不動産売却のノウハウ

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金利上昇で不動産価格は下落する?
金利が変動する際の不動産売買のポイント

金利が上昇し住宅ローンの利息が増加すると、購入者の支払い能力に制限が生じ、結果として不動産価格の下落につながる可能性があります。

また、不動産投資のリターンが減少し、投資家はほかの資産クラスへの投資を検討するかもしれません。売り手市場が買い手市場に変わる可能性もあるでしょう。

金利上昇と不動産価格の関係性について詳しく解説します。

不動産売却 費用・税金

2024年7月12日

目次

金利上昇で不動産価格が下落するといわれる理由

一般的に金利が上がれば借入コストも増加するため、不動産価格は下落傾向になります。金利上昇で不動産価格が下落するといわれる理由は以下のとおりです。

住宅ローンの総返済負担が増える

金利が上昇すると、住宅ローンの貸出金利も高くなり返済総額が増加します。返済総額が増加すれば、住宅ローンを利用して購入した場合の返済負担が増えるため、住宅需要が減少します。そのため、再び需要を高めるべく、不動産価格は下落傾向になります。

一方で金利が上昇すると、金融機関が抱える返済リスクも高まるため、住宅ローンにおける貸出金額や返済期間の上限も厳しくなりがちです。その結果、住宅ローン審査における貸出金額や返済期間の減少に合わせて、不動産価格も下げざるを得なくなります。

さらに、金利の上昇は変動金利を選択した住宅ローン利用者の返済総額にも影響を与えます。金利上昇にともない、返済中に適用される金利の見直しがおこなわれるためです。

現在、住宅ローン利用者の多くが変動金利を選択しています。国土交通省住宅局が公表する令和5年度における「民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書」によると、新規貸出額における変動金利型の割合は、平成30年度60.5%、令和1年度63.1%、令和2年度70.0%、令和3年度76.2%、令和4年度77.9%と増加の一途をたどっています。

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国土交通省「民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書

また、貸出残高における変動金利型の割合においても、平成30年度末58.5%、令和1年度末60.5%、令和2年度末61.9%、令和3年度末65.7%、令和4年度末67.7%と増加傾向が続いています。

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国土交通省「民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書

以上のデータからもわかるように、金利が上昇すると、住宅購入の需要減少かつ返済中ローン負担の増加を起因とした売却による中古不動産が市場に流通します。その結果、市場における不動産の流通量は飽和状態となり、不動産価格は下落に転じるという可能性があります。

不動産投資に参入しにくくなる

金利が上昇すると、貸出金利も高くなり返済総額は増えてしまいます。その結果、金融機関の貸出リスクも高くなるため、不動産投資のローン審査も厳しくなりがちです。

金融機関の動向から新規の不動産投資家たちは、ローン審査を通過することが難しくなり不動産投資に参入しづらくなります。また、投資物件を扱う不動産開発業者も、貸出金額や返済期間の上限が下がることから、販売価格を下げざるを得なくなり、不動産価格は下落します。

投資家や開発業者はいずれも金利の変動に敏感です。金利の上昇にともなうローンコストの増加は、投資家や開発業者の利益率を圧迫します。そのため、投資家の不動産取引に対する意欲が低下し、需要が減少することで、不動産全体の価格下落につながります。

購入希望者が減ると価格競争になりやすく、不動産価格が下がる傾向

不動産市場において需要が減少するということは、買い手が少ない状況を指します。需要が減ると、不動産物件の競争力は弱まります。

複数の買い手が同じ物件を求める場合は、需要が低い状況では競り合いも起きず、価格は下落に転じやすくなります。

さらには、需要の減少から価格競争が緩和されると、不動産市場においても価格調整効果が働きます。通常、物件の所有者は市場価格に合わせて価格を調整し、購入希望者との交渉余地を持ちながら売却を進めることが可能です。

こういった価格調整が不動産価格の下落をうながす要因になります。

以上のような要因が組み合わさることで、不動産の購入希望者が減ると価格競争は緩和され、不動産価格は下がりやすくなるでしょう。

金利上昇で不動産価格が上昇するという可能性も

金利上昇によって、不動産価格が必ずしも下落傾向に転ずるとは限りません。金利上昇にともない不動産価格の上昇が予測される理由は、以下のとおりです。

持ち家志向の人は、金利が上昇しすぎる前に買い急ぐ可能性

金利が上昇すると、不動産価格も上昇するという考え方もあります。その理由は、金利が上昇することで建築資材や人件費なども上昇するため、販売業者は不動産価格を上げざるを得ないと考えるためです。

