不動産売却のノウハウ
不動産会社に不動産を直接買い取ってもらう不動産買取は、内覧などの売却活動が必要ないため、すぐに現金を手に入れたい方におすすめです。
しかし、不動産の知識が十分にないと、安全な取引ができるか不安があるでしょう。
本記事では、不動産買取でよくあるトラブルと回避する方法を紹介します。また、悪質な買取業者の特徴も把握して、安全な不動産買取を成功させましょう。
2022年11月14日
ここでは、不動産買取で売主が気をつけるべき4つのトラブルを紹介します。
不動産会社に、相場よりかなり低い価格で買取されてしまうトラブルがあります。
買取価格は、不動産会社の査定によって決まります。一般消費者の無知につけ込んで、市場相場からかけ離れた金額で買いたたく不誠実な対応をする不動産会社には注意しましょう。
しかし多少知識があっても、それらしい理由をつけられてしまうと、提示された買取価格が妥当かどうかを見抜くのは一般消費者には難しい面があります。
不動産買取における物件の引き渡し条件は、不動産会社によってさまざまです。家具や照明器具、エアコンなどの空調設備は処分が不要なことが多いようです。しかし中には、引き渡し後に処分費を求められるケースがあります。
生産緑地地区とは、30年間にわたり農業を続けるのであれば固定資産税の減額、相続税および贈与税の支払い猶予などが認められた農地のことです。
この制度は1992年に開始され、30年間という指定期間が終了するのが2022年となり、現在、多くの農地において活用が見直されています。
特に相続税や贈与税の猶予を受けている場合、生産緑地の途中解約を行うことにより猶予期間が打ち切られます。猶予期間が終了した場合、いままで猶予されていた税金全額の支払いが必要となるだけではなく、その猶予期間の利息さえも計算して支払う必要が発生します。
また、本来は手数料が発生しないはずなのに、契約後にコンサルタント料などと称して高額な手数料を請求されるケースもあるようです。
このようなトラブルに巻き込まれないために、不動産買取で経費などが発生しないかをあらかじめ確認しておきましょう。
不動産を取引する契約には、リースバック契約というものが存在します。
リースバック契約とは、住みながら家を売却できる特殊な買取方法です。住宅ローンの返済やセカンドライフの資金を確保したいと考える人が増え、近年注目されています。しかし契約内容の複雑さから、内容を理解せず契約して後悔する方が増えています。
たとえば契約期間が想定していたよりも早く、満了後の再契約を断られたり、修繕費用でもめたりなどのトラブルが発生するおそれがあります。
不動産買取を相談したときに、リースバックなどほかの契約を提案されたら、まずはその内容をしっかりと確認しましょう。
基本的に不動産買取では、クーリングオフができません。なぜならクーリングオフは「一般消費者が買主である場合に保護する制度」であるためです。
不動産買取の場合は、一般消費者である私たちが売主となるため、制度の解除要件には該当しません。
もちろん詐欺の被害を受けたと明らかに判断できる案件の場合は、警察や弁護士に相談すれば対応してもらえるでしょう。しかし、その場合手続きに時間がかかりますし、裁判を行う際には費用も発生します。
クーリングオフを使えばよいからと考えて、安易に契約し後悔しないように注意しましょう。
不動産買取のトラブルを、売主はどうすれば回避できるのでしょう。ここでは、トラブルを回避する具体的な方法を紹介します。
適正な買取価格なのかどうかを判断するには、事前に不動産の相場を把握しておくことが重要です。いろいろな情報源から多面的に調べておきましょう。
たとえば、以下の方法でリサーチを行うのがおすすめです。
国土交通省の「土地総合情報システム」では、実際に取引された価格を調べられます。築年数や建築規模、構造、用途など細かく絞り込みが可能です。販売相場を把握したうえで、このサイトで取引価格をリサーチすれば売れやすい価格相場が導き出せます。
ただし注意が必要なのが、不動産買取の買取価格は、不動産仲介の売却価格と比べて約7〜8割になるということです。その理由は、不動産会社は買い取った不動産をリフォームなどを行ってから販売するからです。不動産会社は、リフォームにかかる費用などを差し引いて買い取ります。
そのため、販売物件の価格や実際の取引価格を調べたら、約2~3割差し引いたものを買取価格の目安として考えましょう。
トラブルの原因につながる以下のような契約内容をしっかりチェックしておきましょう。
契約を締結すると、簡単に契約内容の変更や解約はできません。あとになって知らなかった、とならないように契約書はすみずみまで確認しましょう。
不動産買取のトラブルを回避する一番効果的な方法は、信頼できる不動産会社に依頼することです。
もちろんほとんどの不動産会社は、宅地建物取引業法にのっとって真摯な対応をしてくれるでしょう。しかし、一般消費者の足元を見た、悪質な不動産会社もいるのは事実です。
不動産の買取実績が豊富で親身になって対応してくれる不動産会社であれば、注意するべきポイントを把握しているため、トラブルは起きないはずです。
信頼できない悪質な不動産会社の特徴を知って、リスクを減らしましょう。
不動産買取の場合、不動産の査定価格がそのまま買取価格になります。そのため基本的には買取価格が高い不動産会社に依頼するとよいでしょう。
しかし、査定価格が相場とかけ離れて高額な場合は、注意が必要です。悪質な業者の場合、査定価格で契約したあとに、家財の処分費や本来は必要のない高額な手数料を要求してくるおそれがあります。
そもそも不動産会社は商売で不動産を取り扱っています。買い取った不動産に付加価値などを付けて販売し、利益を得る目的があります。そのため、買取価格は少しでも抑えたい気持ちがあるはずで、相場より高額なケースは明確な理由が存在するはずです。
周辺相場より高い査定価格を提示された際は、なぜこの査定価格なのか、相場より高い理由はどこにあるのか、など高く設定した根拠をしっかり聞き取りましょう。
不動産会社が小切手で買取代金の支払いを行おうとするケースも注意が必要です。
なぜなら偽装された小切手や、金融機関への預金不足で買取代金をもらえないおそれがあるためです。
基本的に、不動産取引は現金でやり取りが行われます。代金受領と同時に所有権が移転されるためです。
小切手のようにあとから現金の引き出しが行われる支払い方法は、先に不動産の所有権が移転してしまうため、非常に危険な行為です。
小切手での支払いを求められた際は十分注意しましょう。
訪問や電話で「自宅を売ってほしい」などとしつこい営業を繰り返す不動産会社にも注意しましょう。
不動産会社などの宅地建物取引業者(宅建業者)は、迷惑だと感じる時間の勧誘や長時間の電話や訪問による勧誘は禁止されています。「ノルマがあるから」といわれたとしてもルールがあります。しつこいなと感じたらキッパリと断りましょう。
宅地建物取引業法では、契約を締結しない意思表示をした場合は、勧誘を継続してはいけないと定められています。そのため優良な不動産会社であれば、断られたあとまでしつこい勧誘はしないはずです。
不動産買取は、大切な資産をお金へ変える行為です。トラブルにあわないためには、しっかりと契約内容や買取価格の根拠を確認することが重要です。
とはいえ、不動産に関する知識を十分に身に着けている方は少ないでしょう。
まずは買取実績が豊富で、親身になってくれる不動産会社に気軽に相談することから始めましょう。