不動産売却のノウハウ
急にまとまったお金が必要な状況が発生して、所有している不動産を現金化したいケースがあります。
不動産を現金化するには、一般的な不動産売却以外にもいくつかの方法がありますが、特におすすめするのは不動産買取です。
本記事では、不動産を現金化する4つの方法や不動産買取をおすすめする理由などを徹底的に解説します。
2022年9月12日
不動産を現金化する4つの方法をわかりやすく紹介します。
不動産を現金化する方法の代表的なものが、仲介による不動産売却です。不動産会社に仲介してもらい、買主を探してもらいます。
この不動産仲介では、買主が見つかって売買契約ができれば、不動産会社に報酬として仲介手数料を支払います。
ただし、買主がすぐに見つかるとは限りません。場合によっては、買主が見つかるまで数カ月かかることもあるため、急いで現金を手に入れたい事情がある方にとってはリスクがあります。
リースバックは、不動産売却後も買主に家賃を払って、売却した不動産に住み続けられる方法です。
買主からすると、購入した不動産を貸して家賃をもらうため、投資目的に近いかもしれません。そのため、投資用として魅力的な不動産でないと、なかなか買主が見つからないおそれがあります。
しかし、買主を探す必要はあるものの、売却後もその家に住み続けるうえ、引っ越しや仮住まいの費用が発生しないというメリットがあります。
リバースモーゲージは、自宅を担保に金融機関から借り入れし、そのまま自宅に住み続けられる方法です。借入人が死亡すると、担保となっていた自宅を処分し、そのお金で返済するシステムです。
老後の生活が年金だけでは難しいといった理由で利用する人が増えているようです。
融資限度額まで使い果たしてしまうリスクや金利が変動するリスクなどがあること、またあくまで借金であることを理解しておきましょう。
仲介による不動産売却では買主を探す必要がありますが、不動産買取では不動産会社が買主です。
そのため、買主が見つかるまで現金化できない不動産仲介よりスピーディーに現金化できます。詳しくは後ほど紹介しますが、すぐに現金を手に入れたい事情がある方には、不動産買取がおすすめです。
すぐに不動産を現金化したい場合は、不動産買取がおすすめです。ここでは、不動産買取の仕組みやメリット、デメリットを紹介します。
不動産買取の場合、最短約1カ月で不動産を買い取ってもらえます。
不動産仲介の場合は、最短で約3ヵ月〜半年は売却に時間がかかります。物件状態や需要によっては数年かかるケースもあるようです。なお、一般的にはマンションより一戸建てのほうが売却に時間がかかるといわれています。
不動産買取の場合、不動産会社が買主となるため、すぐに売買契約を締結できます。
不動産買取が可能な不動産会社に査定してもらい、提示された買取価格に納得できれば、早ければ1ヵ月を待たずして現金化できるケースもあるようです。ただし、これは即時買取を行っている不動産会社を選択する必要があります。
不動産買取の場合、家を売る相手は不動産会社です。不動産会社は買い取ったあと、クリーニングやリフォームをしてから、家を市場に売りに出します。つまり、売主側は面倒なことを一切しなくてよいというメリットがあります。
しかし、不動産会社にとっては、家を買い取ってから売却するまでにリフォーム費用などの出費があります。そのため、買取価格は不動産仲介の売却価格より低く、相場の約7~8割といわれています。
また、不動産会社が提示する不動産の査定価格は、「このくらいで売れるであろう」という予想金額です。
しかし不動産仲介の場合は、なかなか買主が見つからないと、査定価格より低い売り出し価格を設定します。また、買主との交渉によって売却価格を値下げすることもあります。つまり不動産仲介の場合は、必ずしも査定価格が売却価格になるわけではありません。
不動産買取の場合は、買い取ってくれる不動産会社が査定をするため、ほぼ査定価格のまま売却できるでしょう。
不動産買取はメリットも多いですが、もちろんデメリットもあります。
不動産買取と不動産仲介を比較して、どちらが自分の条件に合うのかを検討しましょう。
不動産買取と不動産仲介の比較表
不動産買取 | 不動産仲介 | |
---|---|---|
仲介手数料 | 不要 | 必要 |
売却期間 | 短期間(7日~1ヵ月) | 長期間(3ヵ月以上) |
