不動産売却のノウハウ
「まとまった費用が必要」、「住み替えする」などと不動産を売る目的はそれぞれです。どのような目的があるにせよ、次の計画を立てるためには家が売れてお金が手に入るまでの流れや期間は把握しておきたいところです。
この記事では、家が売れてお金が手に入るまでの流れや期間、そして現金を早ければ数日で手に入れる方法を紹介します。
2022年11月14日
家を売るならば、買主との間には不動産会社を入れるのが一般的です。これを不動産仲介といい、成約時には不動産会社へ仲介手数料を支払います。売却活動をサポートしてもらえるので便利ですが、時間と費用がかかるというデメリットがあります。
返済が滞ると、保証会社が金融機関へ住宅ローンを代位弁済し、そのあと家の競売という流れになります。詳しくみていきましょう。
住宅ローンの返済が遅れると、金融機関は電話やハガキで督促をします。それでも3〜6カ月にわたって一切の返済をしないと、保証会社が借主に代わって銀行に住宅ローンを全額返済する「代位弁済」が行われます。
不動産仲介で売る場合の引き渡しまでの流れや、かかる費用をみてみましょう。
一般的な不動産売却に伴う流れを紹介します。
まずは、家を売りたい旨を不動産会社へ相談します。「いつごろ売却したいか」「いくらで売りたいか」といったことを聞かれます。大まかで構いませんので答えられるようにしておきましょう。
また、図面や契約書、立地のわかる資料、固定資産税評価証明書などを持参すると、具体的に話を進めることができます。住宅ローンの早期返済が目的であれば、残高のわかる資料も用意しておくとよいでしょう。
不動産を売るのは初めてで、右も左もわからないという人がほとんどです。オンラインでの相談もありますが、店舗で担当者と会って相談することをおすすめします。対面で資料を確認しながら相談できるので、初めてでも安心です。
不動産会社に家の査定をしてもらいます。
査定には机上査定と訪問査定の2種類があります。机上査定は、不動産会社が独自に項目を数値化して計算していきます。スピード感がありますが、実際に物件を確認しないため正確性に欠けます。
訪問査定は実際に担当者に来てもらって査定を受けます。建物の状態も含めてチェックするため、机上査定に比べて精度が高くなりますが、やや時間がかかります。
売却活動をお願いする不動産会社が決まったら、媒介契約を結びます。媒介契約を結ぶことで、物件をポータルサイトに掲載してくれたり内見対応をしてくれたりと、売却活動をサポートしてくれます。
媒介契約には次の3種類があります。契約期間や売主への状況報告期間などが異なるので、しっかりと説明を受けたうえで選ぶようにしましょう。
売却活動は基本的に不動産会社へお任せします。売主が実際に行うことは、購入検討者からの質問が入った際の回答や内覧対応です。
内覧は週末に入ることが多いので、予定を空けておき、室内は奇麗に掃除をしておきましょう。内覧者が気に入れば後日申込書が届きます。
売主と買主の条件が整ったら、不動産会社の担当者も同席の元、売買契約を締結します。
このタイミングで、買主から手付金を受け取ります。相手が個人であれば手付金の上限はありませんが、目安は物件価格の5%程度で、現金で受け取るのが一般的です。
あわせて、媒介契約を結んでいる不動産会社へ仲介手数料の半金を支払うことが一般的です。不動産会社ごとに規定が異なるので、確認しておくようにしましょう。
決済と引き渡しは基本的に同日に行います。当日は買主からの手付金分を除いた残代金が支払われます。あわせて住宅ローン完済、抵当権の抹消登記も行います。
決済には、売主、買主、双方の仲介会社、司法書士が立ち会うことが一般的です。買主が住宅ローンを使って購入するときは、買主が利用する金融機関のブースで決済を行うこともあります。
お金の受け渡しと書類の確認が終わったら、鍵を渡して引き渡し完了です。
不動産の売却活動にはそれなりの期間を要します。相談から引き渡しまでの期間はマンションで約6カ月、戸建住宅になると約10カ月かかるといわれています。
売却にかかる期間は時期にも左右されます。年度が変わるタイミングで引っ越しを希望する人が多いため、1〜3月ごろは買主がみつかりやすく、売却期間は短くなる傾向にあります。
売却活動をするにあたって支払う費用はいくつかあります。支払うタイミングごとにまとめたので、確認してみてください。
相談から売却活動の期間に費用は不要です。査定も多くの不動産会社が無料にて行っています。
媒介契約時も、支払う費用はありませんが、特別な広告宣伝活動をお願いしたときや、遠隔地への調査を行ったときに、実費を請求されることがあります。媒介契約のタイミングで確認しておきましょう。
不動産の売買契約書には、収入印紙を貼付します。印紙代は契約金額によって異なります。なお、令和6年3月31日までに作られた契約書は軽減措置の対象となります。
契約書は2通作成され、買主、売主がそれぞれの分に対して印紙税を負担します。また、不動産会社によっては、このタイミングで仲介手数料の半額を請求することもありますが、引き渡し時に一括払いの場合もあります。なお、仲介手数料は下記計算式によって求められます。
売却価格×3%+6万円+税
引き渡し時に払う費用は次のようなものがあります。
状況によっては、かかる費用は次のようなものがあります。
さらに、家に関する重要書類を紛失していたら再作成にも費用がかかります。
不動産仲介は、市場相場に近い価格で取引ができる反面、時間もかかり、費用負担が多いことがわかりました。資金にも時間にも余裕がないとき、活用できるのが次に紹介する「不動産買取」です。
不動産買取は、売ったお金がスピーディに手元に入り、かつ売却費用も抑えられるのが特徴です。
不動産仲介は、不動産会社に相談したのち、買主を探してもらうことになります。市場相場に近い高い金額で売れることもある反面、いつ買主が見つかるかわからない、思った金額で売れずに価格を下げざるを得なくなるといった不確実要素がデメリットとなります。仲介手数料も必要なため、現金の持ち出しは数十万円から百万円以上となることもあります。
そんなときに選択肢に入ってくるのが、不動産買取という方法です。不動産買取は、相談した不動産会社がそのまま家を買い取ってくれます。
不動産買取は市場相場よりやや低い金額で取引されることが多いですが、双方が合意したらすぐに買取されるので、即金性にも優れています。早いところでは48時間以内に現金化してくれる不動産会社もあります。しかし、すべての物件が買取対象となるわけではありませんので、不動産会社へ事前に確認しておきましょう。
不動産買取は仲介手数料がかかりません。不動産仲介に比べて諸費用を大きく抑えられます。不動産買取に実際にかかる費用は次のとおりです。
ハウスクリーニングは必要ないとする不動産会社も多いです。不動産買取は、手元資金の持ち出しを極力抑えられるのが魅力です。現金が手元に残るかどうかは今後の生活の立て直しにも影響が出ます。
このように不動産買取には多くのメリットがあります。不動産売却時には自身の状況に合わせて不動産買取を利用してみてはいかがでしょうか。