不動産売却のノウハウ

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3000万で買った家はいくらで売れる?
10年後、20年後の価値をシミュレーション

住み替えや相続など、家の売却を検討する理由は人それぞれですが、なるべく高く売りたいと考えるものです。

しかし、実際にいくらで売れるのかは、売却を経験したことがある人でないとイメージしにくいでしょう。今回は、3,000万円で買った家を10年後、20年後に売ると仮定して考えてみましょう。

2023年1月16日

目次

3000万で買った家はいくらで売れる?

新築で購入した家も、誰かが一回でも入居すると、その瞬間から中古として扱われます。

建物は経年劣化するため、家の価格は築年数が大きく影響します。戸建てでは築1年で建物の価格が約10%、築2年で約15%も減少してしまいます。

3,000万円で買った家がいくらで売れるのか、という疑問は売却時期によって大きく変わってしまうのです。

築年数別!価格シミュレーション

3,000万円で買った家は、築年数によってどのように変化するのかシミュレーションしてみましょう。

下記は、築年数による建物の価格変化を表したグラフです。ここでは、オレンジの線で示している木造戸建住宅を確認してみます。

築年数による建物の価格変化 図

引用:国土交通省「中古住宅流通、リフォーム 市場の現状

築1年で約10%、築5年で約30%の減少していることがわかります。これをもとに、以下の条件で3,000万円で買った家の価格を算出してみます。

  • 建物の価格:2,000万円
  • 土地の価格:1,000万円(変動なし)
築年数 建物価格の減少割合(%) 現在の価格(万円)
築1年 10 2800
築3年 20 2600
築5年 30 2400
築10年 55 1900
築20年 95 1050

なお、木造戸建ての耐用年数が20〜22年と定められています。そのため実際は、築20~25年の戸建て住宅は建物の価値はほぼないとされています。

3000万円の家の10年後の価値

10年後、3,000万円で買った家の価値はどうなっているでしょうか。

まず、築年数が10年経過している時点で、家の価値は下がっています。

しかし、もし土地価格が上昇基調であれば、家の価値も比例して下がりにくくなります。詳しくは後ほど解説しますが、土地の価格や中古住宅市場の動向は押さえておく必要があるでしょう。

過去に起きたバブル崩壊やリーマンショックのあとに、土地の価格が下がったこともあります。価値を高めるには、幅広い視野を持って経済状況なども見極めましょう。

家の価格を評価する方法

家の価格は、築年数以外にもさまざまな要因で変化しますが、どのように評価されるのでしょうか。

取引事例比較法

取引事例比較法とは、過去の取引事例をもとに、以下のような比較要因を調査したうえで評価額を算出します。

  • 不動産市場
  • 周辺環境
  • 物件の維持管理状況
  • 最寄り駅からの距離
  • リフォームやリノベーションの状況

また、地域別でも価格は変動します。

原価法

引用:国土交通省「中古住宅流通、リフォーム 市場の現状

原価法とは、いまの建物を新築する際にかかるであろう費用を計算し、そこから経年劣化に伴い発生する減価額を差し引いて価値を求める方法です。

具体的な計算式は以下のとおりです。

積算価格(原価法による資産価格)=1㎡あたりの単価 × 総面積 × 残存年数(耐用年数-築年数) ÷ 耐用年数

耐用年数は、木造なら22年、鉄筋コンクリート造では47年です。また、物件の状態や査定する不動産会社によっても差が出ることを知っておきましょう。

いくらで売れるかを自分で調べる方法

3,000万円の家はいくらで売れるかを想定するには、不動産会社による査定を受ける以外に、自分で相場を調べる方法もあります。

また、自分で相場を調べたうえで不動産会社の査定を受けたほうが、相性のよい不動産会社を選べますし、売り出し価格を決めやすくなります。

レインズマーケットインフォメーション

不動産流通機構が運営している「レインズマーケットインフォメーション」では、通常、不動産会社のみが使用している「レインズ」というシステムを利用して成約した取引価格が提供されています。

建物の条件など、できるだけ自分の家と類似の取引事例を確認すると、実際にいくらで売れるかを想定しやすいでしょう。

不動産取引価格情報検索

国土交通省の「不動産取引価格情報検索」でも、取引価格のデータを見ることができます。国が公表しているため、レインズマーケットインフォメーションには掲載されていない取引データも掲載されていることがあります。