売却価格 | 不動産仲介より低い | 不動産買取より高い |
契約不適合責任 (旧「瑕疵担保責任」) |
免責あり | 免責なし |
売却活動 (広告や内覧など) |
なし 周囲に気づかれにくい |
あり 周囲に気づかれやすい |
契約不適合責任とは、売却した物件に瑕疵や不具合、契約内容と異なる点が見つかった場合に、売主が負う責任のことです。売主は買主から、代金の減額や損害賠償を請求されます。
ただし、不動産買取のように買主が不動産会社の場合は、この契約不適合責任が免除されます。
また、不動産買取は築古の物件や事故物件も買い取ってもらえます。しかし、物件の状態によっては買取を断られることもあるので注意しましょう。
買取保証とは、不動産仲介でなかなか売れない不動産を、最初に取り決めた金額で最終的に不動産会社が買い取ってくれる保証です。
不動産仲介によって高値で家を売却したいが、一定期間が過ぎても売れないのは困るという人におすすめです。まさに、不動産買取と不動産仲介の良い所取りといえるでしょう。
不動産仲介による売却期限は、基本的に3カ月と決まっています。さらに、買取価格も買取保証額が設けられているため、予算などの計画が立てやすいです。
ただし、買取保証による買取価格は、不動産買取の場合と同様に、不動産仲介より低くなってしまいます。
また、買取保証を利用するには、不動産会社と専属専任媒介契約を締結する必要があります。専属専任媒介契約を結んでいる間は、ほかの不動産会社に変更したり依頼したりできません。
そのため、買取保証を依頼する不動産会社は慎重に選ぶのが重要です。
スムーズに不動産買取を行うには、注意点を知っておきましょう。
住宅ローンが残っている家を買い取ってもらいたい場合は、まず以下4つのポイントを確認しましょう。
アンダーローンの場合は、買取代金で住宅ローンを完済できるため、問題ありません。しかしオーバーローンの場合は、ほかの方法で完済する必要があります。
基本的に、不動産は住宅ローンを完済しないと売却するのが難しいです。
その原因は、住宅ローン返済中の家に金融機関が設定している抵当権の存在です。
抵当権が設定されていると、住宅ローンの返済ができなくなったとき、その家が強制的に競売にかけられます。そのため抵当権の登録を抹消しない限り、市場で家を売り出すのは難しいです。
不動産会社も抵当権が付いたままの不動産は、抵当権登録を抹消されてから買い取ります。
抵当権を抹消するには、原則住宅ローンを完済する必要があります。
不動産会社に早く買い取ってもらえても、買取価格が低いと十分な資金が手に入らないおそれがあります。
建物は築年数が経過するほど、価値が下がっていきます。中古マンションと木造一戸建てを比較すると、下落率は中古マンションのほうが低いようです。
このように不動産の買取価格は、場所や一戸建てやマンション、新築か中古などで異なります。そのため、それぞれの買取価格の相場を調べてみるとよいでしょう。
複数の不動産会社に査定を依頼して比較するのもよいですし、自分でチェックするのもよいでしょう。
自分で調べる場合は、国土交通省「土地総合情報システム」などのオンラインサービスやシミュレーションサイトを活用するとよいでしょう。そのとき、買取価格は市場価格の約7~8割になることを理解しておきましょう。
せっかくスピーディーに売買できたのに、買取価格が異様に低く資金調達が困難な状態を避けるためにも、事前に相場を知るのは大切です。
不動産会社のすべてが不動産買取に対応しているわけではありません。リースバックや買取保証、即時買取など、目的にあったサービスがあるかも確認が必要です。
また不動産会社によって、物件の得意不得意があります。マンションの買取に特化した不動産会社もあれば、一戸建てに特化している会社もあります。
買取実績が豊富な複数の不動産会社に査定を依頼して、その中で最も査定価格が高い不動産会社を選択するとよいでしょう。不動産仲介と違い、査定価格がそのまま買取価格になりやすいからです。
さらに、親身に対応してくれる不動産会社であれば、買取後に契約の不手際が発覚するようなトラブルを避けられるでしょう。
自分の大切な資産である不動産を、安心して任せられる不動産会社に相談することが重要です。まずは、気になる不動産会社に気軽に相談してみてはいかがでしょうか。