、査定書の内容やコメントが充実しているか、納得できる根拠を示してくれているかどうかを見きわめる必要があります。
こちらが要求したことに対し、ていねいかつスピーディに対応してくれるかどうかも非常に重要な判断材料となります。
書類の作成・電話対応などがていねいでスピーディな会社は、一人ひとりのお客様にしっかり寄り添い、売却活動も一生懸命行ってくれる傾向があります。査定の段階で対応が雑だと感じた場合は、候補から早々に外したほうがよいでしょう。
土地の売却が得意、マンションの売却が得意など、不動産会社によって得意とする物件が異なります。そのほかにも、地域も都心が得意、田舎のほうが得意など、売りたい不動産を得意とする会社を選んだほうが売却にかかる期間が短くなる可能性が高いです。
店頭やWebサイトなどでどういった不動産を多く取り扱っているかチェックしたり、担当者に過去の契約実績や得意分野を聞いてみたりするのもよいでしょう。
同じ会社でも正確かつていねいに顧客に寄り添った接客ができる担当者と、そうでない担当者がいます。会社の規模や特徴を見きわめることも必要ですが、信頼できる担当者選びを最優先にしたほうが安心して任せられます。
できる範囲で売主の要望に寄り添ってくれる、宅建の資格を持っているなど、不動産に関する知識が豊富など、総合的に見て自身が一番信頼できると感じた担当者に依頼するのがベストです。
信頼できる担当者に出会えれば、初めての売却で不安なときも親身になってサポートしてくれるはずです。
ここまで不動産会社を選ぶ際のポイントを紹介しましたが、依頼してはいけない不動産会社の特徴も紹介します。
ほかの不動産会社と比べて査定価格が高いものの、資料を見て説明を聞いても、その金額で査定した根拠があいまいな会社は選ばないほうがよいです。高い査定価格を提示して媒介契約を取ることが目的になっているおそれがあります。
査定は基本的に「この金額で売れる」という根拠を提示するものなので、納得できる説明がない場合は依頼するのはやめておきましょう。
不動産会社から渡された査定報告書などの書類を見ると、誤字脱字が多い、印刷が見切れているなど雑につくられていることがあります。そういう会社は担当者だけでなく、会社のチェック体制も整っていないと考えられます。仕事自体が全体的に雑なことも少なくありません。
本来、お客様に渡す書類は間違いがないか何度も確認するのが当たり前なので、細かいミスが複数ある場合は要注意です。
不動産にはさまざまなメリット・デメリットがありますが、査定の際に物件のデメリットばかりを並べて査定価格を下げようとする担当者はあまりおすすめしません。
逆にメリットが少ない物件でもいろいろなところに目を向けて、些細なことでもメリットとして捉えてくれる担当者は、買主にもポジティブな面を積極的に伝えてくれる可能性が高いです。
不動産の売却が初めての場合は、会社選びに慎重になるものです。しかしなかには、検討している段階でしつこく営業をしてくる担当者もいます。
たとえば、何度も返答を急かしてきたり、今月中に契約して欲しいなどの要望を伝えられたりした場合は、売主の気持ちに寄り添っているとは思えません。会社や自分の利益しか考えていないため、別の不動産会社を選択したほうがよいでしょう。
不動産会社に売却を依頼するには、まず初めに査定を依頼します。ここでは、査定から契約までの流れを簡単に紹介します。
所有する不動産の売却が決まったら、まずは不動産会社に査定を依頼します。査定を依頼する方法としては、近隣の不動産会社に問い合わせる、ネットで一括査定を依頼するなどの方法があります。
机上査定は現地には行かず、過去の成約事例・路線価や固定資産税評価額・景気の動向などをもとに行う査定のことをいいます。訪問査定は不動産会社の担当者が実際に現地へ足を運び、物件の状況を確認して査定を行います。
大まかな価格を知りたい場合は机上査定で相場感を知るのもよいですが、実際に売却する場合は訪問査定を依頼しましょう。
査定の結果をもとに、依頼する不動産会社を決めます。これまで紹介してきた不動産会社を選ぶポイントを参考にしながら、自身の希望に合う不動産会社を選びましょう。
媒介契約には、専属専任媒介、専任媒介、一般媒介の3種類があります。専属専任と専任媒介は、1社としか媒介契約を結べませんが、一般媒介は複数社同時に依頼が可能です。
不動産会社とのやりとりを1社に絞りたい場合は、専属専任もしくは専任媒介、複数社に依頼したい、あまり縛られたくないという場合は一般媒介がおすすめです。