また、不動産を建築する際にはデベロッパーも金融機関からの借入を利用するため、金利の上昇とともに資金の調達コストが上がり、不動産価格を上げざるを得なくなります。

さらには、円安を起因とする外国人投資家からの不動産需要の増加も価格を押し上げる要因です。特に、ワンルームを中心としたマンション投資は根強い人気があります。

以上のことから、金利の上昇が過剰になる前には、持ち家志向の強い人による買い急ぎが予測されています。

【真相】需要の低い地域は金利上昇で不動産価格が下落しやすい

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不動産需要の低い地域で、金利上昇にともなう不動産価格の下落が起きやすい理由は複数あります。

地方都市などの地域では人口減少や少子高齢化が加速し、若年層の人口減少が顕著です。その結果、不動産需要が低下し、物件の売買取引数が減少します。

また、地方都市の地域では、需要に対して供給過剰が散見される状況です。背景には人口減少や空き家問題などがあり、新規の不動産供給が過剰になっています。

金利上昇にともない需要が減少すると、供給過剰がより顕著になるため、価格競争が激しくなります。さらには、地方都市の地域では、経済活動の停滞や産業の衰退が加速していることも顕著です。

そのため、金利が上昇すれば財政負担は増加し、地域経済がさらに悪化する危険性も高まります。このような状況下では、不動産市場は衰退し、価格が下落しやすくなります。

結局、不動産の売買はいつがいいの?

不動産の売買は、金利上昇時、通常時、下落時で、それぞれでどのようなメリットがあるのでしょうか。以下では、状況や目的別に不動産の売買はいつがよいのかについて解説します。

需要の高い物件購入なら、下落は待たないほうがよい

需要の高い物件購入において金利の下落を待つかどうかは、市場の状況や投資戦略、購入者のリスク許容度によって異なります。

需要の高い物件は市場での競争が激しいため、価格が上昇しやすい傾向にあります。そのため、金利は下がったとしても価格が上昇し続けている可能性も否めません。

むしろ金利が下がると需要は一層高まり、物件価格がさらに高くなることも考えられます。また、金利は市場の経済状況や中央銀行がおこなう政策の影響を受けるため、いつ金利が下がるか予測はつきません。

金利の下落を待つこと自体が、予測不能でリスキーかもしれません。さらには、物件購入が不動産投資である場合には長期的な視点で考え、物件の立地や需要の持続性、将来の成長ポテンシャルなどを考慮する必要があります。

購入が投資目的である場合は、金利の下落だけに依存せず、物件の長期的な投資価値を考えることが重要です。

金利上昇でも物件の状態によっては売り出したほうがよい

金利の上昇は住宅ローンの返済負担を増加させるため、物件購入をちゅうちょする顧客が増えるリスクがあります。

金利上昇中の状況においては、需要がまだ高い状態で売り出すことで、早期売却につながります。

また、金利が上昇すると、投資用物件のキャッシュフローは減少する可能性があります。投資用物件は家賃収入が固定されているため、ローンの支払いが増えることで収益性も損なわれます。

このような場合には、物件の売却を検討することで、リスクを軽減することが可能です。

さらには、金利上昇の影響から、不動産市場全体の物件価値が下落することも危惧されます。

さらには、金利上昇の影特に、需要の低い地方の物件では価格下落が顕著に表れます。このような状況では、物件価値がまだ高いうちに売却することで、将来の価値減少リスクを回避することが可能です。響から、不動産市場全体の物件価値が下落することも危惧されます。

不動産価格下落を待って不動産売買したほうがよい人は?

不動産価格の下落を待ってから不動産売買したほうがよい人には、以下のようなケースが考えられます。

  • 不動産投資家の人
  • 自己居住用物件の購入を検討している人
  • 長期的な視野を持つ人

不動産投資家の人

不動産投資家とは、不動産を投資目的で保有し、不動産価格が下落したタイミングで安値になった物件を購入することで将来的な収益を得ようとする人のことです。

不動産投資家であれば、不動産価格の下落を待ってから購入するのが適しています。不動産市場が低迷しているときに不動産を購入することにより、将来的な資産価値の向上やキャピタルゲインが期待できます。

不動産自己居住用物件の購入を検討している人投資家の人

自分が居住する不動産を購入する場合には、不動産価格が下落するのを待つことで、よりリーズナブルな価格で物件を購入することが可能になります。

特に、不動産需要の低い地方都市や不動産市場が低迷している地域では、価格の下落を待って購入するのが得策です。

長期的な視野を持つ人

長期的な視野を持つ人とは、不動産価格の変動に敏感で、将来的な需要の回復や価格の上昇を期待している人のことです。

長期的な視野を持っているのであれば、不動産価格が下落するタイミングを待ち、将来的な価格上昇による資産価値の上昇を見込んで購入することが可能です。

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