不動産売却のノウハウ

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マンション売却前のリフォームは不要?
検討してもいいケースや相場も紹介

賃貸物件を選ぶ際に「リフォーム済」の記載があると、入居者が見つかりやすい傾向にあります。しかし、マンションを売却するときはリフォームが不要といわれることが多いですが、それはどのような理由からでしょうか。

マンション売却前のリフォームが不要な理由やリフォームを検討してもいいケースなどについて解説します。

不動産売却 リフォーム・リノベーション

2024年3月8日

目次

マンション売却前のリフォームは不要?

マンションを売却しようとするときに、リフォームは原則として不要です。その理由を紹介します。

リフォーム費用の回収

リフォームで掛けた費用を売却価格に上乗せして回収したいところですが、実際はそうなりません。なぜならば、買主は中古という意識で物件探しをしているからです。

言い換えると築年数と間取りに見合った予算で探しています。大規模なリフォームをして価格の上乗せをするとこの選択肢から外れてしまい売却が困難になり、結局はリフォーム費用を十分反映できない取引となります。

中古でも綺麗なリフォーム物件を探している買主も一定数いますが、この層を狙うのはプロではない素人には難しく、逆に買主探しの幅を狭めてしまいます。

買主の好み

買主の好みは多種多様です。とくに、キッチンや浴室などの水回り、床や壁のデザイン・材質・色、設備の種類です。

また、買主に小さい子どもや高齢者がいる場合でもリフォーム内容が異なります。たとえば、バリアフリーや畳部屋の設置です。場合によっては、間取り変更を含めた大規模なリノベーションをしたい買主もいます。

こういったケースでは、事前のリフォームは無駄な費用になります。買主の好みにより、リフォーム費用が売却価格に必ずしも反映しないということです。

物価高騰と2024年問題

2023年現在は物価が上昇して部材・設備費用が高くなっているため、リフォーム費用も以前より多額になります。

実際、リフォームに関わるクロスや設備機器は、ここ数年で大きく値上げしています。さらに追い打ちをかけるように2024年問題※を控えており、より一層の物価や人件費の高騰が予想されます。つまり、リフォームに掛けた費用の回収が従来よりも困難な状況になりやすいのです。併せて、買主にとって最近の住宅ローン金利の上昇傾向は、物件価格の選択に影響するため高すぎる中古物件は敬遠される可能性があります。

※2004年問題:働き方改革による物流業や建設業の労働時間・賃金に影響を及ぼす法律施行に関する問題。

新築と比較される

買主の心理として、そもそも中古物件は老朽化していることを前提にしています。

それでも綺麗に越したことはないのですが、過度なリフォームにより販売価格を高くすると新築と比較されてしまいます。どうせならもう少し予算を増やして新築を買おうかという発想につながることもあります。

売主はプロではない

プロはリフォームやリノベーションに対する適切な判断ができます。市場を熟知した上で物件を厳選して、必要かつ効果的なリフォームをするノウハウを持っています。

たとえば、不動産会社が売主としてフルリフォームやリノベーションマンションを販売していますが、これは過去の販売動向データを分析した上で、更に物件や設備を安く仕入れているから成り立つのです。

個人の売主が市場に合わせたリフォームを行うことは簡単ではありません。

リフォームを検討していいもケースと相場

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設備や建具の故障・破損

買主が内覧の際に、大きなマイナス要素となるものはいくつかあります。

たとえば、子どもによる落書きだらけな壁、クローゼットのドアの開閉ができない、クロスがあちこち剥がれて垂れ下がっている、ガラスが割れている、各部屋のドアおよび窓の開閉がよくない、などです。しかし、これらは数万円ほどで修復できます。

また、買主は水回りを気にするため、各水道管のパッキン交換やシャワーヘッド、ホースの老朽化により水の流れが悪い場合は交換してもよいでしょう。逆にウォシュレットや給湯器には好みがあるため即交換するかは吟味しましょう。

キッチン・トイレ・風呂といった水回り本体の大きな不具合については、安易に交換するのは避けましょう。多額の費用が掛かりますし買主の好みもあります。それよりは、販売価格の値引きに反映させて様子を見るのが妥当です。

全体的な汚れ

室内があまりにも汚れているときは、買主の第一印象が悪くなり購買意欲が下がります。

また、最近は煙草を吸わない人が増えているため、煙草のヤニや臭いも敬遠される要因です。ペットを飼っていて、壁や床が著しく傷ついている場合も同様です。

このようなときは、消臭クリーニングやクロスの一部貼替、壁・柱の一部修復を検討しましょう。相場としては、クロス貼替は1㎡あたり1,000円前後、ハウスクリーニングは2LDKで6~8万円・3LDKで8~10万円、消臭クリーニングは煙草臭が3~5万円・ペット臭が3~10万円程です。

内覧数が多いのに申し込みに至らない

内覧数の割に申し込みが入らない主な原因は、価格の割高感・マンション全体の状況・物件内部の個別状況などが挙げられます。

このうち、物件内部の個別状況が原因であるならばリフォームを検討しましょう。しかし、必ず販売仲介を依頼している不動産会社に相談してください。なぜならば、内覧者がなぜ申し込みに至らなかったかの理由を一番よく知っているからです。つまり、無駄なリフォームを省いて効率的にできます。

マンションをリフォームなしで売却するときのポイント

リフォームしなくても、買主の目に留まる方法はあります。無駄に大きな費用を掛けずに効率よく準備しましょう。

ハウスクリーニング

第一印象をよく見せるための必須ともいえる対策です。費用も安価で時間も取らないので、物件が相当きれいな状態でなければ基本的に必要な作業です。

とくに、売主が喫煙していた場合やペットを飼っていたときは、クロスの汚れや壁・柱の傷だけではなく臭い対策もしておきましょう。また、風呂・トイレ・キッチン・洗面所などの水回りは、たとえリフォームしていなくても綺麗にしておくと、古くてもかなり印象がよくなります。

ホームインスペクションと瑕疵保険

建築士などの専門家による建物状況調査です。インスペクションにより建物の安全性や劣化状況が判ることで、建物への信頼性と安心感が生まれます。価格に対する納得感を証明する効果も期待できます。

こういった情報提供は、買主にとってどこをどの様にリフォームするべきかの判断材料となり喜ばれます。また、インスペクションにより一定以上の性能が認められると、瑕疵保険にも加入できます。

販売広告で「インスペクション実施済み」と宣伝すると目にとまりやすくなり、内覧への反響率も上がるためおすすめです。

価格交渉に応じられる金額調整

中古物件は新築物件以上に、買主からの価格交渉が発生する取引です。

このとき、もし大規模なリフォームで費用を捻出していると交渉に応じきれません。下手にリフォームで費用を掛けて価格交渉に応じられないよりも、その分値引き交渉に応じられる余裕があるほうが取引はうまく成立しやすくなります。

売買は取引です。リフォームに費用が過度に掛かっていると柔軟に対応できません。

信頼できるプロへの相談

販売広告の内容も含めて、信頼できるプロに相談しましょう。

まずはリフォームの要否判断を相談します。売買契約の成立に時間が掛かっているときは再度相談です。その際には安いリフォーム業者の紹介も期待できます。

場合によっては、不動産会社に買い取ってもらうほうが良いときもあります。こうなると、もはやリフォームは完全に不要となります。

リフォームの可否は自分で考えても適切な答えを出すことは難しいです。まずは不動産会社に相談して、どの選択肢が最適なのかを見極めましょう。

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