レインズマーケットインフォメーションや不動産取引価格情報検索は、個人情報保護の観点から取引の詳細な場所は特定できませんが、自分の家と似た条件の物件相場が確認できます。

築年数以外の購入時から価格が変動する要因

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不動産の価格は築年数だけで決まるものではありません。経済的要因や社会的要因が価格に大きな影響を及ぼします。

たとえば、オリンピックや万博などの大規模なイベントが開催されると、周辺の不動産価格は上昇すると考えられています。インフラ整備が整えられ、都市機能がさらに強化されるためです。

地方都市においても再開発が活発に進んでおり、人口増加が見込めることが不動産の価格上昇の要因となります。

価格の変動はありますが、なるべく高く売るためにも売却するタイミングを見極めることが大切です。

買ったときよりも高く売れるケース

リクルートが実施するアンケート調査をもとに毎年発表される「住みたい街ランキング」は、テレビやインターネットなどで度々特集されているため、ご存じの方も多いのではないでしょうか。

このように注目が集まる街の物件は、比較的高く売れる傾向にあります。郊外なら、都心へのアクセスが便利な地域が近年ランキングの上位を占めています。

また、たとえば以下のような街の整備が行われたり、再開発の予定があったりする地域は、周辺の土地の売買価格が上がるケースが多いです。

  • 大型商業施設ができる
  • 新しく駅ができる
  • 道路を拡張する

それに伴い、購入時の3,000万円よりも高く家が売れる可能性があります。

買ったときよりも安くなってしまうケース

物価が下がるデフレの状態であれば、不動産の価値も下落してしまいます。人口が減少している地域では、今後の発展が難しいため家が購入時よりも高く売るのは難しいでしょう。

社会情勢や経済情勢が、不動産の価値に大きな影響を与えます。

都心でもマンションの建設が相次ぎ、供給過多になっています。空き家の増加も問題になっています。

また、近年は気候変動により、大型台風の襲来が増える傾向にあります。強風や洪水、浸水といった自然災害があると、その地域の家の価値に影響するおそれがあります。

3000万で買った家を売るときのポイント

まず、3,000万円で買った家とはどのような家なのかを考えます。

一戸建てで、土地の購入費用も含めて3,000万円の予算で購入したのなら、一般的にローコスト住宅と呼ばれている住宅かもしれません。ローコスト住宅は、デザインやプランが決められている規格型の住宅が多く建築されています。分譲住宅や建売住宅と呼ばれるものです。

ただし、ローコストだからといって、家の性能が著しく低下してしまう心配はありません。

3,000万円で買った家の価値をできるだけ保ち、なるべく高く売るために知っておくべきことを確認してみましょう。

家の構造や管理の状態を確認する

重量鉄骨造や鉄筋コンクリート造の家は、木造よりも法定耐用年数が長いため、価値が下がりにくいといわれています。また、外壁材や床材などの内装材に高価な仕上材を使用していれば、価格が下がりにくい傾向にあります。

こういったポイントをうまくアピールできれば、高く売れる可能性があります。

また、維持管理ができているのも大きなポイントです。耐用年数を把握して外壁の塗装やシロアリ対策など、しっかりとメンテナンスをしておきましょう。

リフォームは必要か

経年劣化した部分をリフォームで改修すれば、家の価値が下がることを抑えられます。

家の維持管理にも通じることですが、外壁や水回りなどをリフォームすると、購入検討者の印象もよくなり、高く売れる可能性があります。

ただ、気をつけたいのは、あまり手を入れすぎないことです。

リフォームに費用をかけすぎて、出費がかさんでしまうことは避けましょう。リフォームにかけた金額の分、値上がりするとは限らないからです。

売却を考えてのリフォームは、不動産会社と相談をしながら行うようにしましょう。

不動産会社選び

同じ3,000万円で買った家でも、実際には1軒ごとに違いがあり、立地や構造でも価格は変化します。

築年数が大きく影響するのは間違いありません。木造なら築20年を超える前に売り出せば、少しでも価格が下がることを抑えられます。

なるべく高く売りたいという気持ちがあるなら、早めの売り出しを検討しましょう。

とはいえ、自分だけで売却を成功させるには限界があります。「いくらで売れそうか」を正確に知るためにも、実績や経験が豊富な不動産会社に相談することをおすすめします。

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